横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

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平成20年 予算第一特別委員会

△こども青少年局関係

◆(荻原委員)
 民主党の荻原隆宏でございます。よろしくお願いいたします。
 初めに、こんにちは赤ちゃん訪問事業についてお伺いいたします。
 時代はどんどん移り変わっていきます。バブル崩壊のつめ跡は少子化という形になってあらわれました。子育ての困難さは次の世代に引き継ぐべきものでは決してなく、改善をどんどん施していかなければなりません。夫婦のあり方、家族のあり方、働き方まで価値観は多様化して、保育のあり方もまさに多様化の時代に入っております。
 さて、横浜市では毎年約3万人の赤ちゃんが誕生しているということで、平成18年度におきましてはゼロ歳児が3万2,000人いるとお伺いいたしました。そのうち、2,614人が保育所に通い、732人が横浜保育室を利用しているともお伺いいたしました。ここではたと思いますのが、残り約2万9,000人の赤ちゃんについてでございます。保育所や保育室に通うなど、行政と日常的にコミュニケーションがとれているゼロ歳児は約3,300名、これはゼロ歳児全体のちょうど1割でございます。あとの約2万9,000人、9割の赤ちゃんは行政とどのようなコミュニケーションが図れているのか。この9割のゼロ歳児は皆行政が施すべきサービスをきちんと受けて育っているのかどうか、そのことを見きわめるためにも、生後4カ月までの間に行政が保護者の皆さんにアプローチして手を差し伸べるというこの事業は大変重要であると思います。
 そこでまず、こんにちは赤ちゃん訪問事業がどのようなねらいのもとに施策されるのか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 出産後早期は母子ともに心身が不安定であるとともに、外に出る機会が少ないため、この時期に市が委嘱した地域の訪問員が訪問し、地域の子育て情報の提供や育児相談を行うことで育児不安の軽減を図ります。また、親子と訪問員が顔見知りになることで訪問後に地域の中で声をかけ合うなど、地域のつながりを醸成します。さらに、地域と区福祉保健センターが協力して事業を進めることで児童虐待の予防にもつながるものと考えております。

◆(荻原委員)
 地域の方々と区が連携して訪問事業を行うということでございますけれども、事業のねらいに沿って効果的な訪問を展開していただきたいと思いますが、訪問先では具体的にどのようなことをしていただくのでしょうか。

◎(岸本こども青少年局長)
 同意を得られた家庭を訪問して赤ちゃんの誕生をお祝いするとともに、現在の親子の様子や子育てが楽しくできているかなど、母親の話をお聞きします。また、区福祉保健センターや地区センターの子育てに関する相談窓口、赤ちゃん教室やつどいの広場などの地域の子育てに関する情報をお知らせいたします。

◆(荻原委員)
 事業を実施するに当たりまして、訪問には保護者の同意が必要とお伺いしております。この同意をいただけない場合はどのように対応されるのか、そしてまた、事業の効果を最大限に引き出すためにもなるべく多くの家庭を訪問することが肝要かと思いますけれども、全数訪問を達成するためにどのような方策をお考えなのか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 同意を得られない場合は、区福祉保健センターの職員が電話や手紙などで再度事業の説明を行うなど、同意を得る努力をしてまいります。なお、すべての家庭を訪問するためには、母親を含め地域の方々に本事業を理解していただくことが重要と考えております。広報よこはまやホームページで広く周知を図るとともに、母子健康手帳の交付や母親教室の機会などを十分活用してまいります。

◆(荻原委員)
 訪問事業といたしましては、母子訪問事業も行われております。本年も事業として予算計上されておられます。訪問事業を並行して行うわけでございますが、現行の母子訪問事業とこんにちは赤ちゃん訪問事業のそれぞれの役割はどういうものなのか、また、この2つの事業はどのように連携していくのか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 現在実施しています母子訪問は、第1子の母親や支援が必要な家庭を対象にしまして助産師や保健師が訪問し、子供の発育状態や育児不安の強い母親の育児状況を確認し、個々に応じた保健指導を行っております。一方、こんにちは赤ちゃん訪問は、すべての家庭を対象に地域の訪問員が養育者の視点で地域の子育て情報をわかりやすく提供し、地域と母親をつなぐ役割を担います。
 また、訪問員が育児不安の強い母親などを把握した場合は、区福祉保健センターに引き継ぎ、必要に応じて助産師や保健師と連携して見守りを行います。

◆(荻原委員)
 保護者が最も不安を抱える4カ月までの間にどれだけ行政が親身に相談に乗れるかがその後の育児にも大きく影響を与えると考えます。さらなる地域密着型の展開が望める中で、行政のより深く、多様な保護者へのアプローチが可能だと思います。また、ゼロ歳児のいる家庭の9割が行政と日常的にコミュニケーションのない状況にありまして、その真のニーズ把握に努める必要もあると考えます。
 そこで、訪問先においてより多様な子育てニーズを把握するアンケート等をとっていただき、今後の子育て施策に反映する一助にするべきと考えますが、見解を伺います。

◎(岸本こども青少年局長)
 本事業は出産後早期の母親が困っていることや望んでいる支援等を直接把握できるよい機会であると考えております。訪問した際の育児相談から把握した内容を取りまとめて、今後の親子保健事業や子育て支援事業に反映してまいります。

◆(荻原委員)
 当事業は、より健全で十全な子育てを展開する、あるいは社会が行政に求める子育ての政策の実際を知る、おっしゃるとおり最大のチャンスであると考えます。より深いアプローチを保護者にしていただきたいと思います。また、そのアプローチを的確にフォローするためにも、区の母子保健事業を初め健康福祉局、教育委員会とも局際的な事業連携をとり、現場からフィードバックされた情報を専門的に適切に政策に反映していただきたいと思います。ゼロ歳児の現場で何が起こっているかしっかり把握して、オール横浜の体制でゼロ歳児を支えていただくことを要望いたします。
 次の質問に移ります。
 保育所の整備と運営についてお伺いいたします。
 平成15年度に子育て支援事業本部を設立後、急ピッチで保育所の整備を行い、その結果、平成16年度には1,190人いた待機児童数が平成18年度におきましては353人まで減少したと伺っております。保育所数も101カ所の増、定員にして8,011名の増ということで、その充実化は著しいと印象を受けます。しかしながら、平成19年度におきましては待機児童数が576名と上昇している様子でございます。
 そこで、平成19年度の待機児童数が前年度に比してふえている理由は何か、見解をお伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 女性の就労意欲の高まりや大規模マンション開発などにより、保育ニーズは引き続き増加傾向にあります。18年度は15カ所の保育所を整備し、19年4月の定員を950人ふやしましたが、入所申込者数のほうは前年と比べまして1,842人の増と、整備による定員増を大幅に上回る結果となりました。このことが待機児童数がふえた直接的な要因であると考えております。

◆(荻原委員)
 入所希望者も平成16年度では2万8,000人ということでございましたが、平成19年度においては3万4,000人と大幅にふえております。
 年間約3万人の赤ちゃんが誕生しておりますので今後さらに入所希望は増加するということを見込まなければいけないと思いますが、平成19年度におきましては保育所整備をどのように進め、また整備による定員増はどれぐらい実現できるのか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 19年度は、待機児童数が増加したことを踏まえまして、既存ビルの改修等による整備促進事業を主力にしまして、待機児童の多い整備が望ましい地域を中心に保育所整備を進めております。また、整備に伴う1カ所当たりの定員数をできるだけふやすような取り組み等も行っております。
 その結果、19年度予算で掲げた定員増数1,394人を大幅に上回る約1,600人程度の定員増が実現できる見込みとなっております。

◆(荻原委員)
 しっかりと待機児童数をどんどん減らすように努力していっていただきたいと思います。
 保育所の整備は量の確保という観点で重要でございますが、あわせて質の確保も担保されなければいけません。横浜市も平成18年策定の中期計画の中で、増加する入所申し込み、多様な保育ニーズへ対応するために、保育所の新設、増築を行うとして、平成20年度は23カ所の新規開設、民間保育所は296カ所になるとお伺いしております。また、国の規制緩和を受けて新規認可を企業に開放し、本年2月現在で企業が運営する認可保育所は44カ所になるともお伺いしております。
 このように保育所の民間移管が進み、また新規でも民間の保育所が設置されていく中、保育の質が競争の中で劣化していくことはないのかという懸念も一方で抱くのでございますが、増加する民間の認可保育園における保育の質の確保のためにどのような対応をとっているか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 本市では、民間が運営する保育所の質を確保するため、国の運営費に上乗せして、児童の処遇向上を図るための経費を助成するとともに、保育所職員の資質向上を目的とした各種研修を実施しております。また、保育所みずからが課題に気づき、改善への取り組みを促すため、費用の一部を助成して福祉サービス第三者評価の受審を推進しています。なお、児童福祉法に基づき、児童処遇、職員配置等が守られているか、すべての認可保育所に年1回の指導監査を実施しております。

◆(荻原委員)
 より適切な保育を実施できることに加えまして、より多くの保育ニーズにも対応していくことが求められると思います。大都市の魅力の一つには、より多様なライフスタイルを実現できるということが挙げられるかと思います。さまざまな人々が集い、さまざまな人生にチャレンジしていくことを可能にする都市には自然と活力が生まれてくるのではないかと思います。横浜は、将来に夢を見ることのできる町として、夫婦共働きでも全国のどの町よりも不安が少なく子育てをすることができる都市づくりを果たして、次世代につないでいかなければならないと考えます。
 そのためには、的確に今の子育て世代がどんな子育て支援を望んでいるのか把握する必要があるかと思いますけれども、産休明け保育なども含めて多様化する保育ニーズをどのように把握されておられるか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 市民の就労形態や子育て意識の変化に伴って、多様化する保育ニーズにこたえていくために、かがやけ横浜子どもプラン策定時に行った市民アンケートや、横浜市中期計画策定に際して実施したパブリックコメントなどによりまして市民の意見を聴取しております。また、保育園関係者や子育てサークル等からの意見や、日々寄せられております市民の声などさまざまな広聴情報を参考にしながら、保育ニーズを把握し、サービスの充実を図っているところであります。

◆(荻原委員)
 保育ニーズは時代の流れの中でさまざまな変化をしていくものと考えます。
 いかに的確にニーズを把握して、確実に迅速に対応していくかが問われると思いますけれども、民間への移管が進む中、横浜市全体で保育ニーズへの対応は十分にできているかどうか、お考えを伺います。

◎(岸本こども青少年局長)
 就労形態の多様化などに伴うさまざまな保育ニーズに対応するため、新規に開設する保育所に対して障害児保育の実施を義務づけたり、保育時間を長く設定することや一時保育等の実施を積極的に働きかけております。また、既存の保育所に対しまして、サービスに対する助成制度を設けるなどして一時保育や地域子育て支援等の実施施設を拡大し、多様な保育ニーズの対応を図っております。

◆(荻原委員)
 民間保育所は公立の保育所よりもより多様な保育ニーズにきめ細かく対応できるということで、横浜にも民間の保育所がふえてまいりました。平成20年4月1日現在で市立の保育所が106カ所、民間が296カ所と、約7割の保育所が民間となっております。保育ニーズへの対応については、例えば産休明け保育に関しますと、平成19年4月1日現在で市立保育所110カ所のうち、産休明け保育を実施しておりますのは12カ所、約11%の実施率ということでございますが、民間の場合は179カ所、66%ということでございます。
 このような中で、民間に負けず、これまでの実績と経験を生かしてしっかりと市立としてのよさを改めて頑張って磨いていかなければならないと思いますけれども、民間移管が進められる中、改めて公立保育園の存在意義が問われると思いますが、今後公立保育園は民間保育園と比しましてどのような役割を果たしていくのか、お考えを伺います。

◎(岸本こども青少年局長)
 社会福祉法人、企業、NPO法人など多数の民間保育所の運営主体がある中で、市立保育所は各区内の民間保育施設との連携の核となり、保育の質の向上を図るための中心的役割を担うとともに、地域子育て支援の推進などの役割を果たしてまいります。

◆(荻原委員)
 次に、在宅子育て支援についてお伺いいたします。
 横浜のゼロ歳から3歳未満の子供たち約9万6,000人のうち、8割が保育所や保育室、あるいは家庭保育福祉員を利用していない、いわゆる在宅の子供たちであると伺いました。地域や行政と日常的に関係することのない保護者の皆さんにとっては、さまざまな御苦労、御心配があろうと思います。
 そこで、在宅の子育て支援事業としてさまざま事業が行われている中で、横浜子育てサポートシステム事業についてまずお伺いいたします。
 この事業では、利用会員と提供会員の登録をいただいて、地域の力で一時預かりの場を提供する事業ということでございますが、現在子育てサポートシステムはどのように、またどの程度活用されているのか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 18年度には約3万5,000件の利用がございました。その内訳は、保育所、学童保育の送迎とそれに伴う預かりなど、就労にかかわる利用が約8割を占めており、過去3年程度を見ても同様の傾向であります。その他の利用としては、病気や急用時の利用、リフレッシュ、子供の学校行事に伴う利用などがあります。

◆(荻原委員)
 さまざまな活用の仕方があるのは大変よいことと思います。一方で、在宅の子育て支援という趣旨を十分に発揮するためにも、もっと在宅子育ての保護者の皆さんが利用しやすいシステムにしていく努力も必要だと思います。
 そこで、在宅で子育てをしている保護者が子育てサポートシステムを使いやすくするための工夫は行っているのかどうか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 19年度から一部の区で、親子が集う居場所を運営しているNPOをサポートシステム事務局とするモデル的な取り組みを始めております。在宅子育て家庭にとっては、事務局がある親子の居場所で日常的に説明を受け、入会手続ができたり、サポートシステムの預かり場所として居場所が提供されるなど、このシステムの存在が身近なものとなっています。また、事務局みずからが地域の方が集う場所へ積極的に出向いてサポートシステムのPRを行うなどの取り組みによって、初めての利用に伴う不安が払拭され、使いやすくなったとの声もいただいております。

◆(荻原委員)
 次に、新規事業であるリフレッシュのための一時預かり事業についてお伺いいたします。
 この事業は、まずはパイロット事業として始めるとお伺いをしております。
 そこでまず、この事業を始めるに至った経緯についてお伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 保育所での一時保育は従来から行っていますが、週3日以内のパート就労など保育所の入所要件には該当しない就労のための利用が多く、リフレッシュ目的などの臨時的な利用については、必ずしも利用したいときに利用できる状況ではありません。そこで、例えば毎日子供と1日中過ごすことでストレスを感じている場合や一時子供を預けて用を足す場合など、気軽に利用できるよう、リフレッシュなどに限定した一時預かりサービスをパイロット事業として実施することとしたものです。

◆(荻原委員)
 この事業を実施する場所、そして運営主体のめどはついておられるのか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 4月からの実施を予定しておりますので、その実施に向け、運営主体は公募により選定することとしていまして、実施場所については事業者が場所を決めて応募いただくこととしております。運営主体は、一時預かり事業の実績がある団体が望ましく、場所は駅周辺や商業施設内など利便性の高い場所であることが望ましいと考えております。
 なお、運営主体は、今後、学識経験者等を含めた選定委員会で選考の上、決定することとしております。

◆(荻原委員)
 特に3歳未満の約8万人の子供たちが保育所、そして保育室ともふだんかかわりのない状態で、その保護者の皆さんはさまざまに悩みを抱えておられると思うのですけれども、より日常生活にかかわる形で子育て支援を多様に行っていただきたいと思います。また、市民の生活スタイルもさまざまな形があり、子育てのありようは一つだけではありません。子育てに悩むお母さん、お父さんのよきサポーターとして最高の子育て支援を局一丸となって行っていただきたいと要望いたします。
 次に、若者サポートステーションについてお伺いいたします。
 よこはま若者サポートステーションにはネックネーム、わっくワークという名前がついておりますけれども、私もおととしニックネーム募集に応募させていただきまして、これは残念ながら不採用でございました。
 さて、失われた10年、あるいは15年と言われる長い景気の低迷の中で、社会に巣立った若者の多くが低所得と安定性に欠ける就労に従事しております。勝ち組と負け組とに選別する社会風潮は、企業の勝ち負けにとどまらず個人の人生の勝ち負けにまで広まっております。今の若者の格差は激しく、陰の一掃は容易なことではありません。フリーター、ニートは待ち組であると以前言われたこともございました。しかしながら、私はこの認識は大きな間違いであると思っております。フリーターもニートも待ってはおりません。みんな闘っております。どうしたら幸せになれるのか、どうしたら社会の役に立てるのか、どうしたら自分を発揮できるのか、彼らなりの闘いを展開していると私は考えます。その闘いを支える、それが若者の就労を支援する事業の核心、責任であり、若者の自立支援の目的であると思います。バブルを崩壊させた後、多くの若者を長く路頭に迷わせたのはこの日本の政、官、業、すべての責任であると思います。そんな中で、若者の就労を後押しするこの事業は大変重要なものと考えます。
 まず、よこはま若者サポートステーションの事業目的、趣旨はどのようなものか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 よこはま若者サポートステーションは地域や企業、NPO法人等とネットワークを構築し、若年無業者や引きこもり状態にある若者たちの社会参加や就労に向けた総合的、継続的な支援を実施することで、社会的自立、職業的自立を図ることを目的としております。

◆(荻原委員)
 これまでの就職などに結びついた実績はどのようなものか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 平成18年12月の開設から20年1月までの14カ月間で、就労に結びついた人数は94人となっております。

◆(荻原委員)
 大変に厳しい状況があろうかと思います。サポートステーションの努力がより大きな果実となるように、就労支援がもっともっと多く可能となるためにも、協力企業数の拡大に向けた働きかけが必要になると考えます。
 そこで、サポートステーションでは協力企業の獲得に対してどのような努力がされているか、また、企業との連携の困難さを乗り越えて若者の未来を切り開くためどのような方策を考えているか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 サポートステーションのスタッフが定期的に企業を訪問し、若年無業者や引きこもり状態にある若者の自立支援の取り組み等について理解を求めるとともに、職業体験の受け入れ先としての協力要請を行っております。また、企業との協働の取り組みとして、就労体験や職業人セミナーを実施しているNPO法人と連携することによって、利用者の職業的自立に向けた支援を図っております。さらに、今後は職業的自立の目標を企業への就職だけではなく、例えば豊かな自然の中で農業、林業に従事することや手に職をつけた働き方など、個々人の適性に合った就労支援を検討してまいります。

◆(荻原委員)
 局として全面的にサポートステーションをフォローしていただきながら、例えば地域のリタイアされたシニア世代の皆さんに御協力を仰ぎながら、サポートステーションでの講習会なり、企業とのパイプ役など、いろいろなことをお願いして、まさに地域の力で若者の人生を支えていくことができるような仕組みづくりをぜひ行っていただきたいと要望させていただきます。
 そこで、本年度はよこはま型若者自立塾というものが予算計上されているということでございます。サポートステーション開設によって掘り起こされました新たに見えてきた若者の支援ニーズに対応する事業とお伺いしておりますけれども、長期の引きこもり、人間関係が上手に築けない若者たち、これは景気いかんにかかわらず支援が必要な存在であると思いますが、よこはま型若者自立塾の事業のねらいは何か、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 長期にわたって引きこもり状態にあった若者が共同生活やさまざまな体験活動を通じて、生活リズムの立て直しや低下した体力を回復するとともに、人間関係やコミュニケーション力の向上につなげていくことを目的としております。

◆(荻原委員)
 よこはま若者サポートステーションとの連携があるかと思いますけれども、これはどのようにお考えか、お伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 よこはま若者サポートステーションにおける相談者の中には、長期にわたって引きこもり状態にあったため、生活リズムの改善が必要な若者が多く見られます。そこで、よこはま型若者自立塾において、共同生活を通じて生活リズムの改善を図り、人間関係やコミュニケーション力を身につけた上で、改めてサポートステーションにおいて職業的自立へ向けた支援を行ってまいります。

◆(荻原委員)
 若者の活躍の場所をふやしていくには、まず社会の価値観がシフトしていかなければいけないのかなと私は考えております。経済だけが物を言う社会では、なかなか商売につながらない伝統、知恵、そして夢といったものがどんどん消えていってしまう。かつての高度成長期と今の日本が大きく異なる点は、所得がなかなか伸びないというところにございます。けさの新聞、朝刊でも労働分配率の記事が載ってございました。今の若者が絶望している点は、所得の伸びがなかなか期待できずに、よい暮らしができる予感が全く感じられないところにあると私は思います。報いのない苦労を若者に強いている、これが格差社会の問題の核心なのではないか。ここ15年間、日本がやってこられたのは、アルバイト、そして契約社員などの皆さんの力に負うところが大変に大きいということを真剣に受けとめないと本当に豊かな未来はやってこないのではないかと考えます。必ず一定の層が犠牲となる社会構造を抱えたまま、若者が豊かな未来を描くことは困難であると思います。若者が夢のある未来に向かって前進できる都市であるためにも、横浜が若者に向かって発信するコンテンツをさらに生産していかなければならないと思います。そのためにも、青少年が何を考え、何を望み、何を解決したいのかをしっかり把握することが、こども青少年局の効果的な事業実施に結びついていくと考えます。
 そこで、現代の青少年の課題に正面から立ち向かって自立支援をより効果的に行うために、そして青少年が夢と希望に満ちた人生を生きるために横浜は一体何ができるかについて、副市長の所信をお伺いしたいと思います。

◎(佐々木副市長)
 青少年の自立支援策を効果的に進めていく上では、青少年を取り巻く現状を的確に把握した上で、一人一人の状況に応じた段階的な支援をしていくことが大切であると考えております。そのためには、多くの市民の皆様や学校、家庭、地域社会、そして企業等の理解と協力が不可欠であります。
 本市といたしましては、市民との協働により、中期計画における子ども未来戦略や次世代育成支援行動計画であるかがやけ横浜子どもプランを着実に推進することで、社会全体で青少年の自立を支援する取り組みを進め、次代を担う青少年が夢と希望を持てる都市にしてまいりたいと考えております。

◆(荻原委員)
 次に、次世代育成支援行動計画についてお伺いいたします。
 平成20年度におきましては、後期計画の策定に向けてまずはニーズ調査をされるということで、今年度予算計上もされております。局としてさまざまな事業に取り組み、計画の達成に向けて尽力されてきたことと思いますけれども、前期計画の残り、本年度を含めまして2年、計画達成に向けて力を注ぐべきと考えることは何か、最後にお伺いいたします。

◎(岸本こども青少年局長)
 本市の次世代育成支援行動計画でありますかがやけ横浜子どもプランには3つの基本目標を掲げております。そのうち、「子育てに積極的な価値を見いだせる『共生社会』を創る」という目標を実現するためには、地域社会の一員である企業の取り組みを促進するとともに、社会全体で子育て家庭を支援する機運の醸成が必要であり、今後さらなる取り組みが必要であると考えております。そのため、20年度予算では、企業のワーク・ライフ・バランスの取り組みを支援する事業の拡充や、子育て家庭を応援する企業、商店等を地域の中にふやしていく取り組みであります子育て家庭応援事業などを新たに事業化するための予算を計上しております。

◆(荻原委員)
 子は親の鏡、しゃべり方もしぐさも写し絵のように親と同じになると言われます。親として、この横浜の町で育つ子供たちが一人残らず夢と希望にあふれて社会に巣立つことを目指して次世代育成支援をしっかり行っていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。