無所属 衆議院候補 おぎわら隆宏

 

これまでの活動

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平成18年 決算第一特別委員会

△教育委員会関係

◆(荻原委員)
 民主党の荻原隆宏です。よろしくお願いいたします。
 まず、国際理解推進費についてお伺いいたします。
 平成18年度決算によりますと、国際理解推進費として6億五千七百数万円計上されております。これは教育指導振興費総額約25億円の4分の1を占める大きなものとなっております。
 そこでまず、平成18年度に行った国際理解推進の主な事業及び各事業別の決算額をお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 本市の主な国際理解推進事業には、小学校国際理解教室、英語指導助手配置事業、英語教育改善事業、日本語教室などがあります。経費といたしましては、小学校国際理解教室に1億1,600万円、英語指導助手配置事業に3億8,600万円、英語教育改善事業に9,300万円、日本語教室などその他の事業が6,200万円となっております。

◆(荻原委員)
 横浜は開港の地であり、我が国西洋文明流入の扉であります。交易立国の我が国は国際社会との円滑な交流なくして生きていくことはできません。石油も鉄も食糧も自国のみで調達はできない国であります。また、グローバルに連動する社会は今後ますます広がり、日本は、日本の中だけを見ていればよい時代ではもはやありません。
 (「そうだ」と呼ぶ者あり)国際港湾都市横浜で育つ子供たちには、国際社会でしっかりと自立し、人生を切り開く素地を身につけていただきたいと思いますし、交易立国の宿命を背負うこの国の発展のためにも、国際社会に通用する人材の育成は横浜の使命であると思っております。この観点から、小学校における国際理解教室という事業は極めて重要なものであり、横浜にしかできない教育を実現できる貴重な事業の一つではないかと思います。
 そこで、伺います。この教室において児童がどのように成長することができるのか、この教室によって児童が得られるものは何か、子供たちの未来像について教育委員会として考えておられるこの事業のねらいとは何か、お答えください。そして、このねらいに向けた事業の展開が平成18年度においてもしっかりと行われたかと思いますが、18年度の事業実施状況についてもあわせてお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 事業のねらいは、小学校に外国人講師を配置し、英語を通して異なる文化を体験的に学ぶことにより、英語に親しみ、児童の国際性及びコミュニケーションを積極的に図ろうとする態度の育成を図ることでございます。平成18年度は市内全小学校347校に、37カ国及び地域の出身の97名の外国人講師を配置いたしました。全学年全クラスで実施しており、年間平均授業時数は5時間となっております。

◆(荻原委員)
 同じく3億8,660万円という、個別では最も大きな決算額の英語指導助手配置事業、通称AETの配置事業についても、その事業のねらい、そして18年度の事業実施状況についてお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 事業のねらいは、英語指導助手を配置し、教員とチームティーチングによる授業を行う中で、英語による実践的コミュニケーション能力の育成を図ることでございます。平成18年度は中高、盲・聾・養護学校に95名の英語指導助手を配置いたしました。1名が2校を担当する割合で配置を完了し、英語指導助手の参加する授業の割合は29%となり、全国平均の27%を上回っております。また、小学校英語活動推進校54校には、英語指導助手を1クラス当たり年間18時間程度配置し、担任とのチームティーチングを行っております。

◆(荻原委員)
 国連は本年5月16日に2008年を国際言語年、インターナショナル・イヤー・ランゲージズとすることを発表しました。国際社会の言語の多様性を保全し、文化の継承に資するためとのことです。4年前の2003年にはユネスコの言語教育のガイドラインにマルチリンガリズムの推進についても言及されているところですが、言語というものは本来多様なものであり、世界には6,000から7,000の言語があると言われているそうですが、1つの言語を使用することが人間にとって自然ということでは決してなく、民族や地勢学的な事情、あるいはビジネスの必要性から二、三の言語を使用する人々は世界に多くおられると思います。
 昨今、英語教育に関しては2つの考えがあろうかと思います。国語の力が低下する中、英語よりもまず日本語を習得するべきではないかというものと、英語は国際社会に必要なものだから、できるだけ早期に習得したほうがよいというものであります。国語教育については後ほど伺いますが、まずは小学校における英語教育の導入に関して伺います。
 今後の導入展開、そして、どのような成果及びそれを達成しようとしているかについてお答えください。

◎(押尾教育長)
 これまでの小学校英語活動推進校の研究成果を踏まえ、平成19年度より準備の整った学校から順次英語活動を開始し、平成21年度には市内全小学校で英語活動を行います。本市の小学校英語活動は、国が示す小学校5、6年生からの実施から一歩踏み出し、小学校1年生から実施してまいります。期待する成果といたしましては、小中学校9年間を見通した中で、小学校卒業段階であいさつや簡単な自己紹介ができるなど、実践的コミュニケーション能力の基礎づくりを十分に行い、中学校の英語教育の素地を養うことでございます。

◆(荻原委員)
 自己紹介等は私の時代におきましては中学校1年生で学習をした記憶がございます。このように小学校において英語教育が導入されますと、おのずと中学校における英語教育にも変化が起こるかと思います。小学校で英語教育をスタートすることにより、より一歩進んだ英語教育が中学校において可能になると思いますが、中学校における英語教育のねらいについてお伺いいたします。また、中学を卒業した時点で生徒の英語習熟度の高さをどの程度に想定し、達成目標としているかについてもあわせてお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 中学校における英語教育のねらいは、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの4つの領域にわたる基礎的な能力を育成し、異なる言語や文化に対する知識と理解を深めることでございます。本市の中学校卒業時の到達目標といたしましては、相手の意向を理解し、自分の考えを伝えるといった実践的コミュニケーション能力を身につけ、横浜を訪れた外国人と積極的にコミュニケーションを図ったり、地域の外国人住民と日常的に交流しようとする意識を培う中で、異なる文化を持つ人々とともに生きようとする態度を養うことでございます。

◆(荻原委員)
 小学校においては多文化理解の学習を国際理解教室にて行われているかと思いますが、中学校においては多文化を学ぶ教室は実施されていないと伺っております。思春期に差しかかる中学生にとって、世界の姿を学ぶことは極めて重要かつ有益なことであると考えます。
 横浜は国際理解教育のリーダーとして、より深い国際教育を中学校においても実現すべきと思いますが、いかがでしょうか。

◎(押尾教育長)
 中学校の中には、選択教科で英語以外の言語を取り扱い、多文化理解を行っているところがございます。例えば、港中学校では中国語会話を取り組んだり、富士見中学校では近隣の国をテーマに調べ学習に取り組んだりしております。このように、今後もそれぞれの学校が行う英語以外の言語を扱うことや、多文化を理解する授業を尊重してまいりたいと考えております。

◆(荻原委員)
 ぜひとも中学校においてもどんどん推進をしていただきたいと思います。
 保護者の仕事の関係から外国から横浜へ移り住むようになった子供たちが、横浜の学校へ通い学んでいる現状があり、帰国子女、外国人児童生徒に対する日本語学習支援として、日本語教室が昭和56年度から実施されていると伺っております。この日本語教室のねらい、そして平成18年度の実施状況及び今後の展開についてもお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 申しわけございません。先ほどのお答えの中で18年度の市内の全小学校数を347と申し上げましたけれども、これは19年度の誤りでございまして、平成18年度は349校でございました。申しわけございませんでした。
 事業のねらいは帰国・外国人児童生徒等のうち、日本語の初期指導が必要な児童生徒に対して、学校生活に適応できる日本語能力を育成するため、一定期間基礎的な日本語指導を行うことでございます。実施状況でございますが、昨年度新たに入級した児童生徒数は、集中教室で指導を受けた者87名、派遣指導を受けた者254名でございます。今後も各学校の要請に応じた派遣指導と、集中教室でのきめ細かな指導を一層充実してまいりたいと考えております。

◆(荻原委員)
 このように、横浜ではさまざまな国から来た児童生徒が学んでいます。これは日本の姿を縮図としてあらわしているようにも思います。横浜は国際港湾都市として実績もあり、そして今後も国際性豊かで多様性に寛容な都市として発展していくべきであると思います。それが横浜の横浜らしさである、そのように私は信ずるからであります。
 また、国際社会に対する日本の考えを発信していく拠点としての力も蓄えなければいけません。そのためにも、国際コミュニケーション力の育成を横浜は率先して行うべきではないかと私は考えます。この国際コミュニケーション力というものは、単に英語を使えるということを指してはおりません。相手の思いを正確に理解し、自分の思うことを的確に伝えるという力を意味しているのだと思います。正確に文章や意見を理解する力、先を見て正しい判断を導く力、相手を尊重しながらおのれの意思を表明できる力などを養い、円滑で豊かな社会生活を送ることができるようになる。これが国際コミュニケーション力の目的とするところと思います。
 そのための一つのツールとして英語があるわけでございますが、このコミュニケーション能力を培うためには、何よりも母国語の十分な習得が大前提に必要であります。国語は漢字や四字熟語、文法、敬語など、日本人として歴史ある、古来から継承されてきた日本文化の根源をしっかりと身につける重要な教科であり、今後もしっかり行っていかなければいけません。
 国際理解推進費のくくりの中で国語力向上推進事業があると伺っております。まさにこういった観点から、十分な国語力をベースにした国際理解教育を推進していくことは、極めて大切なことと思います。平成18年度の行政監査におきましては、この事業はその有効性について指摘をされているところでありますけれども、国際教育の推進上極めて重要な事業と考えますので、さらなる精進が必要かと思います。
 そこで、伺います。平成18年度における当事業の実施状況、そして、そもそもの事業のねらい、そして今後の取り組みはどのようになっているか、お伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 外国語を運用していく上で、その基盤となる国語力を育成していくことは大切なことであると考えております。この事業では国語科を中心とし授業改善を図り、一人一人の子供の国語力の育成をねらっております。18年度は国語科授業改善モデル作成協力校や、まちとともに歩む読書活動推進校を設置し、国語力の向上に積極的に努めました。これらを通して言葉の由来や成り立ちに関心を持ったり、本に親しんだりする子供の姿が数多く見られるようになりました。今後も一人一人の子供に豊かな言葉の力を育成していくため、国語力の向上に取り組んでまいります。

◆(荻原委員)
 私は、国語に加える形で言語力もしくは国際コミュニケーション力の育成過程を導入することが、本当の意味で国語力向上につながるのではないかと考えております。日本の児童の読解力の低下がOECDの学力調査で明確に示されているところですけれども、このOECD調査によって、御承知のように、フィンランドの国語教育が脚光を浴びるようになりました。連続して読解力が1位だったという実績によるものであります。いわゆるフィンランドメソッドと言われる教育方法を発想力、論理力、表現力、批判的思考力、コミュニケーション力で分析した書物などを書店で見ることができますけれども、これらを私も見せていただきますと、実に感性豊かな教育のありようが見えてまいります。
 フィンランドという国はノキア社の携帯電話端末、あるいは虫歯予防のキシリトール、また、ヘルシンキ大学の大学院生によって開発されたパソコンのOSであるリナックスなど、実に幅広い活躍をしている国であります。これも教育のなせるわざなのかと思わせるものがございます。大学への進学率も世界第2位に位置していると伺っております。世界トップクラスの教育を実施している教育大国であることは、さまざまなお話から大いにうなずけるものがございます。
 また、フィンランドの教育は決して詰め込みというわけではなく、私も3年生、4年生、5年生の国語教科書を書店にて少し読ませていただきましたけれども、極めて実際的な会話や意思疎通方法、議論の展開方法の訓練が盛り込まれており、実に伸び伸びとした印象を受けました。(私語する者あり)昨今の我が国の教育改革、ゆとり教育の見直しが叫ばれている中で、もう教育の進むべき道をこれ以上混乱させてはいけない、ゆとりと詰め込みの行ったり来たりだけで議論してはならないと思うのであります。
 そこで伺います。教育大国の実績に謙虚に学びつつ、世界各国で行われている国語教育、言語教育をしっかりと研究し、国際港湾都市横浜が率先してその国際教育を策定、実践し、我が国の国際コミュニケーション教育の先駆けとなることを目指し、言語力育成のための国際コミュニケーションスキルの導入を果たしていただきたいというのが私の思いでございますけれども、言語力もしくは国際コミュニケーションスキルの育成に対して教育委員会としてはどのようにお考えなのか、お伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 言語は他者との豊かなコミュニケーションを行うための基盤でございまして、みずからの考えを明確にしながら言語を豊かに用いることが大切であると認識しております。言語力育成の具体的な状況でございますが、市内の学校では地域の方々をお招きし、よりよいまちづくりについての話し合いをしたり、学校行事に招待する手紙を書いたりする活動などを通して、相手や場面に応じた多様な言語活動を展開しております。今後、言語力や国際コミュニケーションスキルの育成については、これまでのさまざまな取り組みに加え、日本の文化や歴史を学び表現できるなど、一層の充実を図っていきます。(私語する者あり)

◆(荻原委員)
 横浜は学校数が多いことから、国際理解教室、英語教育については相応の経費が必要となってくることは、ある面理解ができますけれども、6億5,000万円という金額は極めて大きな施策であると思います。私は、横浜が国際港湾都市と名乗り続けるためには、国際理解教室は決してすたれさせてはいけない。むしろ日々進化して、全国に堂々たるカリキュラムの構築を行って、国際教育については横浜さんがやっていることが一番確かで間違いのないものだ、このように全国教育界の模範となる国際教育を展開しなければならないと思っております。
 これまで横浜は接収の歴史を乗り越えてハード整備を急ピッチに行ってきたと思います。引き続きハード整備を行いつつ、今後の横浜の未来は、まさにソフト部門の整備を展開しているところにあると私は考えておりますが、この国際理解教育はそのソフト整備の一つであります。さらに進んだ国際教育の構築のためにも、市民の皆様、市内外の皆様に御納得いただけるに足る国際理解教室の展開をしていくためには、その実績、成果をしっかりお示しできなければならないと思います。
 お答えいただいたさまざまな事業、それから今後の取り組みがあろうかと思いますけれども、伺います。これまでの国際理解教室やモデル校で英語活動を進めてきた結果、どのような成果が得られたか、伺います。

◎(押尾教育長)
 小学校の国際理解教室の成果につきましては、6年間で6人の違う国の講師と触れ合うことから、児童がさまざまな言葉や文化を持つ人々がいることに気づき、積極的に自己紹介をするなどの姿が見られるようになりました。小学校英語活動推進校の成果につきましては、自分の気持ちや好きなことを表現する活動を多く取り入れていることから、ジェスチャーを交えて相手に自分のことを伝えようとする姿が多く見られるようになりました。

◆(荻原委員)
 お伺いさせていただいた本市における国際理解推進事業は、まさに横浜ならではの、横浜の公共教育の付加価値なのではないかと私は考えます。横浜の歴史を踏まえて、この都市が将来にわたり誇り得る教育を展開するためにも、国際教育の充実化は避けてはならないものと思います。国際教育のさらなる充実化のために、実施した事業の効果について常に検証を行い、改善を施していくことが求められると考えます。また、そうすることで横浜市民の皆様に国際教育の重要性、そして必要性を十分に御納得いただき、誇りと思っていただけるような教育を創造していかなければならないと思います。
 監査委員からも改善要望事項として指摘をされているところであろうと思いますけれども、今後の国際理解教室や英語活動について、その教育効果の検証をしっかりと行っていくことが必要かと思いますけれども、お考えをお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 小学校ではアンケート等で授業中の児童の様子、外国人講師とのコミュニケーションの状況などを確認しております。また、中学校では横浜市学習状況調査で、小学校で培った資質や能力を素地とした、英語によるコミュニケーション能力や異文化に対する理解について測定をしております。今後は、子供たちが他者と積極的にコミュニケーションをとろうとする姿など、的確に把握するための指標について検討し、幅広く効果の検証を行っていきます。

◆(荻原委員)
 今後とも体系的な国際理解教育の推進に全力を挙げて取り組んでいただきたい旨、御要望を申し上げます。
 次に、教育相談費についてお伺いいたします。
 横浜市ではどのような教育相談体制で保護者の皆さんの悩み、教育現場の先生方の悩みをすくい取っているのか、18年度の現状をお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 学校での生活や学習など、さまざまな相談に対しては、一義的に学校で教職員が相談を受けます。教育委員会といたしましては、教育総合相談センターにおいて、カウンセラーや心理相談員、医師、教育相談員等200名余りのスタッフが小中学生や高校生、保護者、そして教職員等を対象に、一般教育相談、いじめ110番による電話相談、専門相談による心理相談、医療相談、幼児相談、カウンセラー等による学校における教育相談、各区子ども家庭支援相談における教育相談などの多様な窓口で、相互に連携を図りながら相談に応じております。平成18年度は約12万4,000件の相談を受けました。

◆(荻原委員)
 さまざまな相談体制があることがわかりましたけれども、保護者の皆さんの立場からいたしますと、どうでしょうか。少し入り口が見えてこないというような思いも私はいたします。いざ深刻に相談をしたいときに、どこに行くのが適当なのだろうか。先生とも相談したけれども解決が見出せない。そのようなことがあっても、保護者の思いを受けとめる相談窓口が、より明確になっていることが望ましいのではないか。そのように思います。
 言ってみれば相談窓口のワンストップサービス化でございます。学校の運営や教育内容について疑義のあるとき、悩み事を受けとめてくれる明確な窓口をつくるべきと思いますが、いかがでしょうか。

◎(押尾教育長)
 教育総合相談センターではワンストップサービスを心がけ、保護者の相談ニーズに応じたさまざまな相談窓口を用意して、その課題解決を支援しております。しかし、相談内容は多岐にわたり、必ずしも最初の相談窓口で課題が解決するわけではございませんので、そのような場合には教育総合相談センターの多様な相談ネットワークを生かし、適切な相談窓口を案内した上で、課題の解決に向けた継続的な支援を行ってまいります。

◆(荻原委員)
 保護者の皆さんの思い、先生たちの思いというものは、さまざまに深いものがあろうかと思います。私もいろいろと御相談を承ることもございます。時に保護者の皆さんと先生方の思いがすれ違うこともあろうかと思います。しっかりと状況を見きわめて、教育行政の責任において正しい対応を行うべきと思いますけれども、そのためには教育現場と保護者の方との間を取り持つ調整支援の装置があってもよいかと思います。もう少し工夫があってもよいかと思います。今後の取り組みの中で、この調整支援を行っていくことをどのようにお考えか、お伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 教育総合相談センターでは、相談を通して保護者が課題を整理し、安定した心情を醸成しながら、再び学校とともにみずからの課題解決に取り組めるよう支援をしております。しかし、問題が複雑で利害が入りまじるなど、相談だけでは解決できない場合には、教育総合相談センターが相談者の了解のもと、学校における対応や関係所管課による対応を依頼するなど、調整機能を積極的に発揮する必要があると考えております。

◆(荻原委員)
 現在行われている教育相談窓口の周知、そういったセンターの周知もすべて含めてですけれども、相談員の教育についてもどのような状況か、教えてください。

◎(押尾教育長)
 教育相談窓口の周知につきましては、ホームページ上での相談窓口の紹介、全児童生徒への相談カードの配付、市立学校を通した相談窓口の紹介などを行っております。また、相談員の研修につきましては、心理や医療の専門家による相談手法の研修、困難な相談事例に関する指導助言、毎月の定例会における事例検討を通した研修、緊急対応に関するシミュレーションによる研修など、さまざまな課題に対応するため資質の向上に努めております。

◆(荻原委員)
 今後ますます、教育現場と保護者の皆様とのコミュニケーションは大変重要なものになってくると思います。保護者の皆さんと学校の良好なコミュニケーションのためには、より充実した教育相談体制を実行していただきたいと思いますけれども、その考え方、今後の取り組みについてお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 教育相談の目的は、保護者が教育相談を受けることによって課題解決の道筋が見え、学校への信頼感を深め、自信を持ってみずから課題解決に取り組むことであります。そのため、多様な相談窓口を設けるとともに、さまざまな調整機能を十分発揮していくことが重要であると考えております。今後とも学校における相談体制の充実、教育相談機会の拡充、同一カウンセラーによる小中一貫の相談の推進、学校や各相談窓口間の連携強化、教育相談員、カウンセラーの資質向上など、取り組みをさらに深めまして、保護者の多様な相談ニーズにこたえてまいります。

◆(荻原委員)
 ぜひとも多様なニーズにおこたえいただきたいと思いますけれども、その入り口、窓口におきましては、ぜひともわかりやすく設定をしていただきたい。そして周知をしっかりと行っていただきたいということを御要望申し上げます。
 次に、学校特別営繕費についてお伺いいたします。
 横浜の教育費は児童生徒1人当たり決算で、小学校費で5年連続減少、中学校費で2年連続減少、小学校においては平成13年度の7万1,180円をピークに、平成18年度決算は5万6,472円と、20%の減となっております。教育費の減少は、横浜の未来を先細らせるものとして極めて深刻な問題と思いますけれども、このことがハード部門の営繕費にも同じような傾向が見られ、学校特別営繕費については平成12年度の164億9,207万円をピークに6年連続減少傾向をたどり、平成18年度に至っては約29%減の117億6,703万円となっております。この特別営繕費減の問題の深刻さは、耐震補強工事費とのかかわりで、より一層深いものとなっております。横浜市においては耐震補強工事を平成21年度に前倒しで全校実施完了するということで、しっかりと進めるべき施策を確実に実行いただいていると思います。
 問題は、耐震補強とともに同時進行すべき施策が着実に行われているか否かです。平成18年度の決算によると、耐震補強工事費は前年度の2倍となっております。当然、耐震補強工事費を項目に含む学校特別営繕費も、通常に考えますと大きく膨らむと思うのですけれども、特別営繕費総額は、先ほども申し上げましたように減少を続けております。
 そこで、伺います。まずは、なぜ耐震補強工事費が倍増しているにもかかわらず、学校特別営繕費は減少しているのか。その理由は何か。そして、校舎老朽化対策を含む学校特別営繕のさまざまな施策はしっかりと進められているのかどうか、お伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 全市的な方針のもと、施設等の整備費の縮減を行う中で、学校特別営繕費についても減少をしております。こうした中で、児童生徒の安全にかかわる耐震補強工事を重点的に行っているところでございます。また、老朽化対策を含む学校特別営繕費の執行に当たりましても、全体のバランスを考えながら優先順位をつけ、予算配分に工夫をし、取り組んでいるところでございます。(私語する者あり)

◆(荻原委員)
 平成21年度には耐震補強工事が完了すると聞いております。その後、平成22年度からの老朽化対策は、しっかりと工程表は組まれているのでしょうか。耐震補強とあわせ、安全安心な学校づくりには老朽化対策もしっかりと行わなければ、真の防災対策とはなり得ません。老朽化対策の進め方についてお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 安全安心な学校のためには施設の老朽化対策が重要であることは認識しております。昨今の厳しい財政状況下では、建てかえを行うのではなく、老朽化の実態を把握した上で改修計画を策定し、計画的な保全を行っていく必要がございます。そのためには限られた財源を効率的に執行し、学校施設の長寿命化を図っていきたいと考えております。

◆(荻原委員)
 今後の進め方については工程表をしっかりと組んでいただいて、確実、着実に進めていただきたいと思います。
 次に、防災教育についてお伺いいたします。
 子供たちに日ごろから防災についての話をしてあげることは、大変大切なことかと思います。
 そこで、伺います。小中学校においては防災教育はどのように行われているか、その取り組みをお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 防災教育の目的は、安全安心に生活するため、みずからの判断で危険を察知、回避できる、いざというときに適切な対処ができる能力をはぐくむことにあります。各学校では定期的に行っている防災訓練を中心として、各教科等と防災教育との関連を図りながら、児童生徒の発達段階に応じた教育計画に基づく防災教育を推進しているところでございます。19年度は総合防災訓練を地域住民、保護者、諸機関と連携し、拡大して行う取り組みも行っております。

◆(荻原委員)
 18年度の決算によりますと、児童生徒の安全対策推進事業として約4,000万円計上されておりますけれども、このうち防災教育の推進に向けてどのような取り組みを行ったのでしょうか。

◎(押尾教育長)
 18年度は主なものとして、安全教育推進モデル校38校を指定し、カリキュラム作成、指導法や教材の開発等に取り組みました。モデル校の取り組みをまとめた安全教育実践事例集を作成し、全校に配付いたしました。横浜安全教育フォーラムを開催いたしました。さらに、防災チェックシートを作成し、各小中学校の防災教育をサポートする教材として全児童生徒に配付し、今活用しているところでございます。

◆(荻原委員)
 防災チェックシートを極めて有効な取り組みと評価させていただきたいと思います。今、私の手元にもございますけれども、小学校の1、2、3年生用、そして小学校4、5、6年生用、そして中学生用とございます。この中身はいろいろと、これからも工夫の必要があると思いますけれども、この防災チェックシートをさらに深めていただきたい。具体的に実際どのような活用がされて効果が上がっているか、お伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 学校では防災教育の年間指導計画に基づき、防災チェックシートの活用を進めております。推進モデル校では防災チェックシートを防災訓練の指導の中で振り返りに活用したり、家庭で保護者と家の中の防災上の危険箇所を点検し、改善したりする取り組みを行っている事例もございます。モデル校からは、学校での防災訓練の行動が機敏で真剣さが増したということや、家の中で危険箇所を改善しようとする意識が育っていることなどの効果の報告が上がってきております。活用を通して児童生徒や家庭の中で防災意識がさらに高まることを期待しているところでございます。

◆(荻原委員)
 ぜひともしっかり進めていただきたいと思います。こういった防災チェックシートのような学習をどんどん推進しながら、これだけではなくて、例えば起震車に乗ってみたり震災体験者の話を伺うなど、実体験学習の取り組みも必要ではないかと思います。
 防災に関する体験型学習の現在の状況、そして今後の取り組みについてお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 体験型学習の取り組み例といたしましては、総合防災訓練において消防署や区役所を初め、赤十字社等と連携し、消火訓練、起震車による地震体験、煙体験、避難用具や救命用具の使用体験、救命法体験等を行うなど、さまざまな取り組みが展開されております。今後は安全教育推進モデル校の実践を参考に、諸機関や地域との連携を図った体験型学習の展開が全校で取り組めるよう努めてまいります。

◆(荻原委員)
 市立高等学校においてはどのような防災教育を実施されておられるでしょうか。

◎(押尾教育長)
 市立高校では東高校を防災教育のモデル校としており、生徒自身が自分の身の安全を確保した上で、人のために自分ができることを行うという視点から、自校の防災訓練を実施した後に、近隣の保育園及び小学校と合同で避難訓練を実施しております。保育園とは保育士の補助として園児1人に高校生が付き添い、避難誘導する訓練などをしております。また、小学校とは負傷した児童を保健室に移動させる際の手伝いの訓練などをしております。

◆(荻原委員)
 地域コミュニティーの力はそのまま防災力につながります。児童生徒には地域コミュニティーの重要性をしっかり認識してもらいたいと思うところなのでございますが、防災教育というのは最もコミュニティーの必要性を実感できるものではないかと思います。地域コミュニティーの醸成に対しても防災教育は大変有効な取り組みと思いますが、お考えを伺います。

◎(押尾教育長)
 先生御指摘のとおり、児童生徒が防災教育を通して、災害発生時に地域の中での助け合いが重要であることを学び、みずからの安全も確保しながら、できる範囲で地域に貢献しようとする意識を高める効果が期待できるものと考えております。学校と地域の防災訓練を合同で行うなど、児童生徒が地域の方々と一緒に活動する中で、地域の一員としての自覚を高めるよう取り組んでいる学校が徐々にふえてきているところでございます。

◆(荻原委員)
 今後とも安全管理局、そして地域の消防団との連携をさらに深くしながら、市立高等学校も含む防災教育のさらなる充実化に向けて取り組んでいただきたいことを御要望申し上げます。
 次に、学校現場における医療支援について伺います。
 近年、LD、注意欠陥多動性障害など、発達障害のある児童生徒に関して、障害のわかりにくさなどもあって、学校内での不適応行動、トラブル等について本人、保護者の皆さんが悩んでおられるケースを聞くことがございます。発達障害児への教育的支援に当たっては、本当に個別的に発達段階や障害特性に応じて配慮しなければいけないと思いますけれども、その支援の需要がふえていくことが想定される中、医師による、より専門的な見地からの教育現場における支援が必要であると私は思っております。
 そこで、発達障害のある児童生徒の保護者の相談窓口の実施状況、学校などに対する医療的支援はどのように行われているか、お伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 小学校、中学校、特別支援学校全校におきまして、保護者の相談窓口として、また、福祉、医療等の関係機関との連携調整役として、教員を特別支援教育コーディネーターに指名しております。発達障害にかかわる学校支援として、平成14年度より専門家支援チーム派遣事業を行っておりますが、医療的な見地からアドバイスが求められる場合には、学校長からの派遣依頼により小児精神科等の医師の派遣をしております。

◆(荻原委員)
 専門家支援チームの組織構成はどのようになっておりますか。また、その中に医師はどのくらいおられますか。

◎(押尾教育長)
 18年度より支援チームを、方面エリア別に6ブロックに分け派遣する体制といたしまして、医師、教育、発達心理学等の大学教授、臨床心理士等23名で構成されております。このうち小児精神科等の医師は4名でございます。

◆(荻原委員)
 直近3年の支援チームの派遣実績はどのようになっておりますか。このうち、医師の派遣の件数について及びその支援内容についてもお伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 平成16年度は95校157回の派遣で、医師の派遣は3回でございます。平成17年度は140校164回の派遣で、医師の派遣は5回でございます。18年度は84校108回の派遣で、医師の派遣は13回となっております。主な支援内容は、児童生徒の行動を観察して学校生活の様子などをもとにした学校長、学級担任等への指導助言、校内委員会への参加等となっております。

◆(荻原委員)
 医師の学校への派遣によって、これまでの実績の中でどのような成果が得られているか、また、これまでの支援活動の中でどのような課題があらわれているか、お伺いいたします。

◎(押尾教育長)
 成果といたしましては、子供の学校での不適応行動、授業中の立ち歩きや教室からの飛び出し等、また暴力等に対しまして理解が得られにくかった保護者に対して、医学的な見地からの助言をもとに医療につなげることができたことや、子供の特性に配慮した指導に生かすことができたことでございます。課題は、医師等外部の専門家を派遣するには保護者の理解と協力を得ながら行われる必要があるため、学校が医療的な支援が必要だと認識しても申請ができない場合も多いことでございます。

◆(荻原委員)
 医療はどんな分野にも通じると思うのですけれども、早期発見、適切な対処が最大の利益につながるかと思います。
 そこで、発達障害にかかわる学校現場への医療的支援に向けて、より充実した迅速かつ的確、効果的な派遣、配置方法を検討していくべきと思いますが、お考えを伺います。

◎(押尾教育長)
 これまで以上に学校と医療、療育機関との連携を強化して、保護者の同意など個人情報に配慮しながら、子供の生育歴や診断の有無、医療とのかかわりなどの情報を得ながら、子供の教育的支援に努めてまいります。さらに、学校が医師等の専門家を講師や助言者に、PTA、保護者研修会や懇談会を設け、発達障害に対する保護者理解を深め、相談しやすい環境づくりにより、早期に医療につなげていくことができるよう、より効果的な実施方法を工夫してまいりたいと考えております。