横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

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平成23年 予算第一特別委員会

△健康福祉局関係

○(中山副委員長)
 それでは、健康福祉局関係の審査に入ります。

○(藤代副委員長)
 次に、荻原隆宏委員の質問を許します。

◆(荻原委員)
 荻原隆宏です。どうぞよろしくお願いいたします。
政治、行政が困難を持つ人々を支えるのはまさに永遠のテーマでありまして、実践すべき哲学と私は常々思っております。今大変に競争が激しくて、内定がとれてもそれがなくなるといったような本当に厳しい世相になっておりますけれども、そういうときこそますます自治体として、政治、行政はその哲学を失ってはいけない、そのように自分にも肝に銘じているところでございます。健康福祉局はその中心を担う局でございますので、その観点を持ちまして質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、障害者就労支援事業についてお伺いをさせていただきます。
障害のある人たちの製品を売る機会の確保ということでございまして、障害のある方たちが作業場などでつくった製品を売る場所の確保について、市は一体どのような支援を現在行っているかをまずお伺いいたします。

◎(神山障害福祉部長)
 販売場所といたしまして、まず障害者自立支援法に基づく事業所が、例えば喫茶店とかうどん店とかパン販売店など店舗の形態をとりまして、事業を実施しております。こういったものが市内に約70カ所ございます。また、市内に15カ所あるふれあいショップでは、身近な地域の販売場所といたしまして近隣の事業所の製品の販売を実施しております。さらに、21年度からは、本市としてもふるさと雇用再生特別基金事業などさまざまな財源を活用いたしまして、販売場所の確保のための支援を行っておりまして、現在、市内4カ所で事業を実施しております。

◆(荻原委員)
 さらに市が実施している、あるいは区が実施しているお祭りとかイベントとかで作業所で皆さんがつくられた製品を目にすることもございます。そういったところで売られているわけでございますけれども、現場の皆様からはこういった製品をもっともっと売る場所が欲しいのだという声をよくいただきます。こういった声に対してどのような対応が可能なのか、お伺いをいたします。

◎(神山障害福祉部長)
 今おっしゃられたような要望があることは承知しております。本市といたしましては、障害のある方々がつくった製品を販売するということは、御本人たちの工賃アップとともに地域の皆様に知っていただくPRの場として非常に効果的であると考えております。したがいまして、各区役所や市庁舎内、あるいは地下鉄駅構内のスペースの提供など、こういったことを行っております。また、地域において各種のイベントに出店する際の主催者との調整などの支援も行っております。先ほど御答弁いたしました販売場所の確保、市内4カ所と申し上げましたけれども、それらにつきましてもことしさらに5カ所ふやす予定でございます。

◆(荻原委員)
 どんどん売る場所を確保していきたいなと思うわけであります。私が現場の方とお話をさせていただいて、そういうことがあるのかと気づかされたことがございまして少々お話をさせていただきますが、いわゆる製品をつくって売るという作業ではなく、いろいろ受注しますよね。お掃除とか、あるいは何か袋詰めとか、そういったいわゆる内職と言われる受注について3つの課題点があるということをお伺いいたしました。それはまず第1点目に売り上げが少ない。これは大変大きいポイントだと思うのですけれども、これもお伺いしたことですけれども、例えば20人おられる作業所で売り上げが月にせいぜい5,000円だと。これは全国平均とお伺いをしています。大体3,000円から7,000円、これは月の売り上げです。全国でも月の売り上げが1万円を超えるというのはまずないと。そういう意味で、まず内職の問題は売り上げが少ないというところが大きい。それから2つ目は発注が切れるというところです。継続性がなかなか担保できないということがあります。継続性が担保できないということは、イコール計画的な生産管理ができないということで、計画的に生産をもし例えば1カ月、2カ月のスパンでいつまでにどれだけということがわかれば、それはそれで全く違ってくるということをお伺いしました。それから3点目、これも非常に大きいなと思ったのですが、どんなに長い間内職に従事をしても、どんなベテランになってもそれで将来稼げないわけです。ですから、一つ一ついただいたお仕事を一生懸命やっても、それは発注が切れてしまったら、もうそこですべてがとまってしまうわけです。ここが非常に問題であると。この3つのお話をお伺いして、そうなのですねということで、これはしっかりと取り組まなければいけないのではないかと思ったところでございます。
お伺いしたのは内職から脱したいというその気持ち一点だったと思うのです。では、この内職から脱するためにはどういう方策が可能なのかということで、私は、働けば働いた分だけのやりがいがあるという物すごくシンプルな生きがいというものを障害者の皆さんも感じていただくために常設店舗というものもあっていいのではないか、そういうことを考えております。以前京都に行ったときに、京都で展開されている障害者の皆さんの自主製品を売る常設店舗を視察させていただきました。京都駅の駅ビルに入っている大きな百貨店さんのちょっと奥まったところなのですけれども、そこにしっかりと区画がとられていまして、そこでは常設店舗として自主製品、作業所でつくられた製品が売られている。これはまだ横浜にはないとお伺いしております。ぜひこういった常設店舗を開いて製品販売の場を日常的に確保していきたいなと思うのですけれども、この点についてそれが可能かどうかをお伺いしたいと思います。

◎(立花健康福祉局長)
 すばらしい情熱だと思います。常設店舗につきましては、先ほどもちょっと御紹介しましたふれあいショップも常設店舗でございまして、現在も地域に密着した形の店舗を市内に複数設置しております。今、先生がおっしゃった、例えば京都駅の話を例にとりますと、横浜駅構内でああいう構内で大規模なターミナルでの常設店舗の設置ということを考えた場合に、事業効果の高い場所の確保ですとか、あるいは支援スタッフの人件費ですとか、あるいは店舗の賃料といった開設後の運営経費なども課題だと思うのです。ただ、そういう条件次第によっては実現可能ではないかとは考えておりますので、今後も機会をとらえてその可能性の検討は進めていきたいと思います。

◆(荻原委員)
 横浜駅でもし店舗ができればこれ以上ないことだと思うのですけれども、横浜市内は広いですからいろいろな可能性があると思います。そこをどんどんと検討していただいたら本当にありがたいなと思っています。何よりやはり生産計画を伴った製品販売の機会がふえれば、作業所の皆さんにとって非常に大きな喜びにつながると思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
この製品販売に関してですけれども、さまざまなスポーツ団体、あるいは芸術団体がいらっしゃいますが、サッカーとか野球とか、あるいは外郭団体の横浜市芸術文化振興財団さんとか、そういったところとの連携についてお伺いをしたいのですけれども、今まで市が支援をしてスポーツの試合、あるいはイベントのときなどに主催者と連携をして障害者の皆さんが作業所でつくられた製品を販売したことはあるかどうか、お伺いいたします。

◎(神山障害福祉部長)
 文化、スポーツに関する大規模なイベントといたしまして、最近ではアフリカ開発会議でパンの提供を行っております。また、150周年記念事業の一環といたしまして赤レンガ倉庫前でパンなどを販売いたしました。

◆(荻原委員)
 ぜひこういったイベント、あるいはスポーツの場面での製品販売の機会をふやせればなと思うのですけれども、例えば横浜の地元のスポーツチームと連携して作業所製品を売ることはできるのかどうか、お伺いいたします。

◎(立花健康福祉局長)
 例えば製品を安定して供給することなどが課題になると予想されますけれども、地域作業所等の製品を多くの人に知っていただく機会なることは期待できると思います。ただ、実は過去に地元のスポーツチームと相談したことはあるのです。そのときは条件が余りに厳しくて折り合いがなかなかつかなくて実現をしなかった経緯があります。そもそも障害者のこういう製品に理解があるのかと思われるような内容だったと聞いております。しかし、最初に言ったようないろいろいい機会にはなると思いますので、今後も何か機会をとらえてそういうことができないか、具体的に調整は行っていきたいとは思います。

◆(荻原委員)
 ぜひいろいろな機会をとらえて積極的に試みていただきたいなと思うところです。
私はハートメイドさんのカタログを見せていただきました。これは横浜市の社会福祉協議会さんがやっておられる事業で、市内の作業所の皆さんの製品を集めて一つのブランドにして売っておられるのです。実際にこの製品を見させていただきました。この市の社会福祉協議会さんの賀詞交歓会の受け付けでもその製品を置かれていまして、それも見させていただいて幾つか私も購入させていただいたのですけれども、非常にいい製品ばかりでした。特にゾウさんのマグネットが気に入って買わせていただいたのですけれども、これをぜひどんどん横浜市民のみならず、全国の皆さんに知っていただきたいなと率直に思ったわけでございます。こういったハートメイドという横浜市で統一したブランドをせっかく市の社会福祉協議会さんがつくっていますので、これを活用して、さまざまなスポーツチームさん、あるいは芸術文化団体さんと連携してどんどん展開をしていっていただきたいと思うのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

◎(立花健康福祉局長)
 1つの地域作業所や障害者の施設での生産力、販売力では大口の注文にこたえるというのは難しいです。そのために市の社会福祉協議会と地域作業所等が協力して共通のハートメイドブランドとして取りまとめております。スポーツの試合等々大規模なイベントにはこのハートメイドブランドで対応するが最も適当であると考えます。

◆(荻原委員)
 ぜひこのハートメイドのブランドを活用して、これは健康福祉局だけではなくて市民局とも連携するのにふさわしい動きだと思いますので、市民局、そして市の社会福祉協議会としっかりと連携して市全体で自主製品の販売について推し進めていただきたいと思うのですけれども、これは副市長の見解をお伺いいたします。

◎(大場副市長)
 お話しいただいた点、私もしかと受けとめておきたいと思いますが、地域作業所の製品を多くの市民の方に買っていただく。これは障害のある方たちの収入の増ということだけでなくて、製品を通じて障害のある方たちの活動も知っていただけるというプラスも当然ありますので、障害者理解の普及啓発にも大きく貢献できると思います。今後もいろいろ機会をとらえて関係局、また関係団体とも調整をしていきたいと思います。

◆(荻原委員)
 ぜひいろいろな角度から検討して推し進めていただきたいと思います。
この製品販売に関してもう一点、共同受注事業というのを行っていると思いますけれども、これは就労の場の拡大事業の中にありますけれども、これはいろいろな会社さんに営業して開発営業をするという作業だとお聞きしておりますが、この開発営業何人で行っていらっしゃるかお伺いします。

◎(神山障害福祉部長)
 地域作業所等の各事業所のスタッフも受注拡大のために努力を続けております。本市といたしましても、事業所への作業発注促進について障害企画課で対応しております。共同受注事業といたしましては、企業開拓の専任の嘱託員1名を配置して取り組みを進めております。この取り組みにより、民間企業を初め市役所内の各部署に対して作業発注の働きかけをするとともに、企業と事業所とのマッチング、発注作業のあっせんなどを行っております。

◆(荻原委員)
 実績はどのようなものでしょうか。

◎(神山障害福祉部長)
 本市の共同受注事業の平成21年度の実績としましては、訪問した企業数が544社となっております。この中から126件の発注の申し出をいただき、そのうち109件については受注に結びつけることができました。

◆(荻原委員)
 今後の目標についてですけれども、どのように考えておられるか、お伺いいたします。

◎(立花健康福祉局長)
 今申し上げましたように、544件の訪問から109件の受注につなげたという実績は、昨今の経済状況を考慮すると評価していいのではないかと私は考えているのですけれども、引き続き専任の企業開拓嘱託員もいますので、その職員も活用しながら受注拡大に向けた企業開拓に努めていきたいと思います。また、これまでも行ってきましたけれども、個別の企業訪問だけでなくて、例えばロータリークラブですとか、あるいはライオンズクラブ、それから中小企業家同友会など経営者団体への働きかけなども強化して受注の実績を伸ばしていきたいと考えております。

◆(荻原委員)
 この受注がなくなれば、まさに何もなくなってしまうというのが作業所の実態でございますので、ぜひ頑張って支え続けていただきたいと思うのです。できればですが、開拓のための専任員をもう少しふやしてもう少し受注機会の開拓をやっていただければなと思っております。これは要望として申し上げたいと思います。
次に、歯科口腔ケアについてお伺いをさせていただきます。
歯周病菌というのがテレビのコマーシャルでもいろいろな製品のコマーシャルでよく聞くところでございますけれども、この歯周病菌の全身への影響をどのように考えておられるか、まずお伺いいたします。

◎(豊澤保健所長兼担当理事)
 近年、歯周病は単に歯や口腔の病気にとどまらず、さまざまな全身疾患との密接な関係が指摘されております。例えば歯周病菌や炎症性の物質が血液中をめぐると動脈硬化をもたらし、心筋梗塞や脳梗塞などの病気の原因になることや糖尿病を悪化させることなどが明らかにされてきました。また、飲み込み機能が低下した高齢者では歯周病菌などが肺に入りこみ、誤嚥性肺炎を起こすことなど、このように全身性疾患に大きな影響を及ぼすことが明らかにされております。

◆(荻原委員)
 その他私が聞くところによりますと、妊婦さんの早産とか低体重児の出産にそのリスクが高まってしまうというようなこともお伺いしております。こういった歯周病菌の持つ大変怖い点について市民への啓発はどのように進めていらっしゃいますでしょうか。

◎(畑澤健康安全部長)
 横浜市歯科医師会に委託しております歯周疾患検診や毎年6月に実施しています歯の衛生週間の各種イベント、また、区福祉保健センターにおける歯周疾患予防教室、地域での健康教育等を通じて、歯科保健、口腔ケアの普及啓発に取り組んでいます。

◆(荻原委員)
 その歯科検診なのですけれども、節目歯科検診というものをお伺いしました。これは一体どのようなものでしょうか。

◎(畑澤健康安全部長)
 歯を失う大きな原因となっています歯周疾患の予防と早期発見を推進することを目的として、健康増進法に基づき40、50、60、70歳の市民を対象として歯周疾患検診を市内934カ所の実施医療機関で実施しております。実施方法は厚生労働省で示されている基準に沿って行っております。

◆(荻原委員)
 この節目歯科検診の受診率はどの程度になっていらっしゃいますでしょうか。

◎(畑澤健康安全部長)
 21年度の受診者数は367人で、本来の受診率の算出には歯を治療中の市民の方は対象から除く必要がありますが、仮に40歳から70歳までの10歳刻みの全市民を対象として計算しますと、受診率は0.18%となりました。

◆(荻原委員)
 0.18%ということで極めて低い受診率ということだと思うのですけれども、これは実は私もお話をお伺いするまで存じ上げませんでした。40、50、60、70、言ってみれば人生の中でこの4回受ける機会があるという歯科検診だと思うのですけれども、この節目歯科検診の周知は今どのように行っているのでしょうか。

◎(豊澤保健所長兼担当理事)
 広報よこはまや本市のホームページで事業案内を掲載しているほか、福祉保健センターにおける歯周疾患予防教室や地域で行います健康教育、歯の衛生週間や健康づくり月間などの各種イベント等にあわせて周知を行っております。

◆(荻原委員)
 一方、介護施設等での歯医者さんの設置義務というのはあるのでしょうか。

◎(小川高齢健康福祉部長)
 人員、設備及び運営に関する基準というものがございまして、この中では介護保険施設には歯科医師の配置義務はございません。しかし、例えば特別養護老人ホームでいいますと、基準上、常に入所者の健康の状況に注意し、必要に応じて健康保持のための適切な措置をとらなければならないこと、また、あらかじめ協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならないといったことが規定されてございます。

◆(荻原委員)
 節目歯科検診のこともあわせてなかなか歯や口の健康を維持する価値といいますか、大切さといいますか、そういったものが見直されるべきなのかなと感じております。歯科口腔検診の受診機会をふやすということでございますけれども、例えば会社に勤めますと健康診断を1年に1回受ける。これは事業所の責務だ、義務だという形になっておりますけれども、これを例えば事業所で歯科口腔検診を受けることができるようにする、事業者の義務としてそれを義務づける。あるいは国民健康保険のみ加入でなかなか所得が低い。そういった方の場合の補助など、こういったものは可能なのかどうか、副市長にお伺いをいたします。

◎(大場副市長)
 多くの方に歯周疾患、検診の受診をしていただけるように啓発にはまた努めていきたいと思います。一方で、既に多くの方々も歯周疾患に罹患している実態を踏まえますと、より若い世代から生涯を通じてこのオーラルケアが推進できるように、かかりつけの歯科医を持っていただく運動であるとか定期的な口腔衛生指導を受けることについても引き続きぜひ推奨していきたいと考えております。

◆(荻原委員)
 口腔ケアについては私もいろいろ勉強させていただきまして、こんなに大切なものだとは思っておりませんでしたので、ぜひ市民の皆さんには周知をしていただければありがたいと思っております。
次に移ります。次は特別養護老人ホームについてお伺いをいたします。
予算書見ますと、総務費に民間福祉施設大規模修繕検討費というものが計上されておりますけれども、これは具体的に何を検討するものなのか、お伺いいたします。

◎(立花健康福祉局長)
 健康福祉局は、特別養護老人ホーム、障害者施設、生活保護法に基づく保護施設など、民間の社会福祉法人が運営する多くの施設を所管しておりますけれども、これらの中には築後30年以上経過するものもありまして、老朽化への対応が課題となってきております。そこで、厳しい財政状況の中、どのように長寿命化や建てかえ等に適切に対応できるか、建築分野の専門家を交えて検討していきたいと考えております。

◆(荻原委員)
 この検討費を計上するに当たって、特に特別養護老人ホームに関してどういった問題意識が根底にあったか、お伺いいたします。

◎(立花健康福祉局長)
 特養ホームにつきましては、入所の必要性、緊急性の高い高齢者が申し込みからおおむね1年以内に入所できるようにということで整備を進めております。しかし、既存の特養ホームの中には、今言いましたように、築後30年を経過して老朽化が目立つ施設がふえてきております。1年以内の入所という水準を達成して維持していくためには、新規の施設の整備とあわせてこうした老朽化施設をどのように維持していくかというのが課題になっております。

◆(荻原委員)
 今現在、修繕が必要と思われる民間の特別養護老人ホームはどれぐらいあるのでしょうか。

◎(小川高齢健康福祉部長)
 修繕の必要性につきましては、施設により異なりますけれども、建築後30年を経過した施設を対象と考えた場合、現時点では4施設になります。

◆(荻原委員)
 これも現時点で、特別養護老人ホームの大規模修繕に関して一体どういう制度が望ましいと考えておられるか、お伺いいたします。

◎(立花健康福祉局長)
 平成12年4月の介護保険制度導入前は特別養護老人ホームの運営費は措置費で賄われておりました。しかし、措置費を修繕引当金に繰り入れる場合には上限が設けられていたということから、大規模な修繕工事に必要な資金が十分積み立てられていない施設が多くあると聞いております。したがいまして、介護保険制度導入以前の運営期間が比較的長い施設に対しては、必要となる修繕工事費の一部を補助金として交付するような制度が望ましいのではないかと考えております。

◆(荻原委員)
 介護保険制度ができる以前のものに関してはぜひ修繕に対して市としてバックアップをしていく方向で進めていただきたいと思っております。
この特別養護老人ホームへの入所を待っておられる方が平成22年度ベースで5,042名、そのうち要介護度3以上が3,622名とお伺いをしております。特別養護老人ホームに入所を申し込んだ方へのアンケートの調査の結果で、今の住まいの近くにある施設だけを希望するという方が62.5%おられるということも見させていただきました。自分の今住んでいるところの近くの施設だけということになりますと、大変限定的なニーズということになると思うのですけれども、これが市内で特別養護老人ホームのある配置に偏在、偏りがあるとこのニーズにはなかなかこたえられないのではないかなと思います。住まいの近くに入りたいというお気持は十分にわかりますし、市としても対応していただきたいと思うのですけれども、どのように対処していかれるか、お伺いいたします。

◎(立花健康福祉局長)
 特養ホームの新規の整備に当たりましては、平成21年度、22年度の募集では既に多数の施設が整備されております旭区、緑区、泉区の3区を対象外としております。また、市有地貸与による整備を行うことでできるだけ地域偏在の縮小を図ってきました。今後ともこういうような形で市街地への誘導策によりまして地域バランスに配慮した整備を進めていきたいと思います。

◆(荻原委員)
 全国で個室ユニット型がどれぐらい進んでいるかというお話をさせていただきたいと思うのですけれども、いただいた資料を見させていただいたのですけれども、全国で多床室型が今8割だと、個室ユニット型が2割、20%、そのようになっているのですけれども、今現在横浜市でこの個室ユニット型の施設の普及進捗はどのようになっているか、お伺いいたします。

◎(小川高齢健康福祉部長)
 特別養護老人ホームの総ベッド数でございますけれども、23年度竣工予定の390床を加えますと、全体で1万3,597床となります。このうちユニット型は6,482床で、全体の47.7%に当たります。

◆(荻原委員)
 厚生労働省は、2014年には、全入所者のうち70%が個室ユニット型であるよう目指していくと数値目標を出しているのですけれども、これに向けてあと横浜市は何床ユニット型が必要なのでしょうか。

◎(小川高齢健康福祉部長)
 24年度以降、新たに1万120床の整備が必要となります。

◆(荻原委員)
 あと1万129床必要だということですが、達成できそうですか。

◎(立花健康福祉局長)
 整備に当たっては、国の考え方は今申し上げましたけれども、横浜市は、平成17年度竣工事業以降はすべてユニット型の個室を条件としておりまして、その整備の床数はほかの政令市と比較するとかなり高い水準です。もう5割近くになっていますので。私も国の審議会に行って個室ユニットの必要性を訴えてきたりしていますけれども、横浜市はそれに向けて一生懸命やっているのですけれども、しかし、国の示す70%というのは相当高い目標です。これは国の示す時間の中での達成は難しいと思います。

◆(荻原委員)
 あと1万120床ですから大変厳しいクリアすべき数字だなとは思います。しかし、これに向けて今後前向きにどんどん進めていただきたいと思うのですけれども、どのようにこの個室ユニット型の普及を進めていくか、お伺いいたします。

◎(立花健康福祉局長)
 今後ともユニット型個室を条件として整備法人を募集していきます。また、運営面では、ユニット型個室というのは居住費が高いということで低所得者が入居しにくいという声があります。このために平成22年10月、去年の10月から本市独自に施設居住費の助成を開始いたしました。23年10月からは助成対象範囲をさらに拡充する予定でございます。このように整備、運営両面での取り組みによってユニット型個室の普及を進めていきたいと思います。

◆(荻原委員)
 最後に副市長にお伺いしたいのですけれども、先ほども局長がおっしゃられたように、2014年までに70%と難しいかもしれないけれども、これは横浜市として全国の政令市に先駆けて5割を今達成しているということでございますので、ぜひ今後の意気込みを副市長からお伺いいたしたいと思います。

◎(大場副市長)
 特別養護老人ホームは、比較的長期にわたって生活をしていく、まさに生活の場であるということであります。在宅に近い生活を送っていただくことのできるユニット型の個室の整備を今後ぜひ進めていきたいと考えております。また、本市のユニット型個室整備の方針と居室の居住費の助成という制度については全国でも大きな注目を浴びておりますので、ぜひまた本市としても国への働きかけもしっかりとやっていきたいと考えております。

◆(荻原委員)
 最初に御質問させていただきました障害のある方たちの自主製品、それから特別養護老人ホームに入られる方々、こういった方々にしっかりと市として支援を今後とも強く強く進めていただきたいということを御要望申し上げて、質問とさせていただきます。
ありがとうございました。