横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

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平成21年 都市経営・行政運営調整委員会

△横浜市指定管理者制度運用ガイドライン(素案)について

○(佐藤[祐]委員長)
 次に、その他で報告事項がございます。
 横浜市指定管理者制度運用ガイドライン素案についてを議題に供します。
 当局の説明を求めます。

◎(土井共創推進事業本部長)
 それでは、指定管理者制度運用ガイドライン素案について御説明させていただきます。
 お手元に配付しておりますA4、4枚ものの資料1、指定管理者制度運用ガイドライン素案について及び参考資料としてお配りしておりますガイドライン素案、50ページほどのものがございますが、資料1で説明させていただきたいと思います。
 まず、1ページの1番、ガイドライン策定の目的及び位置づけについて御説明いたします。
 (1)の指定管理者制度の概要についてですが、指定管理者制度とは、地方自治体が設置する公の施設の管理運営を民間企業、NPO等を含むさまざまな団体にゆだねることを可能とする制度として、平成15年度に導入されたものであり、その目的は市民サービスの向上と経費の削減等とされております。
 続いて、(2)ガイドラインを策定する目的としては、制度の運用に関する原則を提示し、公の施設の管理運営の持続的改善を進めることによって、各施設が設置された目的や目標をこれまで以上に効果的かつ効率的に達成していくことを目指すものでございます。より具体的には、平成23年度に第2期目の指定が集中し、500以上の施設の選定業務を進めるためであり、本市における公民連携事業の基本原則であります共創推進の指針の考え方を指定管理者制度の運用にも反映してまいりたいと考えております。
 次に、(3)の本ガイドラインの位置づけですが、本ガイドラインは制度運用の原則を定めるものであり、記載された各項目の実施に当たっての細目等につきましては、各施設の所管課が施設ごとに個別に決定することとしております。
 続いて、2のガイドライン策定に向けたこれまでの主な取り組みについてですが、昨年9月以降、外部の専門家によって構成される指定管理者制度委員会において4回にわたり御議論をいただくとともに、各施設の所管課との議論や調整を積極的に行ってまいりました。また実際の制度の運用状況をより的確に把握することを目的とする13の指定管理者に対するヒアリング調査、それから全施設に対する運営状況調査等も進めてまいっております。3月16日には、以上のような取り組みの結果を踏まえ、骨子という形で概要を当委員会で御報告させていただいたところでございます。
 2ページをごらんください。3の指定管理者制度運用の状況について御説明させていただきます。
 まず、(1)の本市の公の施設の概況ですが、全体で約4,300の公の施設が存在しており、そのうち市立学校等の直営施設を除く913の施設が本年4月現在で指定管理者制度が適用される施設となっている状況でございます。
 次に、(2)の指定管理料等の支出状況についてですが、指定管理者制度導入以前に管理運営委託とされていた施設のすべてが指定管理者制度に切りかわりました平成18年度と前年の17年度の本市財政負担を比較いたしますと、17年度の約158億円から約16億円、約10%の削減効果となっております。
 また(3)のサービス向上の事例でございますが、③④にございますように、指定管理者制度導入後、さまざまな施設でサービスの向上が報告されておりまして、特に開館時間の延長や自主事業の充実等の取り組みについては、多くの施設で広く進められているところでございます。
 3ページをごらんください。(4)指定管理者の団体種別内訳ですが、これらの表とグラフは、指定管理者となっている団体の構成を、その性質別に指定管理者制度導入以前の管理運営委託当時と平成21年度現在の状況の対比を行ったものになっています。とりわけ下のグラフからよく見てとれますが、制度導入の効果としましては、以前は半数以上を占めておりました本市の外郭団体が大きく減少し、指定管理者制度の導入によって新たに管理運営を担うこととなりました民間企業、NPO等が大きな比重を占めてきているのが現在の状況と言えるかと思います。
 次に、(5)指定管理者制度が適用されている施設の収支構造についてですが、これらのグラフは平成19年度決算で、全888施設合計での収支の構成を示したものです。左側のグラフが指定管理者の収入状況、右側が支出の状況となっております。
 まず、収入では総額が602億円となっておりまして、市から支出される指定管理料、利用料金収入、自主事業による収入、その他収入の4種類となっており、うち指定管理料が約43%を占めている状況です。
 続いて、右側の支出については、総額で574億円となっており、人件費が約半分を占め、その他に事業費、委託費、小額修繕費、その他支出等となっております。
 4ページをごらんください。(6)指定期間別の施設数についてですが、指定管理の期間につきましては、これまでは3年から5年を標準としてまいりましたが、約83%となる757施設が5年となっております。また4年以上5年未満となっている施設も約16%ございますが、これらは年度途中に新規で開設された施設などで、5年が事実上の標準になってきている状況にございます。
 なお、5年を超える期間としている施設は4施設ございまして、港湾病院などとなっております。
 続きまして、(7)公募、非公募の概況についてですが、現在約77%の施設が公募による選定となっております。非公募による選定を行った主な施設は、ケアプラザ、コンテナターミナル等となっております。
 次に、(8)の2期目の指定を実施する施設の年度別の見込み数についてですが、平成23年度に509施設で2期目が開始されることになっておりますので、前年であります平成22年度中に選定業務等が集中することが見込まれております。
 なお、(9)の公募に対する応募倍率の変化ですが、一部の施設では既に2期目の選定指定が行われております。その際に公募を実施した結果、前回の1期目の公募状況と比較しております。1期目の応募状況では、平均応募倍率が5.25倍ございましたものが、2期目におきましては平均で1.56倍という形になり、ほとんどの施設において1または2団体からの応募というような現状になっております。
 以上が本市における指定管理者制度運用の概要でございます。
 続きまして、4、ガイドラインの主な内容について説明させていただきます。
 ここでは、これまで制度を運用してきました中で浮かび上がってきた具体的な問題点から、制度運用に関する主な課題を抽出し、それらの課題についての対応の方向性を御説明する形でガイドライン素案の内容のポイントについて御報告させていただきます。
 なお、各項目の左側の四角の枠内に参考資料ガイドライン素案の対応するページ数が記載してあります。
 まず(1)の明確な目標に基づく施設マネジメントの必要性についてですが、これまで例えば公募を行う際などに、必ずしも各施設の目標が明確に示されていたわけではないことから、応募者が応募のための提案書や計画等を作成したり、また指定を受けたり、指定後実際に管理運営を行ったりする場合に、どのような方向性を持って取り組んでいけばいいかわかりにくいということが特に事業者等から多数指摘されております。
 つまり、各施設の管理運営に当たって明確な目標に基づくマネジメントが重要であり、今後は各施設の所管課を中心に各施設の目的、目標を明確化した上で、それに基づいた単なる管理を超えて施設の経営マネジメントを行っていくことが重要であると考えております。具体的には、明確な目標に基づいた計画の策定、その計画に基づく管理運営の実行、その運営状況の評価、その評価を踏まえた改善を行うというPDCAサイクルを確立していくことが何より重要であると考えております。
 続きまして、(2)サービスの継続性の担保についてですが、一部の施設におきましては、指定管理者が交代する、とりわけ短期間で交代する場合には、これまで蓄積された専門的なノウハウ、構築されてきました利用者との関係性等に影響が生じるのではないかという懸念が出されております。そのため、サービスの継続性を担保していく仕組みを設けることにし、2つの対応の方向性を考えております。
 1つ目は、標準指定期間と特例措置の明確化についてです。さきに説明しましたように、現状を踏まえ、指定期間は5年を標準にしてまいりたいと考えております。しかしながら、施設の特性等を考慮し、指定管理者の変更等の頻繁な実施が施設の設置目標の達成に重大な影響を与えることが明白な場合につきましては変更ができることとし、最長10年まで可能とすることを現在考えております。
 ただし、その場合には選定委員会に準じた形の外部委員による中間評価の実施などを義務づけてまいりたいと考えております。
 2点目は、公募原則と特例措置の明確化でございます。指定管理者の選定に当たりましては、これまでどおり公募を原則としてまいりたいと考えております。しかしながら、公募を行うことによるデメリットがメリットを上回る事例が考えられますことから、そのような場合には非公募も可能としていきたいと考えております。具体的には①から④の地域住民のグループによる管理など、これらの4点につきましては、特例的な措置を明確にしていきたいと考えております。
 6ページをごらんください。(3)の市と指定管理者の責任分担のあり方についてですが、例えば事故や災害等が発生した場合における市と指定管理者の間におけるリスクの分担についての考え方や利用料収入が当初の想定よりも大きく変動した場合などにおける取り扱いが、これまで明確でないことが一部の事例で報告されております。対応の方向性として2項目を検討しております。
 1つ目として、責任分担・役割の明確化ということで、施設を管理運営する際に発生しますさまざまなリスクについて、市と指定管理者の間で適切な分担を行うことを目的として、リスク分担の標準例というものを参考例の中に作成して入れております。各施設の特性にあわせて、各施設の所管課が実際には個別に定めることになりますが、その際の参考として活用していく形を考えております。
 2つ目は、利用料金収入、指定管理料に関する取り扱いの明確化であります。利用者数の増減等によりまして、利用料収入が想定以上に変動した場合の利用料金の取り扱い、とりわけ指定管理者の努力によって収入が増加した場合の取り扱い、また指定管理者の経費節減努力等により指定管理料に大きな余剰が発生した場合の取り扱い等については、あらかじめ協定で定めることとし、市の都合により事後的な判断による利用料金の増収分の徴収や支払うべき指定管理料の減額等については、原則として禁止してまいります。
 続きまして、(4)選定時の競争環境の確保におけるバリュー・フォー・マネーの向上についてですが、特に2期目の公募に際しましては、応募者数の減少が見られる状況になっております。指定管理者制度の運用におけるバリュー・フォー・マネーの向上、つまりサービス水準の維持向上と経費節減を進めていくためには、選定時における競争環境の確保をしていくことが非常に重要な手段でございまして、その対応策として2項目を検討しております。
 まず、1つ目は複数施設の一体的な選定でございます。これは1つの指定管理者が管理を行うことによって、各施設の設置目的が効果的に達成されると考えられる場合には、複数の施設の一体的選定を行うことによって、とりわけ小規模な施設におきまして、事業規模の拡大による参入促進等を図るものです。
 2つ目は、民間事業者の参入促進でございます。事業者の参入意向の事前の把握やよりよい管理運営に対するアイデア等の公募要項への取り入れを目的として、施設ごとの必要性に応じてサウンディングと言われる正式公募の前に事業の基本方針等を公表し、意見や提案等を募集することの実施を検討してまいります。
 7ページをごらんください。(5)サービス水準の維持と向上でございます。適切な制度運用を行わない場合には、施設の管理運営に地域性が十分反映されない。また指定管理期間中におけるサービス水準の維持確保やさらなる向上が図られないという懸念がございます。サービス水準の維持と向上を図るため、以下のような3項目の対応方針を検討しております。
 まず、1つ目が地域特性を踏まえた選定でございます。地区センター等の地域に密着した施設におきましては、選定を実施する際に管理運営計画や自主事業の内容等に対して、地域特性を考慮した結果を反映しているかどうかという点を評価に加えてまいりたいと考えております。
 2つ目の項目としましては、インセンティブ・ペナルティの活用でございます。サービス水準の維持・向上を促進していくためには、指定管理者に対して適切な動機づけを行っていくことが必要であります。具体的には、利用料金制度を活用し、指定管理者の努力が直接指定管理者の収入に結びつく仕組みとすることや、優れた提案に対する予算措置等の実施等によりインセンティブを付与すること、あるいは協定で規定した水準を満たさない管理運営を行った場合における指定管理料の減額等のペナルティー、さらには次期選定時における管理運営状況の評価の反映等の仕組みを検討しております。
 3つ目となりますが、モニタリングの強化・充実でございます。各施設の管理運営状況について、協定に定めた目標の達成度合い等を評価し、改善につなげていくということは、PDCAサイクルに基づく持続的改善の仕組みを確立するために非常に重要になっております。あわせて、事業者の財務状況の定期的モニタリングの実施による安定的な管理運営の確保についても検討を進めてまいります。
 以上の詳細を踏まえたものが参考資料にあります素案の中に含まれてございます。これらの取り組みを通じて、施設の管理運営の持続的改善を進めていくことを目的としております。
 最後に、5番の今後の予定について御説明させていただきます。
 本日、ただいま御説明させていただきましたガイドライン素案については、明日から公表しまして、意見募集を行ってまいりたいと考えております。その後5月22日の締め切りまで約1カ月間意見の募集を行い、提出いただいた御意見を反映した上で、ガイドライン案としてまとめ、6月から7月には、最終的なガイドラインの確定及び公表を行っていく予定でございます。

○(佐藤[祐]委員長)
 説明が終わりましたので質疑に入ります。

◆(荻原委員)
 まず、7ページの(5)サービス水準の維持と向上について伺います。第三者評価制度の活用等により評価し、モニタリングの強化・充実のところで、具体的に第三者評価制度はどのようなものを考えておられるのでしょうか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 第三者評価制度については既に実施しておりますが、区民利用施設、主に地域の密着型施設につきまして適用しているものでございます。横浜市のほうで研修などを行い、第三者指定評価機関というものを23機関現在指定しております。その機関が各施設に客観的な視点からチェックリストを用いて、それぞれ市が評価するのではなく、第三者として評価をいただくという仕組みになっております。これにつきましては平成15年度の制度適用以降、途中からやっておりますので、今回の2期目に関しては、区民利用施設についてはそれを義務づけていきたいと考えております。

◆(荻原委員)
 区民利用施設以外ではどのように考えていらっしゃいますか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 区民利用施設以外、大規模な市民利用施設等につきましては、各局で専門委員なども入れました評価委員会を、主に選定時の選定委員会から継続している場合などが多いようですが、各局が評価委員会、外部委員会を設けて、そこで評価を行っております。

◆(荻原委員)
 それでは、23機関は具体的にどういう機関ですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 民間のコンサルタント会社、それからNPO法人などがございまして、横浜市のほうで3日間ほど研修をやりまして、その中で実地で例えば地区センター等でヒアリングなどの経験を積んで、その後、テストをいたしまして、ある得点以上のものについて横浜市のほうで認定していくという形で、結果として現在23機関ございます。

◆(荻原委員)
 市がコンサルタント会社、NPO団体に対して3日間研修あるいはテストを行って、ここは大丈夫だということで第三者評価機関にするということですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 そのとおりでございます。

◆(荻原委員)
 第三者評価のやり方ですけれども、実際に施設を利用されるのは区民、市民の皆さんです。利用者の皆さんの評価をどのように確保していくのか、どのように反映していこうかという点についてはどういうお考えでしょうか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 お手元の参考資料の44ページから説明させていただきます。4つの方法によるモニタリングをやっております。(2)の指定管理者のセルフモニタリング、(3)の市の施設所管課によるモニタリング評価、45ページの下のほうですが、第三者評価機関、委員会による評価がございます。(5)利用者等によるモニタリングの中に、①利用者会議、これは施設を利用されている方の代表などが集まって、その管理の改善などについて話し合う会議でございます。②利用者アンケート、その施設ごとで質問立てをいたしまして、管理状況などについて意見を聞くものです。③のご意見ダイヤル、これはコールセンターの一部を活用しまして、私どものほうに直接利用者のほうから苦情等があった場合に来る。この3つの方法により、現在、利用者等によるモニタリングを実施しております。

◆(荻原委員)
 利用者会議は全区民利用施設に設置されているのですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 すべての区民利用施設に設置されております。

◆(荻原委員)
 利用者会議とかアンケート、ご意見ダイヤルの内容がどのように指定管理者の事業内容に反映されるかについては、どういう現状ですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 私どもで個別の各施設まではつかんでおりませんが、これらの利用者会議から何が出ているか、利用者アンケートがどういう状況になっているかにつきましては、1つは施設所管課が把握していることと、もう一つは先ほどの第三者評価機関の中でチェック項目の中に含まれております。それから46ページの③のご意見ダイヤルの下のほうに記載がございます。なお、利用者等から受けた意見等は、指定管理者が施設ごとに掲示やウェブサイト等で意見の内容及び対応状況を公開するという形で公表しております。

◆(荻原委員)
 利用者の皆さんの意見がきちんと反映されているかいないかは、どうチェックするのですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 1つは所管課のほうで、どういう意見が出ていて、それがどう対応、改善がされたかということと、第三者評価により、それらの対応状況を確認しているということです。

◆(荻原委員)
 指定管理者制度の中で私は非常に大きく懸念しているのは、サービスを維持・向上するためのインセンティブがなかなか働きにくいという点です。通常の市場原理で言えば、サービスが悪いとか品質が悪いと、その企業なり団体は市場から撤退せざるを得ないという状況に追い込まれると思いますが、指定管理者制度の場合はそれが発生しない。発生しない状況の中で民間のノウハウとかサービスの力をどんどん活用していこうということですから、この点が非常に私は難しいところだと思っております。それをどのように新しいガイドラインで改善していくのかという点をお聞きしたい。第三者評価機関が市場原理でのいい点、どんどんサービスを向上して品質が改善されていくという点を本当に確保してくれるのか、利用者、消費者の意見を本当に反映できる制度になっているのかどうかという点を確認させていただきたい。その点はどのようにお考えなのかお伺いいたします。

◎(土井共創推進事業本部長)
 御指摘のように、その部分、インセンティブをどのように働かせていけるのかが大きな課題になっております。先ほど説明させていただいた中身におきましては、1つは公募前にサウンディングという形で民間事業者の意見を施設設置課を中心に十分に把握し、どのようなインセンティブがあり得るかというあたりを把握する。それから特に区民利用施設などにつきましては、地域とうまくコミュニケーションしたり、利用をどのように柔軟に対応したりも含めて、地域特性を踏まえた活用というあたりを選考の際の評点にどのように加えていくかということです。それから実績が非常に優れているという場合の事業者などに対して、それらを次期の選定、5年後の次期の選定などにどのように反映していくか。これらのあたりが非常に工夫のしどころで、これらを考えるようにということまではガイドラインで書いてありますが、それぞれの施設においてどのようにそういう仕組みを実現していくかは、これからこのガイドラインをもとに各局と各施設管理課と可能性についていろいろ議論したり、または民間事業者からの意見を求めていきたいと考えております。

◆(荻原委員)
 第三者評価機関、23機関はどういう団体か公表されているのですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 公表されております。

◆(荻原委員)
 ぜひ利用者の皆さんの意見とそれから評価機関の考えがしっかりと指定管理者の事業内容に反映されるように、そういう仕組みをしっかりつくっていただきたいと思います。
 それから、もう1点、6ページの4番、選定時の競争環境の確保について伺いますが、まず指定管理者を決める選定委員は、だれがどこでどのように決めているのでしょうか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 参考資料の34ページを見ていただきたいと思います。上のほうに選定委員会による選定がありまして、外部委員による選定を原則としております。その下に①から④のようなメンバーということで、1つは行政運営等に関して知識を有する学識経験者、②団体の財務状況の審査が可能な者、これは会計士、税理士等でございます。③当該施設が属する政策分野の専門家、これは文化やスポーツとかいろいろございます。④当該施設の利用者代表、主にこの4者につきましては、選定委員会として入れていきたいとガイドラインで明示しております。

◆(荻原委員)
 4つの方々を具体的に決めるときは、どうやって決めるのですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 具体的な委員会の委員の選任につきましては、各所管の課で選任しております。

◆(荻原委員)
 たまたま知っている方とか、そういうことになるわけですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 ガイドラインの記述にあわせて、ふさわしい方をそれぞれの課で選任するということになります。

◆(荻原委員)
 ふさわしさ度合いは、どのように決めるのですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 相談等ございましたら、私ども本部もアドバイスしたいと思いますが、現時点では個々の選任まで私どもが直接判断しているということはございません。所管課のほうでやっております。ただ、こういうガイドラインを出しておりますので、今後、共創推進事業本部のほうにもさまざまな問い合わせ、相談があるのではないかと期待しております。

◆(荻原委員)
 制度上の問題で、私も民間にいたときに実際に応募した経験がございます。そのときによく言われたのが、選定委員をだれが決めているのか、それを行政が決めて、行政が決めた選定委員がまた行政施設のための団体を決めると、これはちょっとしっくりこないというような意見等がありました。私もそのように感じました。この点をいかに公開あるいはもっと行政が主導してやっているのではないという部分を団体の皆さんに示すために、例えばこの委員自体も公募するとか、あるいは手を挙げていただくとか、そういったことをきちんと実施して、密室の中で委員が決められているのではないということもしっかり示す必要があるのではないかと考えるのですが、どのようにお考えでしょうか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 ①から④を書いた下にございますが、会議につきましては、私どもとはしては原則公開を考えております。ただ、その後に書いてありますように、非公開とすることも可能、施設によりましての対応と考えております。議事録などにつきましては公表しております。委員の選任につきましては、一応私どものほうで委員などのデータベースみたいな形で情報の整理はしております。それから今密室で選定されるのではないかということにつきましては、確かにどのように公表していくかというのは重要ですので、意見として、今後、対応について検討させていただきたいと思います。

◆(荻原委員)
 応募倍率が非常に低くなって、指定管理者制度そのものが民間の皆さんにとって魅力がなくなってきているのではないかという懸念は現実としてあるのではないかと思います。その原因が何か考えたいと思います。よく言われるのが、なかなかインセンティブが働かないという部分、それともう一つ、今のような話があるのではないかと私は思っているのです。だれに評価されるのかということがはっきりしない。どんなに努力しても、その努力に見合うだけのリターンがないという判断を、1期目が終わるに当たって、民間の皆さんは今判断されているのではないか。その点についてはどのようにお考えでしょうか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 かなり1期目と2期目で倍率が落ちております。実際のところ2期目という形で、1期目はチャンスが大きいと感じて、2期目は既に始まっているという心理的なものもございますし、今委員御指摘のような具体的なリターンというか、各団体に対する実際の利益とか、メリットとか、そういうものがなかなか見えないということも事業者のヒアリングなどから出ております。

◆(荻原委員)
 公の施設の運営のための指定管理者制度という点をしっかりと認識しながら、指定管理者制度を進めるという考え方のもとでの共創です。その点をしっかり整理していただきたいと思います。民間の皆さんに公の施設を担っていただくという意味は一体何にあるのか。16億円の財政、市が助かりました。だからありがとうございましただけで終わるのではない。そこの部分をしっかり整理していただきたい。民間の皆さんに担っていただくべき点は何か、そのためにちゃんと民間の皆さんがやる気を持って、よし、応募しようと思ってもらえる体制を、先ほどの選考委員の方々の設定の仕方とか、あるいはインセンティブの設定とか、素案ではちょっと足りないと思いますので、もっとしっかりと仕組みをつくっていただきたいと要望申し上げます。

◆(鈴木委員)
 神奈川新聞が指定管理者のことをかなり大きな特集でやっていました。そういう中で指摘されているような課題とか、逆に潜在的な可能性だとか、そういうことも含めて今回のものはそれなりに包含しているのではないかと思います。ただ、必ずしも十分かというと、今の荻原委員の御指摘なども当たるところがかなりあると思います。総体で考えると、なかなかゴールがある話ではないと思っていて、民間と一緒にパブリックの仕事をしていくというのは、当然その時々に応じてやり方も変えていかなければいけないし、むしろその柔軟性みたいなことのほうがよほど重要なのではないかという考え方を持っています。そこで、導入からこれまでのことと今回このガイドラインを付しての基本的な考え方を確認しておきたいのですが、横浜市の持っている公の施設については原則指定管理者導入、原則公募を、これまでもそういう考え、今後もそういう考えでいくということなのかどうか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 原則公募/というところは、これまでもそうですし、今後も原則公募で特例を設けているという形で、原則公募を守っていきたいと考えております。公の施設を原則指定管理者制度にするということにつきましては、お手元の資料2ページの上が現在の状況になっておりまして、直営施設が3,370という形で、数的にはこちらのほうが多い。特に法定で公共団体でなければいけないというものは市立学校がございますが、その他のものは街区公園、港湾施設、保育所、図書館、図書館につきましては、今度、山内図書館からモデル的に5年間入れていく形になりますが、さまざま議論がございまして、現状では原則指定管理者制度適用というところまでは言えないのではないかと私は考えております。

◆(鈴木委員)
 数としてそうですけれども、逆にいうと原則的に指定管理者制度を導入する方向で考えているのですか。もう少しいうと、必ずしもそういうやり方では難しいのではないか。内部の議論を最近よく聞くのです。これまでの内部検討の中で導入に至った経緯の中で、私がいろいろ伺っている中では、経営戦略会議から相当プレッシャーがかかっているのではないかと思います。むしろ所管課から積極的にこの施設について指定管理者制度を導入したほうが実際利用者に対してメリットがあるというふうに発案しているというよりも、経営戦略会議、もう少し言うと副市長クラスからもっと導入するべきではないかというプレッシャーがかかって、それにこたえて、あるいはそういう事例が周りでよく見えるから、そういうふうに提案していかなければいけないという形になっているのではないかと思いますが、その辺はどうですか。
 具体的に、図書館に今回入れました。我々は賛成しましたけれども、1回目は昨年第2回定例会での上程を検討されていたと思います。それも相当程度、経営戦略会議からの早くしろというプレッシャーがかかったのではないかと思います。あるいは指定管理者制度と今伺った公募、非公募のところで、地域療育センターの指定管理者についても、公募でいきなさいという相当程度のプレッシャーが経営戦略会議からかかっていたのではないかと思うのです。その辺、内部でどういう方針を持って、どう考えてやっているのか、現実がどうなのか。

◎(土井共創推進事業本部長)  まず、直営か、指定管理者制度かということにつきまして、今回のガイドラインでの考え方を御説明させていただきたいと思います。
 参考資料の6ページの下のほうに、公の施設のうち、現段階においては本市に管理権限を留保する必要性が高い施設、あるいは指定管理者制度を導入する必然性の低い施設と考えられる施設は、おおむね次のような施設が想定されるという形で、今回のガイドラインでは整理しております。
 ①が個別法により指定管理者制度の適用が認められない施設、これは学校等になります。②が指定管理者制度の導入により経費の上昇またはサービスの低下が想定される施設、③が運営形態の変更を実施中または検討中の施設、④がその他指定管理者として適切な民間事業者が存在しないことが明らかな場合など、市の直接的関与が必要であると判断される施設ということで、これらの考え方を今回初めて整理しておりますので、各所管課はこれらに照らして指定管理者制度導入について検討することになります。
 御質問の経営戦略会議等でございますが、基本的に民の力が存分に発揮される都市横浜ということで、なるべく民の力を活用していこうという基本線につきましては、全庁的にそういう方向性でやっていることはもちろんでございます。それから、先ほどありました指定期間とか公募、非公募などの特例的扱いなどにつきましても、経営戦略会議または執行会議などで確認をしていることも事実でございます。そういう形の中で鈴木委員の御質問は、できるだけ確かに民の力を活用していきたいということが私どもの考え方の基本にございます。

◆(鈴木委員)
 今の4項目だと例えば4番目とか、2番目もそうですが、なかなか微妙なところはどうしても出てくる。後段のお答えですが、基本的には民の力というのは、確かに私もそう思いますけれども、何か制度が進化していく上では、もうちょっと合理的な説明というのが個別に必要な気がするのですが、今までの様子を見ていると、どうもエイ、ヤーという感じが否めないというのが私の印象ですが、野田副市長の所見を伺います。

◎(野田副市長)
 経営戦略会議でプレッシャーをかけているというのは、私が参加している会議等では、余りそういうことはなかったというふうに認識しています。今、土井本部長が申し上げたとおり、全市的に民の力を活用するという考えというのは当然あると思います。ただ、民を使うことが目的ではなくて、あくまでも市民に対して、より優れたサービスをより低廉に提供する、そのために民の力を可能な限り使うということも考えましょうという中での話だと私は理解していますので、指定管理者制度を使うということがありきでもないですし、あくまでも担い手がいるのであれば、広く参加の意向を募り、その中で最もいいサービスをより低廉にできる人を選んでいこうと、そういう基本的な思想ではないかと考えております。

◆(鈴木委員)
 そうだと思いますが、そのときに課題だと感じるところは競争性です。競争性といって、例えば参入意欲が減っているのが競争性が衰えているという評価になったりするかと思いますけれども、競争性とは何を競争してもらうかというところが、競争性と言われると、それはいいことですよという話になるけれども、何をもって皆さんが競争性と言っているかというと、数字に出るところで競争性を見ていらっしゃるような印象を受けるのです。例えば経費の部分、お金の話でコストベネフィットがあるとか、さらに収益機会があるようなことを競争性と言っているような気がして、今副市長がおっしゃられたような制度云々ではなくて、最終的には便益を受ける市民にとってどれだけメリットがあるかというところに自由な発想を生かしてくださいということだとすると、そちら側の部分の競争性がどうも余り評価されていない気がするのです。だから先ほどインセンティブの話も、民間側からするとそういうところで工夫をしようと思っていても、何かそれが十分に評価されていない。そこに対してインセンティブが働いていないというふうに評価されているのではないかと思いますけれども、その辺については何かお考えがありますか。

◎(野田副市長)
 今おっしゃった競争性ですけれども、実際に競争があるかどうかということと、もしかしたら競争があるかもしれないという潜在的な競争、2つあると思います。例えばこの施設に関しては一切公募しませんと、従来どおりやりますということで、競争の可能性すらもないということになってしまうと、もしかすると、もちろん既存の団体で優れたサービスを安く提供するところもあるでしょうけれども、さぼってしまうところもあるかもしれない。やはり市民の視点で考えますと、既存のところがさぼらないように、もしかしたら将来的な競争があるかもしれないということをやはりつくっておかないと、まさに鈴木委員が指摘されたようなことになりかねないのではないかと思っています。民を使うことがありきではなくて、今の団体が優れたサービスを提供していれば、その方がやるということもあるでしょうし、あるいは民がやったほうがいいというケースもあるでしょうし、直営でやるほうがいいというケース、それぞれ違ってくると思います。常に競争環境があるということをつくっておきながら、その都度ベストの事業者を選定していくことが望ましいのではないかと考えております。

◆(鈴木委員)
 もう1点、視点を変えますけれども、荻原委員も指摘された評価と選定もなかなか悩ましいところです。基本的にどちらも第三者を入れて、それによってより公平性といいますか、より公正な形でということになると思います。決めていく過程をいま一度よく考えてみると、例えば、今度更新のとき、ここを指定管理者でやりたいという話をして、選定委員会が開かれます。選定委員会で最適と考えた事業者を、それに基づいて市のほうはこの施設は次回の指定管理者の指定についてはこういうところでお願いしたいと議会に付してくるわけです。我々が議決して、最終的に決まっていく。最終的に我々は決めていますけれども、その決めている方々がそういう仕組みでつくられた選定委員会なり評価機関なりがそれ相応の評価をしているからこそ、それを信頼して議決するというのが一般的なプロセスになると思います。そうだとすると今世間一般で懸念されているような事業の持続可能性、指定管理者の業務持続可能性が心配されているような事態に陥ったときの極端にいうと責任、選んだ責任、評価した責任も考えなければいけないのではないかと思います。ただ、それを過度にやると、やる人がいなくなるという話だと思いますけれども、そういうお答えだとすると、これは第三者ではなくて横浜市としてまさに行政が担うべきところではないのかという話になってくる。第三者に任せてないですよという話にもなると思うけれども、実質的にはその結果をそのまま尊重しているのだから任せている。その辺のことまでどうお考えになっているか、きょうは聞いておきたいのです。

◎(土井共創推進事業本部長)
 非常に難しい質問ですが、最終的にはあくまで委員会での議論というのは、本市としてある種参考にさせていただいて、行政処分として指定行為をいただき、その途中で議決をいただくという形で公正、透明にやっていくというプロセスを構築しております。鈴木委員がおっしゃったとおり、その場合の委員の選んだ責任なり、そういうリスクが今まではまだまだリスクという概念がそれほどはっきりされていませんでしたので、今回さまざまな途中段階での運営管理段階、また修繕などに伴うリスクなどについて、事前に事業者と市の間で協定としてできるだけ明らかにしていくという形で現在対応策を考えておりまして、直接のお答えにはなりませんが、先ほど言っていただきましたが、ゴールがある形ではございませんので、逐次改善しながら、少しでもよくしていきたいということでつくりましたガイドラインになっております。

◎(野田副市長)
 選定の責任は明らかに市にあると考えていますので、先ほどほかの委員からも御指摘ありましたので、ガイドラインに選定委員の決め方については、当然、市が選定の責任を負う、慎重にすべきということを追加したほうがいいかと感じております。

◆(鈴木委員)
 評価のほうはどうですか。評価のほうもモニタリングをやってもらうわけですから、モニタリングの段階でしっかりと指摘しきれなかった評価機関というのは問題だと思うのですが、その辺については何か考え方はありますか。

◎(野田副市長)
 全く同じで、選定、評価、その評価をどういうふうに、先ほどインセンティブ、ペナルティーの話がありましたが、指定管理料に減額という形で反映させて、事業者の努力を誘発するようなことをするのも市の責任だと思いますので、どういう評価機関を選ぶかということから、市がしっかり認識した上で決めていくことが求められていると思いますので、そこはきちんと記載していきたいと思います。

◆(鈴木委員)
 今の副市長の御答弁は結構重要な話だと思います。もちろんかかわる人もそうですけれども、行政内部のほうの責任が明確ですと今おっしゃっていただいたわけだから、これを出すと同時に、中で徹底してください。そうしないと、そこがあやふやになると思う。今まで何度となくそういうニュアンスの発言を所管からも聞くことがありましたから、それはそうじゃないということを徹底していただきたいと思います。

◆(飯沢委員)
 今話を聞いていて、指定管理者制度が発足して、900施設の指定管理を行った。議会あるいは我々の関与ということでいろいろな議論はするけれども、実際に具体的な選定について、あるいは公募について、どの程度反映されているのかということで、今までガイドラインみたいなものはなかった。行政責任の中で公募する、非公募にする。あるいは指定期間を5年にする、あるいは10年にする。我々に上がってくるのは議案として認めるか、認めないかだけなのです。このガイドラインをもっともっと時間をかけて精巧なものにしてもらいたいと思っておりますけれども、策定に当たって、特に公募、非公募の基準、原則公募。例外は幾つか書いてあります。例外についても例えば地域グループが筆頭に挙がっていますが、いろいろな地域グループがあるわけです。地域グループだから非公募だということであれば、一たん指定管理を受けたら未来永劫にそのグループが、NPOがとるという話なのか。例えば民家園、活字で出ています。地域グループについても競争性が全くないような規定にしないでもらいたいということです。原則は公募で、非公募も例外的に認める。地域グループだけではないですが、例外が常態化して黙っていても指定されると。特に外郭団体については、私は幾つかの団体は、例えば公の席で発言していますけれども、女性協会がやっているアートフォーラムも非公募です。果してああいう団体がいつまでもやらなければいけないのか。そこに対して我々議会として意見を言っても、やはりいろいろな事情でそのままなのです。だからガイドラインの中で将来にわたってとかいろいろ抽象的なので、例外的に認める施設は具体的にこうだとか、当面こういうことを考えているとか、現在非公募だとかもっと具体的に見せてもらいたいと思っているのです。
 もう一つ、指定管理者の期間についても原則5年。やっと様子がわかって、また公募なのかという話もあるわけです。それから提供しているサービスの内容をとっても、そのあたりのバリエーションをもっと考えたようなことで詰めていってもらいたいと思います。

◎(土井共創推進事業本部長)
 まず、公募、非公募につきましては、原則公募という形ですので、このガイドラインをもとに今年度できるだけ早期にこれを私どもとしては固めまして、今年度すぐに、既に関係局とは意見交換しておりますが、このガイドラインに沿ってそれぞれの施設のあり方を議論しまして、それで来年度選定作業をして、再来年度から2期目が開始というものが多数になっております。これに基づいてこれから具体的には議論をさせていただきたいと考えております。どの施設について非公募という限定的な書き方は、それもありまして現在決めておりません。民家園とか先ほど飯沢委員がおっしゃった施設につきましても、本当に地域のグループで管理運営の効果が上がっているのかどうかという検証を十分に私どもも含めてした上で、公募、非公募について決めていきたいと考えております。
 指定期間につきましては、実態も踏まえまして標準5年という形にしておりますが、実際に専門性の問題、それから地域との関係の問題など、それぞれ施設によってさまざま特性がございます。
 それから、先ほどインセンティブの話でございましたように、非常に優良な事業者などの場合、それにインセンティブが必要ではないかと本編の中にもありますが、プラス加点をしていく場合、悪い運営ではマイナスしていくという公平なやり方を考えて、その辺を反映させながら指定期間についても5年標準ですが、ある程度そういう事情があるものにつきましては、5年をもう少し長期化するようなことについては、既に各局からも意見がございますし、十分議論していく必要があると現在考えております。

◆(飯沢委員)
 公募、非公募、どの程度、公の施設を民間事業者に任せていくか。今900のうち77%が公募によって、非公募が23%、やはり民の力を存分にという話だったら、我々議会では余り細かいことは別にして、今の公の施設をどの程度の割合まで横浜市がもっていったらいいのかどうかという議論もしてみたい。これは今の状況でしょう。今後5年間でそれを半分にするのか、900のうち3分の1を非公募にするのか、大きな枠組みの中で民間の力をどの程度引き出しながらサービスを提供していくか。ただ、何となくその施設、施設で個々の事情によってというような非常に議論が個々具体的になると、我々も議会で議論するときに非常にわかりづらいので、もっと指定管理者制度をどう持っていきたいのかというものがほしいと思いながらガイドラインを見ていましたが、こういうガイドラインが出たことに対しては大変評価しています。今までは公募、非公募というのは、どこで決めて公募なのか、どこで決めて非公募なのか、要は議案として上がってきて認めるか、認めないか、その程度の議員の関与だったわけです。もうちょっと確定する前に委員会でも議論したいと思います。

◆(中島[文]委員)
 今度、指定管理者制度運用ガイドライン素案が発表された。まず基本的な姿勢を要望しておきたいと思います。平成15年、西暦2003年、地方自治法で直営施設、地方公共団体が持つ公の施設が直営あるいは公益的団体での委託管理から指定管理者制度が導入された。あくまでも公の施設の運営管理という点では、市民の施設ですから大事に、この運用のガイドラインを今後こういう立場できちっとつくってほしいということが大前提で、質問の前に最初に基本姿勢を要望しておきたいと思います。
 指定管理者にどういう形で管理運営を任せていくかという点で、今論議されている公募、非公募の問題は、公の施設からすると、単に地域の団体とかではなくて、公共性の高いものについてはきちっと市の管理ができる、行政の管理ができるということをきちっと置かないと目的が達成できないと思う。そういう点で原則公募、どういう形で非公募を市の管理としてやっていくのか、この点での物差しでは私は不十分ではないかと思います。非公募をきちっと決めることによって、公募を原則とするということが生きるわけです。民間の提案だけではなくて、非公募を市がきちんとより管理をするところに意味があるわけですから、その辺のガイドラインで今現在検討していること、今後することの基本姿勢を先に伺います。

◎(土井共創推進事業本部長)
 公募、非公募につきましては、原則公募としておりますのは、競争倍率などが若干下がっておりまして、今1者また2者から手が挙がるという状況になっております。ただ、5年に一度、きちっとした手続によって透明性を確保して、きちっとサイクルを回していくということを主眼にここでは原則公募と書いております。公共性の担保につきましては、具体的には公の施設でございますので、市の行政処分として指定管理者の指定を行いますので、最終的責任は市にございますし、また監督責任等も生じます。今回、事業者との間に結ぶ協定につきましては、詳細までできる限り一般化してガイドラインとしております。公共性につきましては、例えそれがどういう業者であれ、公共性を確保していくという形を強く認識して各項目を立てておりますので、その辺に関しましては、かなり細かい点まで触れていると考えております。

◆(中島[文]委員)
 1項目の中で、最近の傾向として、公募も手挙げが少なくなったという分析の中でインセンティブも検討されている。公募の手挙げが少なくなったことは、ある面でインセンティブをかければいいという判断ではなくて、より利益とか医療で言えば政策的な問題をよく言う、公共的な必要な部分という点で、一種の公募等がなじまないという側面からも分析をする必要がある要素を含んでいるのではないかと思います。その点を単に公募の手挙げが少ないからとインセンティブをかければ解決するという問題ではない。やはり公募、非公募のとりわけ私は非公募の位置づけが明確にされない限り、公募原則は反対です。非公募を市が管理する点をきちっとしてこそ、民間のいろいろなノウハウをということならば一定程度賛成できるところはあるけれども、インセンティブを今後かけるような状況あるいは応募の手挙げが少ないという状況は、こういう立場からも加味しなければならないのではないかと思うのですが、いかがですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 私どもとしましては、市民サービスの向上の部分の効果、それから経費の削減の効果なども見えておりますので、健全に指定管理者制度自体を運用していくということが、まず第一でございます。その際に公募、非公募というのは1つの事業者を決定する確かに重要なファクターでございますが、できるだけ公平性、公正性をもって一番いい事業者に、一番いい市民サービスを提供していただくという目標のもとに、それに向けてこれを運用してまいりたいと思います。非公募につきましては、本編の26ページ、きょうの説明資料にも4点ほど現時点での非公募の特例扱いについての考え方を書いておりますが、現時点ではこれに沿ってやっております。1カ月の市民意見の中でまだ事業者からも、市民からもさまざまな意見があると思いますので、またその意見を反映しながら、何とかガイドラインを完成させていきたいと考えております。

◆(中島[文]委員)
 具体的に厚いほうの6ページの(3)指定管理者制度の適用の検討の部分で、今度は直営か指定管理者制度かという振り分けの部分に移りますが、文言がずっと書いてあって、その際、どちらの管理形態、言うならば直営か指定管理者制度か、例えば括弧書きにある◯◯施設は公共性が高いから直営であるべきによって決定されるべきものではないと、1つのファクターかもしれないけれども、こういう短絡的な書き方、例の挙げ方が私は公の施設、地方自治法の改正の問題、いいのかどうか非常に疑問を持つ書き方だと思います。これも平成15年の地方自治法の改正の中でも精神を受け継がれていると思うけれども、とりわけ指定管理者制度が導入され、地方自治法の改正がされる以前、直営があった。それと公益的団体が委託管理をする。直営と委託管理、どの部分を委託管理していたのか、そのときには、これは直営でやらなければならないという重点、公共性が高いものがあって、そのほか公共的団体に委託管理してもいいだろうと、そういう物差しは歴然としてあったし、今でもこの精神は引き継がなければならないという部分は、地方自治法改正以前、改正後も、公共性というのはすべて、住民の福祉の増進に寄与するためにこの施設があるとか、みんな公共性が高いわけです。とりわけ公共性の高い部分をこういう例で、この視点から見てはだめという記述の仕方として、ただし書きがあれば別かもしれないけれども、こういう書き方は私は納得できない部分があるのですが、いかがですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 表現につきましては、まだ素案ですので、御意見として参考にさせていただきたいと思います。
 それから、直営と管理運営委託、以前の形につきましては、ちょっと詳細は承知しておりませんが、説明資料の3ページの上に表がございますように、指定管理者制度導入以前は767の施設が外郭団体、区民利用施設協会など運営がされていたもの、プラスその後の新設施設もございますが、そして結果として913団体が現在、民間企業やNPOも含めて運営団体になっております。大幅に前の公の施設の管理運営形態がドラスティックに変わったというよりも、指定管理者制度を活用しながら順次民間企業、NPOなどの活躍の場も出ているという形に少しずつ動いている状況だと理解しております。

○(佐藤[祐]委員長)
 時間もかなり経過していますが、このままで続行させていただきたいと思います。質問を妨げるわけではございませんけれども、簡潔におまとめいただいて質問していただけますか。

◆(中島[文]委員)
 5ページの公の施設の記述の部分は全くそのとおりで、よくわかります。したがって、上記の①②③の要件を満たさない市区庁舎、これは公の施設として地方自治法上は出てこない。私の認識不足なのでこれを確認して、区役所や市庁舎は最も典型的な市の施設、公の施設だと思っていましたので、私の浅見だということになってしまう。

◎(土井共創推進事業本部長)
 あくまで公の施設という言葉を厚い資料の5ページの一番上にございますように、住民の福祉の増進を目的として設ける施設ということで、地方自治法上の解釈では庁舎などは入っていないとなっています。

◆(中島[文]委員)
 公の施設、例えば市区庁舎、事務所も単なる事務所ではない。例えば昔の清掃事務所とか衛生研究所だとか、こういうのも全部、公の施設の中であえて除外をされて、ここにわざわざ書いてある意味です。

◎(土井共創推進事業本部長)
 行政施設と私ども呼んでいますが、それは市民利用を前提とした施設ではございません。あくまで行政体が自分たちの業務を行うための施設という理解でございます。

◆(中島[文]委員)
 そういうことで特に市区庁舎、例えば区役所の中にいろいろ行政施設でない市民サービスを行うだけでなく、今かなり多目的な利用の中で出てきます。区役所や総合庁舎を利用してやったとしても、この枠の中に規定があることによって、どこかに公の施設的なものから除外するという解釈になるのですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 市区庁舎は、公の施設としては位置づけられておりません。

◆(太田委員)
 なぜ条例できちんと定めていくという方向をとらないのですか、これが1点。
 それから、なぜこの委員会でやって、全員協議会のようなところで重要な案件をお話しされないのですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 施設の設置条例がそれぞれ既に改正されておりまして、その中に指定管理者制度の導入というものを条例改正しておりますので、そちらにゆだねているという形でございます。これにつきましては、適切な制度運用を行っていくためのガイドラインという位置づけでつくっております。
 全員協議会につきましては、既に2期目という形で、1つの統一的見解という形で出しておりまして、既に実質的にはさまざまな施設の中でも選定も行われておりますし、いろいろな仕組みも開発されてきておりますので、それらを現時点で総合的にまとめたものと考えております。

◆(太田委員)
 公の施設の管理の詳細を決めるに当たって、こういうガイドラインはいいけれども、それを指定管理者指定条例とか条例化しないと、地方自治法の法律的にまずいのではないか。指定管理者を定めることができるということを条例に定めたところで、その詳細にわたって、今ガイドラインに書かれたような、今おっしゃった選定の仕方も含めて条例に定めないと脱法行為だと思う。地方自治法における指定管理者、地方自治法における公の管理を規則で定める、条例で定めなければいけないということの脱法行為ではないか、こんなことをやっているからおかしくなってしまうのではないかと思います。

◎(土井共創推進事業本部長)
 脱法行為かどうかということはもう少し勉強させていただきたいと思います。現時点の状況だけお伝えしますと、太田委員御指摘のように、通則条例という形で全体を通すような条例を制定している都市が、政令指定都市で札幌市その他4市ほどございます。9市は個別条例という形で、私どもがやっていますように、それぞれの施設の設置条例の中に指定管理者制度の導入をうたい、やってきているという状況でございます。

◆(太田委員)
 要するに地方自治法の公の管理については条例で定めると書かれていること。今流れて設置に関するいろいろなガイドラインがまさにそれに当たるわけで、それをガイドラインだとか何とかで決めてしまうということは、委員長、まずいですよ、私から言わせれば。今、図らずも検討要項かもしれないけれども、みんな重要だと思っているじゃないですか。それが非常にあやふやで当局のほうで勝手に決めていいということになって、それは公の施設の管理としてまずいということになっているわけだから、きょうの話はこれでいいとしても、ちょっと考えてもらわないと、議会の軽重が問われる。

◎(土井共創推進事業本部長)
 各施設の設置条例の中で指定管理者制度の導入に関しましても、また指定管理者の指定に関しましては、標準が5年になりますと5年に一度議論いただきますし、こういうガイドラインができましたので、これをもとに皆様方の意見、それから事業者の意見、市民の意見なども私どもとして反映させていきますので、十分に適正な運営が図られると確信しております。

◆(太田委員)
 設置条例の中には料金を幾らにするとか、そういうことが決まっていくわけです。しかし、これはだれにやらせて、どうやって選定して、その人にどういう権限を与えてということまで非常に細かい内容について具体的には公の施設を丸投げしていくわけです。しかもその責任は全部こっちが丸受けしていくわけで、公の管理者としての責任は全部こっちが丸受けしていく。もちろん損害賠償請求権とかはあるとしても、市民に対しては丸々こっちが責任を負っていかなければいけない。だから今の公の普通の施設の設置条例では間に合わない。そんないいかげんなことをしてはだめですよ。黙って聞いていてもこの話はおかしな話だから、もう一度、局内でもよく検討してもらいたい。

◆(高梨委員)
 いずれにしても、指定管理者制度というのは管理運営の民間化の手法の1つだから、ガイドラインとして透明性とか公平性の関係でいけば、こういう形で整理するのは、これはこれでいいと思う。ただ、先ほども議論になっていたけれども、市民の存在がどうかかわっていくのかという点でいけば、ちょっと余りにも管理運営、顧客主義みたいな、企業化すれば当然、顧客の満足度という点になるわけだから、一方では市民との協働ということを言っているわけで、どうサービスをともにつくっていくのか。与えるサービスだけではなくて市民の期待するサービスとか、あるいは市民が望むサービスとかあるわけです。どうしても指定管理者というのは、管理者が与えるサービスが中心になって、第三者評価もそうなるから、第三者評価はその目標に対してどう達成したかだから、最初の立て方のサービスというけれども、一体何をもってサービスというのか。先ほども議論になった図書館の問題でいけば、これまでさまざまな地域の方々が連携してつくってきたサービスがたくさんある。それが一体どうなるのかというところが最後まで明らかにされないまま、そこがあったから時間がかかったというふうに私は受けとめているわけです。
 ですから、サービスの継続性といった場合、管理者側と行政側と市民との間のギャップというのはどうやって埋めていくのか。実際、第三者評価は大変いい評価が出ています。しかし市民とのギャップはどういうふうに今認識していますか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 厚いほうの資料の4ページを見ていただきたいのですが、前回の常任委員会でも出させていただいた資料でございますが、私どもも一番大事な点ではないかということで、市民サービスの向上に当たって市民の声ということですが、区民利用施設と市民利用施設、大規模な専門施設とは相当現場での実際のやりとり、ニーズの把握の仕方も違うだろう。少なくとも区民利用施設につきましては、地域の特性などを配慮した評価とか、またそれに基づくモニタリングとか、そういう仕組みをできる限り入れていくべきではないかということは考えております。
 下の施設につきましては、各種設置目的がそれぞれの専門性、規模、財政的な状況も相当違いますので、個々について高梨委員おっしゃったような視点を中心に、利用者の視点をどのようにその運営に反映させていくかについて、局とガイドラインをもとに議論していきたいと考えている状況でございます。

◆(高梨委員)
 利用者等によるモニタリングのところが、利用者会議を含めてここをこそきちんとしたガイドラインをつくるべきではないか。利用者会議といっても、今あるような町内会の役員が入って、実際は利用していない地域の顔の人が入ってやっているような利用者会議も現実にあるわけでしょう。現実にさまざまな利用者が意見を言っても、それに対して説明責任を果たさないと、幾ら個々に要望とか対応を含めて意見があって書き出しても、日常的には現実問題としてそうなってないわけだから、管理者側がさまざまな利用に当たっての市民への苦情の問題にしても、十分説明責任が果しているとは私の聞く範囲内では言えないわけだ。そういうところのギャップ、先ほど本部長も言われたとおり、NPOとかいろいろな方々がかかわってきだしている。市民にとってのサービスといった場合に、ある意味でと市民と一緒になって市民が期待するサービスをつくっていこうという動きを、これからつくっていかなければならないと思う。一方では、経費の問題でなかなかそうもいかないとか、利用者会議も利用者の代表というけれども、ここもどういう形できちんと与えるサービスではなくて、市民が期待するサービスをどうやって継続していくのか、こういうところのガイドラインこそ、きちんと充実させていく必要があるのではないか。
 そういう意味でおつくりになっていただいて、透明性とかの関係を含めて、これはこれで大変すばらしいガイドラインだと思いますけれども、しかし、そういう施設が市民にとっての施設なのであって、与えるサービスということを、もう少し一緒になってつくっていくというか、そういうサービスのあり方みたいなところが、いろいろ具体的にもう少し検討していただきたいと思います。

◆(石井委員)
 ガイドラインに対する市民の意見募集が、非常に我が党としても注視して、注目してまた議論していきたいと思います。

◆(山下委員)
 指定管理者制度というのは導入されたころは、民間の活力が導入されて、施設がすばらしくなるというイメージがあったのですが、実際導入されてみると前よりサービスが悪くなったという意見も市民から聞くところがあるのですが、この一番ポイントになるのは、民間業者のアイデアだと思うのです。説明書の6ページに、今後の民間事業者の参入促進という中にアイデアの募集とあります。アイデアの守秘義務がきちんと確保されているか聞いたのですが、これを見ると確保されていたり、情報公開で公開しなければいけないとか、よくわからないので、この点だけ説明してほしいのです。

◎(土井共創推進事業本部長)
 守秘義務につきましては、ビジネス上の知財とかそういうものに絡む向こうからの提案について、それを情報公開にどのように対応するかについて、厚いほうの資料の29ページに、⑥応募情報に関する一定の保護という形でございます。下線のところですが、指定管理者の公募等に関する文書については、同様に公開が原則であるということで、基本的には情報公開条例にのった中で公開していくということがございます。ただ、相手のノウハウの部分などについては、協議の上、非公開にするということも含めて明らかにしていくという程度の書き方で、ちょっと個別の案件で見ないと、原則一律化はなかなか難しいと現在なっております。既にいろいろ公開条例の対応もしておりますので、現実的な対応をここでは記載させていただいております。

◆(山下委員)
 20ページの施設の目的、ビジョンの明示ですが、先ほどの議論を聞いて、これが一番大事だと思うのですが、今後、施設を指定管理者の募集をかけていくときに、担当局がこの施設の目的は何か、運営のビジョンは何か、きちんと明示した上でかけていくということでよろしいですか。

◎(土井共創推進事業本部長)
 そういう形でこのガイドラインに沿って、各局と議論していきたいと考えております。

○(佐藤[祐]委員長)
 他に御発言もないようですので、本件については、この程度にとどめます。
 時間が経過しておりますが、恐縮ですが、このままで続行させていただきます。

△横浜市公共施設の保全・利活用基本方針について

○(佐藤[祐]委員長)
 次に、横浜市公共施設の保全・利活用基本方針についてを議題に供します。
 当局の説明を求めます。

◎(小松崎都市経営局長)
 それでは、横浜市公共施設の保全・利活用基本方針を策定いたしましたので、御報告申し上げます。
 基本方針そのものは既に皆様方にお配りしておりますけれども、お手元にもお配りさせていただきました。説明は概要を取りまとめた資料2をごらんください。
 市民利用施設や学校、道路など本市が大量に保有する公共施設の長期的な維持管理の問題は、今後の本市として取り組むべき非常に大きな課題でございます。今回、厳しい財政状況の中にあって、安全かつ有効に保全・利活用していくために、アセットマネジメントの視点からこの項目を取りまとめまして、今後実行に移していくための第一歩として、進め方を中心として基本方針を定めたところでございます。
 1番、本市が保有する公共施設ですが、まず建築物系の施設が約2,300件ございます。市民利用施設や庁舎、事務所、学校などがこれに含まれます。一方、都市基盤系の施設が約6,000件、これには公園、橋梁などが含まれます。このほか道路や上下水道管など整備距離で量を把握している施設もございます。
 次に、2の保全費の将来推計ですが、下のグラフもあわせてごらんください。昭和40年代以降の人口急増期に集中的に整備した公共施設の老朽化が進むことなどにより、平成21年度からの20年間で必要と見込まれる保全費の総額は、企業会計を含めた総額で約3兆円に上ります。このうち一般財源等の総額は約1.7兆円で、ピークに当たります平成30年度には、平成20年度予算約476億円のおよそ2.3倍に当たります約1,100億円にまで膨らんでくる見込みになっております。
 資料の裏面をごらんください。3番、基本方針に基づく取組内容ですが、将来推計を踏まえまして、保全費の縮減や年度間の平準化、また既存施設の有効な利活用などを計画的に進めるために、基本方針に基づいた取り組みを実施してまいります。(1)から(7)まであります取り組みの説明の下に、参考として全体のイメージ図をあわせてごらんください。
 まず、(1)の現状の把握ですが、施設の利用状況、機能、コスト状況等、評価に必要な項目を調査してまいります。これはトータル管理しやすい台帳化等の整備も含めてということで、一部で既に開始しているところでございます。
 また(2)の施設の最適化の部分ですが、施設の内容や規模を評価して、計画的に保全していく施設を選別していくという作業になりますが、ここの部分が市民生活に最も関連する部分になってまいります。今後、情報提供あるいは意見聴取の方法、市会で御議論などに供していくことになると考えております。
 (3)の保全の仕組みとして、点検の強化などにより現状を的確に把握して、適切な修繕時期や工事方法などを適用してまいります。
 (4)利活用の仕組みとして、転用可能な施設や余剰スペースの情報を一元的に把握して、全庁的な施設利活用の総合調整を実施してまいります。
 (5)財政の仕組みとして、施設の最適化を通じた歳出抑制あるいは新規整備の見送り、また基金の設置などによる保全費の確保の検討を行ってまいります。
 (6)民間のノウハウ・資金等の活用としましては、保全に関する新技術の採用であるとか、保全費の平準化のための民間資金の活用に引き続き努めてまいります。
 最後に、(7)執行体制ですが、公共施設に関する現状及び点検・評価情報の一元的な把握や総合マネジメント、計画保全と予算配分を連動させるための調整を行えるような体制づくりを今後進めてまいります。
 これらの取り組みを通じて、厳しい財政状況の中にあっても、施設の安全確保と適切な保全を行ってまいります。今年度にも必要な作業、検討等を進めて、次期中期計画にも反映させるべく準備を進めてまいりたいと考えておりまして、作業の進捗にあわせて市会にも適時御報告をして、御議論に供してまいりたいと思っております。

○(佐藤[祐]委員長)
 説明が終わりましたので質疑に入ります。

◆(荻原委員)
 1点だけ、全体イメージですが、それぞれ現状の把握とか施設の最適化とか、こういった作業はいつまでにというのは決まっているのですか。

◎(小松崎都市経営局長)
 既にこの内容について各局にお示ししてございまして、特に現状把握等については既に実施している局もございます。私どもとしてはなるべく早く(1)の状況をクリアして、(2)の議論に進めたいと考えておりますので、平成22年度には(2)の議論が実質的にできるように進めてまいりたいと思っております。

◆(荻原委員)
 (2)の平成22年度以降はまだ決まっていないですか。

◎(小松崎都市経営局長)
 特に(2)のところの整理、更新するのか、維持していく、そして廃止まで考えるのか、こういうところの整理が非常に市民の生活と密着する部分でございますので、ここは慎重なさまざまな議論を経た上で、次に移っていくと。また、その結果が恐らく次期の中期計画にも反映させていくのだろうと考えております。

○(佐藤[祐]委員長)
 他に発言もないようですので、本件については、この程度にとどめます。
 以上で都市経営局関係の審査は終了いたしましたので、当局の交代を求めます。
 当局交代の間、暫時休憩いたします。