横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

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令和元年 第3回定例会

△第3回定例会 一般質問

◆(荻原隆宏君)
 立憲・国民フォーラムの荻原隆宏と申します。私は、会派を代表して、梶尾明議員に続き、林市長に市政一般につき質問をさせていただきます。
 まずリビングウェイジ制度についてお伺いします。
 日本の最低賃金は先進国の中でも低く推移しております。アメリカ・ニューヨーク市では最低賃金が2018年12月末に、11人以上の従業員の事業所で時給15ドルに、本年12月末には10人以下の事業所でも時給15ドルになります。サンフランシスコ市は、本年7月1日に時給15ドル59セントに上がりました。この夏は円高傾向ですが、それでも日本円で15ドルは本日のレートで1604円です。アメリカ連邦政府の定める最低賃金は7.25ドルと半分以下ですが、アメリカでは各州、各都市が独自に連邦政府の額に上乗せして最低賃金を設定し、市民の暮らしを守っています。最低賃金が低く、実質賃金が上がらないことによって消費が伸びず、結果企業の収益も高まらない負の連鎖がいまだに日本では続いています。消費税も上がる予定の中で、低収入の市民の収入を上げていく工夫が必要ではないでしょうか。しかし、国任せでは国全体のバランスをとる中でなかなか地方の実情に見合った額を設定することが難しいのではと思います。アメリカでは、自治体も条例によって最低賃金を定め、そのまちにふさわしい最低賃金を設定していますが、日本ではまだ実現していない、自治体の最低賃金である横浜市としての独自の最低賃金を日本初で導入していただきたいと思いますが、市長の見解を伺います。
 イギリスでは、最低賃金とは異なる、企業が自発的に選択することが可能な準最低賃金と言うべきリビングウェイジという制度が普及しています。これはアメリカでも普及しております。ロンドン市から始まったリビングウェイジは、今やイギリスのナショナルリビングウェイジも定められており、イギリスは2種類の最低賃金、つまり義務制と選択制の最低賃金制度があることになります。リビングウェイジを採用する企業がふえることによって、最低賃金を押し上げる効果がアメリカでもあらわれております。横浜に限らない話でございますが、例えば福祉施設などで働く方々はお給料が低く、将来に展望が持てず、結果人材不足に拍車がかかっている状況があります。少子高齢社会に対応するためにも、低収入の方々のお給料を上げる工夫を始めていくべきだと強く感じております。
 そこで、横浜でこのリビングウェイジ制度を導入し、義務ではない、企業の自発的な判断による時給アップを推進していただきたいと思いますが、市長の見解を伺います。
 次に、福祉人材の確保についてお伺いします。
 人口減社会が進展する中で、さまざまな職種において人材不足が深刻化すると言われています。横浜市内の知的障害がある方はこの20年間で約3倍、精神障害がある方は約9倍にふえております。福祉ニーズは高まる一方です。私は、昨年秋まで1年間、福祉施設で重度知的障害の皆様のお世話をするアルバイトをさせていただく機会を得させていただきました。ここでもやはり慢性的な人材不足、入所施設でありましたので24時間シフト制で利用者の皆さんの支援をいたします。職員の皆さんは大変御苦労されていることを実感いたしました。
 横浜市内で知的障害、精神障害、身体障害など障害児者支援分野、さらに保育、介護の現場で働く福祉人材が将来どのように推移し、人材不足がどこまで深刻化するのか、横浜市が具体的に把握できているのかどうか、そして人材不足をどのように解消していくのか、市長に伺います。
 施設で働く若い人たちが末永く働き、将来設計が描けるような福祉現場をつくらなければ、福祉の担い手はますます減っていきます。福祉現場において特に未来ある20代、30代の若い人材が定着できるかどうかが大変大切だと思います。若い世代の福祉の現場で働く皆さんが末永く福祉の世界で働いていけるため横浜市はどのような取り組みをしているか、市長に伺います。
 私が経験した限りでも、施設で働く支援員さんの職務内容は複雑多岐にわたっております。着がえ、食事、入浴、おトイレ、お薬、レクリエーション、お散歩、通院、爪切り、歯磨き、事務室での支援計画の作成など、非常に多くの仕事をこなしておられます。彼らの社会的地位はもっと向上されてしかるべきだと思いました。(「そうだ」と呼ぶ者あり)職場でリーダー格の男性が自分たちの仕事をもっと世間に認めてもらいたいと、このように言っておられたのが忘れられません。
 そこで、横浜市として、志を持って福祉で働き始めてくれた若い人たち、あるいは転職されてこられた方たちに、人を支える福祉の仕事は大変とうとい仕事なのだと、社会が必要としているのだということを、感謝の気持ちを持って伝えられるよう、私の思いとしては、市内福祉現場の3年あるいは5年勤続の方々に、例えば感謝状などを贈っていただきたいと思うのですけれども、福祉現場を励ます取り組みを検討していただけないかどうか、市長に伺います。
 次に、障害者スポーツの振興について伺います。
 来年の1月、上大岡に市内2カ所目の障害者スポーツ施設が開所しますが、障害のある多くの皆様に快適にスポーツを楽しんでいただける空間を今後も積極的に創出していくべきと考えます。障害のある方が安心して利用でき、障害のない方とも交わって一緒にスポーツを楽しみ、インクルーシブ社会を自然に醸成しながら、障害者が生活に必要な機能の発達と維持のため日常的にトレーニングに取り組める環境を整えるべきと考えます。車椅子マラソンの世界的トップアスリート、ハインツ・フライ選手は、障害のない人はスポーツをしたほうがよいけれども、障害のある人はスポーツをしなければならないとおっしゃいました。スポーツを通じておトイレや着がえ、移動などの日常生活動作を獲得、維持できるからです。
 今後、障害者スポーツ振興をどのような方法で進めていくのか、市長に伺います。
 次に、中学校給食について伺います。
 平成29年7月13日、前回の市長選挙直前、市長の記者会見の質疑内容要旨を読ませていただきました。このときに、それまでは中学校昼食は家庭弁当が基本という方針となっていたものが、いきなり選択制に変わっていますが、もう既に家庭弁当が基本という前提はないということかとの記者の質問に、市長は、はい、そうですと1度お答えをしながら、後ほど、私自身の選挙公約と申し上げたほうが明快でしたとおっしゃっておられます。中学校昼食の方針が、議会の議論も教育委員会も経ず、選挙直前の公開討論会の場でいきなり選択性として出てきたことに、給食実現を公約とする他の候補者の陣営からは、選挙目当てではないかと疑われても仕方のない状況であったと思います。
 中学校昼食について、なぜ家庭弁当が基本という表現から選択制という表現に変えたのか、市長に伺います。  選択制といっても、ハマ弁、家庭弁当、業者弁当の選択であり、お弁当以外の選択肢はありません。共働きがふえ、長時間労働も続く中、保護者は子供に弁当をつくってあげたいと思うけれども、忙しくて、しんどくてつくれない。この悩みを市長と教育委員会事務局の皆さんにはわかっていただきたいのです。そして子供も、忙しいお母さん、お父さんを見ているので、弁当をつくってくれと無理に言えない。そのような非正規雇用がふえたバブル崩壊以降の時代の状況に伴う葛藤から保護者や生徒を解放してあげることが義務教育の意義でもあり、真に喜ばれる選択制と言えるのではないでしょうか。
 そのために、デリバリー方式にせよ、センター方式にせよ、それぞれの地域事情が可能な形で中学校給食を実施するとはっきり転換し、学校が給食を準備するから何も心配は要らないです。ただ、必要な場合は家庭弁当でも大丈夫ですよという選択制を導入していただきたいと思いますが、市長の見解を伺います。
 2020年度末にハマ弁事業者の契約期間満了を迎えるのを受け、今年度内目途にハマ弁を継続するのかどうかを判断すると伺いました。そうであれば、ハマ弁の目標数値である喫食率20%、本来これが今年度内に達成されるかどうかが、ハマ弁継続か否かの判断基準とならなければならないと思いますが、一体どのような場合にハマ弁を継続しないと判断するのか、市長に伺います。
 最後に、カジノ誘致について伺います。
 カジノ誘致について、記者会見資料でも市長はさまざまな数値を示されました。私はまずその中の宿泊客と日帰り客の割合、そしてそれぞれの消費金額について質問させていただきたいと思います。
 本年3月に提出されたIR等新たな戦略的都市づくり検討調査(その4)報告書にある日帰り客、宿泊客の割合と消費金額の全国、東京、横浜の比較グラフは、政策・総務・財政委員会の参考人招致で配付された資料でもグラフとして使われ、記者会見資料でも2ページ目に、横浜の観光の現状として、観光客の9割が日帰りで、日帰り、宿泊客の消費額がそれぞれほかの都道府県と比べて少ないと太字で強調されております。そして観光客の消費金額について、国の観光庁が計算した全国と東京都の数字と、横浜市が計算した横浜市の数字とを比較した表があります。記者会見資料では、横浜は、日帰り客も宿泊客もそれぞれの消費金額が全国や東京都に比べてかなり低いと赤字で強調され示されています。
 観光庁と横浜市とのそれぞれのデータ採取の方法と金額を記入する項目を市に確認していただいたところ、次のことがわかりました。横浜市の消費金額は、旅行中に消費した金額だけ示されております。しかし、観光庁による全国と東京都の消費金額は、旅行中に消費した金額に加えて、旅行前後に購入したものの金額や自分以外の人に買ってもらったものについてもおおよその金額、そして訪問先への手土産代なども合算され示されております。さらに、パックツアー参加費、団体旅行参加費などの旅行に行く前に支払った金額については、横浜市は合算しておりませんが、観光庁の数値はこれを合算したものとなっております。これでは観光庁の数字が大きくなって当然です。
 さらに、横浜市は赤レンガや山下公園などその場その場でアンケートをとっておりますが、観光庁は旅行から帰宅した後に思い出しながら記入します。そして観光庁の場合、旅行先が複数の都道府県にわたる場合は、消費した金額の高かった都道府県に全てまとめて合算し、その都道府県での消費額として示しているとのことでした。これでは、消費金額が高くなりやすい東京都がますます消費金額が盛られている可能性があります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)さらに観光庁は、1月から12月の間、通年で4回調査票を郵送しますので、ゴールデンウイークやお盆休み、秋の行楽シーズン、クリスマス、年末年始などハイシーズンが全て補足された金額ですが、横浜市の場合は全て補足されていない、もともと宿泊旅行者が少ない価格の安いオフシーズンの数値が示されております。ハイシーズンのほうが宿泊客も多く、宿泊費や交通費も高いので、オフシーズンで調査した横浜市の数値が低くなって当然です。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
 さらに横浜市は、現場で直接旅行者と対面しているので、1人当たり宿泊か日帰りかは自然とどちらか1つしか答えがありませんが、観光庁の場合は、1人の人が家に帰ってから宿泊旅行も日帰り旅行も同時に調査票を提出できるようになっており、つまり3カ月の間に両方行っていれば両方答えられるわけです。これでは、宿泊客の数も、消費金額も、観光庁の数値より横浜が低い値が出るのは当たり前であり、誇大に横浜の窮状を示すべくつくられたずさんな検証資料と言わざるを得ません。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
 事実を客観的に映し出すとは言えない比較表を用い、横浜は全国や東京都より宿泊客が少なく、消費金額も低いから将来のためにIRが必要なのだとでたらめなエビデンスを殊さら強調して説明するのは私は許されないことだと思います。(「そんなことばかりやっているんだ」と呼ぶ者あり)これから横浜市民に丁寧に説明すると市長は再三おっしゃっておられますが、このような作為的な数値の並べ方をしている資料を、あたかも客観的な事実を映しているかのように説明し、最大1200億円もの巨大な増収効果を生むと宣伝しながら市民を説得するのは壮大な欺きです。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)即刻カジノ誘致を撤回してもらいたいと思いますが、まず算出方法やアンケート手法が違う数値をカジノ誘致の理由にすることはできないと思いますが、市長の見解を伺います。
 そもそも、横浜市独自につかんだ数字として宿泊客の割合が少ない、あるいは消費金額も低いと総括するのであれば、カジノに頼る前に、なぜそのような状況になっているのかを考えてみたことがあるのでしょうか。もともと横浜が持っている強み、魅力を引き出すために改善する余地は山ほどあったのではないでしょうか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)カジノ誘致を表明する前に、なぜ宿泊客が少ないのか、なぜ消費金額が少ないのか、どのように総括されていたのか、市長に伺います。
 横浜には多くの名門、歴史ある学校もあります。よい子に育ってほしい、横浜で育ったということを誇りに思ってほしい。多くの子育て世代が横浜を選んでくれていると思います。カジノが来たら、その様相も一変します。カジノのまち横浜、それが我が子のふるさとになるのです。本当にこれまでと同じように横浜を選んでいただけるのでしょうか。箱根、富士山、鎌倉など日本有数の観光資源としっかりタッグを組んで、自治体間連携で観光圏域を創出することもできるでしょう。山下ふ頭には、ホテル、レストラン、エンターテインメント、スポーツスタジアムなど、さわやかな横浜の港にふさわしい再整備もできるでしょう。あるいは、外国の方々にも日本の世界最高水準の医療を提供できる病院を集め、定期検診、人間ドックのためのホテルも隣接させ、最先端医療の集積地にすることも一案ではないでしょうか。
 このようなカジノを含まない山下ふ頭の再整備についてどのような検討をこれまで行ってきたのか、市長に伺います。
 ギャンブル依存症対策に係る市の支出額の見積もりはしていないと担当局に伺いました。市民が最も不安に感じている部分について市の計画がない、何をするかも決まっていない、そのような段階でカジノ誘致を決めてはなりません。
 ギャンブル依存症対策、マネーロンダリングなど、カジノに附帯する負の側面について行う市の対策のための支出が幾らになるのか、市はどのような事業を行うのか、市はみずから行うべきことについてきちんと把握できているのか、市長に伺います。
 カジノによって期待できる市の増収額は820億円から1200億円。この積算根拠はあるのでしょうか。カジノ収入は幾らで、ホテル収入は幾らで、給付金収入、入場料収入、法人市民税、固定資産税、都市計画税は幾らと、IR事業者からきちんと情報提供はあったのでしょうか。市の増収効果額の積算根拠を把握した上でカジノ誘致を決断したのか、市長に伺います。
 増収効果の下限820億円とは、横浜の平成31年度決算速報値法人市民税総額620億円をはるかに上回る規模です。横浜全体の経済が総がかりで稼いで支払う税額をIR事業者は単独で稼いで市に支払うことになります。まさに横浜はカジノ城下町となり、カジノなしでは生きていけなくなります。カジノに失敗されては困ることになる。ギャンブルに興じる人がふえてカジノがもうかるほど市にとってはよいという社会になります。本当にそれでいいのでしょうか。悪いとわかりつつも、暮らしのために仕方がないのだという苦渋の決断ではなく、林市長は記者会見でカジノには夢があるとおっしゃいました。市長、カジノは賭博です。夢などありません。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)カジノという賭博で得るお金で人生を支えようとする考え方が本当に林市長の人生観や人間観にかなうものなのか、そして、巨額の収入を得るための本格的なカジノが本当に取り入れるべき西洋文化とお考えなのか、伺います。
 2009年8月30日投開票の横浜市長選に民主党推薦で林市長が初当選された選挙で、私も民主党市議としてともに選挙戦を戦わせていただきました。横浜駅西口で一生懸命手を振って元気よく聴衆に握手を求めておられた姿を今でもよく覚えております。市民に寄り添うおもてなしの市政を訴え、当選された後も非常に謙虚に議会と接し、行政職員も雪解けするかのように気持ちがほぐれていくように見えました。人徳ある市長が生まれてよかったと思っておりました。だから私は今でも信じております。林市長は市民に寄り添う政治家であり、市民を無視した決定はしないはずだと。今回のカジノ誘致の決断は、林市長、本当にあなた御自身が決めたことなのでしょうか。それとも、早く決めなさいと誰かに促された決断なのでしょうか。(「その可能性はある」と呼ぶ者あり)誰かに言われたのなら、それはどなたですか。正直にお答えください。(「いいぞ」と呼ぶ者あり)
 最後に、市長は世界最高水準のギャンブル依存症対策を国が用意しているから大丈夫だとおっしゃいますが、ギャンブル継続時間やかけ金額の上限もないギャンブル依存症対策が本当に最高水準のものか、甚だ疑問であります。そして、国がやるから大丈夫だという他人任せの姿勢では、林市長、その判断は余りに危ういと言わざるを得ません。(「そうだ」と呼ぶ者あり)パーフェクトな人も政治もありません。大切なことは、確かな検証を自分自身で行うことではないでしょうか。思考停止に陥ってはなりません。報告書のデータやカジノ事業者の言い値をそのままうのみにして、市としての確かな検証のない事業決定をし、エビデンスにならないようなでたらめなグラフを示して市民に説明するのはずさんきわまりない市政運営だと断ぜざるを得ません。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
 過ちて改めざる、これを過ちという。過ちに気づきながらも改めようとしない。これを本当の過ちと言います。今からでも遅くありません。考え直してください。林市長なら絶対にできます。カジノに反対する市民の声を聞いてください。カジノ誘致は撤回して再び白紙に戻していただきたい。横浜は、1859年の開港以来160年間、西洋と日本の玄関口として名誉ある地位を与えられました。先人たちはその名誉を守るため、戦争や大震災などさまざまな苦難を乗り越えてきました。その横浜の先人たちに感謝し、倣い、報いるためにも、賭博を土台に財政を支える横浜にするわけにはいかないのです。横浜にカジノは要りません。私たち立憲・国民フォーラム横浜市会議員団は、市民の切実な思いに立ち、横浜の厳粛な歴史を思い、横浜の栄誉ある未来を子々孫々残すために、最後の最後までカジノ誘致撤回に向け全力で邁進をいたします。市長の見解と、カジノ誘致撤回の言葉を求めまして、立憲・国民フォーラム横浜市会議員団を代表しての私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手、「男だ」と呼ぶ者あり、その他私語する者あり)

○議長(横山正人君)
 林市長。
     〔市長 林文子君登壇〕
     〔「うそがばれちゃったんだぞ」「市長、冷静にいきましょう」と呼ぶ者あり〕

◎市長(林文子君)
 荻原議員の御質問にお答え申し上げます。
 リビングウェイジ制度の創設について御質問いただきました。
 本市における最低賃金制度の導入についてですが、最低賃金を定めている多くの国では国内一律の金額ですが、日本では、有識者、労働者、経営者から成る審議会の答申を受けて、地域の実情に合わせて国が都道府県ごとに決定しております。また、神奈川県の最低賃金はこの10年間で約25%上昇しており、今後もさらに賃金の上昇を目指していることから、国の制度は適切であると考えています。
 リビングウェイジ制度の導入でございますが、答弁申し上げましたとおり、国の最低賃金制度が地方の実情に応じて適切に設定されていますので、国の制度を尊重させていただきます。
 福祉人材の確保について御質問いただきました。
 福祉人材の将来の見通しと確保策についてですが、福祉分野の有効求人倍率は、全産業平均と比較して高い状況にあります。また、市内の事業者からのヒアリング結果からも、障害者、高齢者、児童、いずれの分野においても人材の確保は厳しい状況が続くものと認識をしています。引き続き市民の皆様が安心して福祉サービスを利用できるように、事業者とともに人材確保に努めてまいります。
 若い世代が末永く働いていけるための取り組みですが、障害、介護、保育など分野により違いはありますが、処遇改善で給与の底上げを行っているほか、キャリアアップのための資格取得を支援しています。また、保育士や介護職員に対し住まいの借り上げ助成も行っております。
 福祉現場の3年勤続者などに感謝する取り組みですが、県と市の表彰制度は長年にわたって勤続された方を対象としていますが、現場は、勤続年数にかかわらず頑張っている多くの職員でされておりまして、本当に議員のおっしゃるとおりでございます。私としては、現場の第一線で苦労しながら働かれている皆様には大変感謝しておりますので、働いている方々が誇りを持って働き続けられるよう応援する取り組みを検討してまいります。
 障害者スポーツの推進について御質問いただきました。
 今後の取り組みについてですが、横浜ラポールでは、職員が各区のスポーツセンターに出向いてスポーツ教室を開催するなど、障害者スポーツの推進に取り組んでいます。来年1月にラポール上大岡が開所しますので、地域を分担し拡充していきます。横浜市体育協会と連携し、障害者スポーツ指導員の育成をさらに進めます。これらによりまして、身近な地域で気軽にスポーツを行える環境づくりに取り組みます。
 中学校給食について御質問いただきました。
 選択制という表現を変えた理由ですが、社会情勢や生活スタイルが変化する中、栄養バランスのとれたハマ弁を選んでいただきたいと考えました。そこで、他都市の給食並みに価格を引き下げ、ハマ弁をより利用しやすくすることで、御家庭のライフスタイルに合った昼食を選べる選択制が実現できると考えまして、現在の選択制という表現で考え方を整理してまいりました。
 給食を基本とした選択制の導入ですが、本市では、小学校のような自校方式や親子方式、センター方式については、コストやスペースの問題で実施は困難と考えます。他都市では、ハマ弁のような仕組みを学校給食法上の給食としていますが、仮にハマ弁を給食と位置づける場合には、供給体制などさまざまな課題がありますので、中長期的な課題と考えております。
 ハマ弁を継続しない判断についてですが、本市の中学校昼食についてはさまざまな意見がある中で議論を重ねた結果として、コストやスペースの問題で自校調理などによる給食実施は難しいと考えてハマ弁を導入しております。今年度は8月の喫食率が全体で5.6%、中には40%近い学校もあるなど利用が進んでいます。今後、選択制の充実に向けて検討を行い、年度内をめどに令和3年度以降の方向性を決定してまいります。
 IRについて御質問いただきました。
 算出方法が違う観光客に関するデータをもとにしているという御意見でございます。国が実施している全国調査は、無作為抽出した国民を対象にアンケート調査したものでございます。一方、横浜市の調査は、議員もいろいろおっしゃっていただきましたけれども、主要な観光地でのアンケート調査によるものでございます。本市と国の調査方法は異なっておりますが、目的や調査項目が類似しておりまして、いずれも信頼性があると考えておりますが、議員の非常に細かい御意見を大変拝聴させていただきましたので、これからもう少し調査を深くやっていきたいと思います。
 宿泊客と観光消費額が少ない原因の総括です。横浜を訪れる観光客は近年増加傾向にございますが、交通の利便性などにより日帰り客の割合が高く、観光消費単価の高い宿泊客が少ない状況となっております。先ほど議員のデータはもっと前後のこととかも、お土産とか周りのことも考慮していないのではないかというお話がございますから、その辺はまた精査してまいりますが、実際は、私はこの10年間市政をお任せいただきまして、文化、観光の促進をすごく強くやってまいりました。その中で、話が飛び飛びになったらごめんなさい。やはり宿泊客が少ない原因、観光消費額が低いというのは、宿泊客が少ないのももちろんそうです、ホテルの数もございます。やはり魅力的なコンテンツ、決定的なコンテンツが私は欠けると思います。
 ですから、議員が先ほどからもっとやることはあるのではないかと、IRの前に幾つでもあるのではないかと。それができていないのではないかというお話も、全くもってその御意見はそうであろうかと思いますけれども、私は10年ちょうどやらせていただきまして、特に観光促進には本当に力を入れてきましたけれども、やはりリピートするに足りるような決定的なコンテンツが私は少ないと思います。恒常的にあるものは少ない。例えば、今私たちは何としても横浜にお客さん、特に若い人に来てほしいということで、例えば海外の方にも喜ばれるポケモンのシリーズをやっています。
 スポットの例えば横浜芸術アクション事業と名づけて、いよいよ横浜音祭り2019が始まりますけれども、今回は3回目でございますが、チケットがほとんどソールドアウトしたのです。最初はそのようなことはございませんでした。でも、オープニングもクロージングも全然売り切れてしまっている。たしか葉加瀬太郎とMayJ.は追加公演--ごめんなさい、追加公演をやったのは映画音楽かな、「踊る大捜査線」の監督をやった方がディレクターをやって、あとももいろクローバーZをたしかお呼びしてあります。AKBとかああいう人たちは若い方が寄ってこられるのですけれども、そういうものを新しく取り入れて、音祭りを全18区も含めてまちに広がると、これは本当に認知されてきました。
 ダンスもそうです。最初はもう本当に難しかったのですけれども、これは何でこのようなことをやったのかというと、これを目指して市の外からも人に来ていただきたいという思いがあってやらせていただいたので、それは決定的なコンテンツ、例えばディズニーランドが新しいプログラムを何年か一度に物すごい投資をしてつくっていくわけですけれども、そういうことがやはり横浜市の状況においては今は難しい。やはり投資をしていく方がいなければ困るわけで、だからKアリーナだとか、ピアの1万席のアリーナとか、私が就任当時はほとんどそういうお声はございませんでした。経済同友会におりましたので、いろいろ東京の経営者の方にも何とか投資をしていただきたい。(「全然質問に答えていない」と呼ぶ者あり)長くて済みませんね。
 例えばMICEを--議員、少し答弁がずれていますか、大丈夫ですか。MICEを例えば横浜市はやっていますよ。ところが残念ながら、そのコーディネートをしている事業者はほとんど東京なのです。だから、お金が落ちないのです。(「関係ない話」と呼ぶ者あり)ごめんなさい、トータルしてお話をさせてください。るる申し上げますけれども、結局、私は本当に残念なのです。ああいう事業者はほとんど東京なのです。だから、要するに国際会議をやります。物すごい誘致をしているのに、それをコーディネートする事業者はみんな東京なのです。そのお金が一番多いわけではないですか、東京に持っていかれてしまう。そういう歴史を持っているということもあるのです。だからやはり私は、この横浜をいろいろなことをツールにしながら、横浜というのはこういう力もあるし、潜在的な経済力もあるのですということを伝えたいという意味もあります。この辺でとめますけれども。
 観光消費額が少ない原因というのは、この間も京都市長とお話を電話でさせていただいたのですが、京都も実は80%なのだそうです。宿泊客がいない。ホテルもないしね。実際は、今の中華街も近いことを経営者にお伺いしますけれども、中で御飯を食べてくれるというより外で食べてしまう。それもやはり問題かもしれません。そういうことをトータルして、何しろお客さんを入れることが全てシャワー効果になってくると思います。だから、議員の御批判というか、それは私はきちんと受けとめておりますけれども、そういうことも含めて今いろいろと申し上げております。
 済みません、本質的な御質問はデータが違うということは、今後ろとも話しましたけれども、これはもう一回取り組まさせていただきます。
 それから、カジノを含まない山下ふ頭の再整備です。これは当然ながら検討を行ってまいりました。それは事業者の方のプレゼンテーションまではいかないのですけれども、どのような。要は意欲があるかないかということが一番大事です。だから、意欲がなければ話になりません。だから、一体意欲があるのかどうかということを御提案したら、事業者が、いや意欲がありますと12の御提案があって、それぞれこのような感じとおっしゃったわけです。その方たちが山人ふ頭を御指定になったということ、それから、当然ながら私も海外に経営者のころから行きまして、コンベンション施設とかいろいろなところを見てまいりましたけれども、ほとんど単独では成り立たないです。国か市がどんとお金を出さないと難しいのです。
 今、パシフィコ横浜ノースもつくりましたけれども、これも全く市も何も手を入れなかったらこれは単独で成り立ちません。それが実態なのです。でもそれは、そこはお金がかかるけれども、それによって横浜市にとっていろいろなお客さんが来て、そしていろいろお金も使っていただけるし、本当に存在感として、議員が望まれているまさにブランディングです。そういうことに寄与しているから、そこだけ単独で見ても仕方がないというふうに思っております。そのようなことで、ごめんなさい、少しそれてしまったかもしれません。山下ふ頭の再整備、要するにウオーターフロントの開発についてはやはり検討もしてきました。しかし、なかなか単独で投資してくださるところが残念ながらいないです。物すごくお金がかかります。
 それからあと、IR設置に伴うマイナス面の対策費の金額と市みずからが行うべき事業の把握につきましては、繰り返し申し上げておりますけれども、そろそろもう恐らく手挙げ方式です。各都市が手挙げ方式になってまいりますから、これからカジノ管理委員会もできてくる中で、今のタイミングでやはり手を挙げていかなければ対象にもならないわけでございます。そういうことで私どもとしては、今まで検証、研究もしておりますけれども、これから特に市民の方に対して私どものPR不足だし、白紙撤回だと、裏切ったと言っていらっしゃる方が大変多いということをお伺いしておりますので、その方たちに私自身が丁寧に御説明をしていきたいし、また、御賛同していただいている方も私は多く接しております。この仕事をしていると必ず両極なのです。そういうことを申し上げたいと思います。
 それから、増収効果額の積算根拠、今後の判断でございますが、議員から見て至らないところがたくさんあるのかもしれません。これに対しては、繰り返しこの場で答弁もさせていただいていますけれども、ぜひここはきちんともう一回やって御提示申し上げたいと思います。
 それから、判断は市長自身のものかという、これは非常に大事なところだと思います。これは私自身のものでございます。誰かに強制されるという、そのようなことはございません。(「余計だめじゃないか」と呼ぶ者あり)私は選挙で選ばれたということなのです。(「何もわからないで言っているじゃないか」と呼ぶ者あり)それはもちろん、先生たちがおっしゃっている白紙だとかと言って……(「ごまかしているんだよ」と呼ぶ者あり)ごまかしたのではないかという御指摘も受けておりますけれども、それは私がそのようにとられたのは不明かもしれませんけれども、私はこのちょうど8月30日で10年たちましたけれども、私自身はこの横浜市が実に魅力的なところで大変もったいない、すごく要するに財産とかいろいろなもの、伝統の文化もそうですが、これをしっかりとやっていきたいという上での判断でございますから、これは私が責任を持って決定させていただいたことでございます。
 それから、過ちて改めざる、これを過ちと、今からでもカジノ誘致を撤回してほしいという御意見でございますが、これは荻原議員はいろいろな御心配、それから横浜愛、さまざまなことで……

○議長(横山正人君)
 傍聴人の方に申し上げます。入室の際に御同意いただいたとおり、会議の妨げになりますので御静粛に願います。
 市長、どうぞ。(「市民の命がかかっているんだから文句も言いたいよ」と呼ぶ者あり)

◎市長(林文子君)
 荻原議員はそういうお考えだと思いますし、党の代表でも御説明いただいたと思います。それはそれで私は、議員のお考え方とか党のお考えを受けとめております。否定するものではございません。ただ、私どもとして、横浜市の代表者として判断したのは、これは過ちでないという考えでございますから、これからもいろいろな委員会で議論する場がございますので、しっかり議論させていただきたいと思います。
 以上、御答弁申し上げました。