横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

HOME / 市政報告/議事録 / 発言全文

令和2年 大都市行財政制度特別委員会

△調査・研究テーマ
「社会経済情勢の変化に対応する特別自治市のあり方」について

◆荻原副委員長
 19ページの下から4行目と5行目ですが、区長に関して具体的にどのような権限を与えるべきか、そして議会による行政区の組織運営、予算執行のチェックをどのように考えるか、この2つがすごく内容的に凝縮されていて、今一番考えなければいけないことと受け止めていますが、議会による行政区の組織運営や予算執行のチェックをどのように考えるかという点について、18ページのアにも、区における意思決定機能の拡充が不可欠と書かれていまして、今区には議決機関がないわけです。そういう意味で区の意思決定がどこで形成されるのか分からない状況にあると思います。組織運営、予算執行のチェックはどこで具体化されるのかという点について、議論の進め方が非常に重要と受け止めたのですが、今後これを形にするに当たってどのように進めていくかという点については、どんなお考えをお持ちでしょうか。

◎橘田政策局担当理事兼大都市制度・広域行政室長
 今御指摘いただいた部分は、横浜市の附属機関の答申あるいは中間報告で議論いただいた内容です。横浜市におきましては区の機能強化を先駆的に進めてきておりますし、平成6年には区づくり推進市会議員会議ができて、区において区選出の市会議員の皆様方が予算についても見ていただく仕組みができています。政令市の中でこのような仕組みを持っているところはございませんので、非常に先駆的に進めてきたという部分が1点あるかと思います。
 研究会の附属機関の委員の先生方の議論の中でも、横浜がこのように先進的に進めてきた仕組みを生かしながら、区に対する意思決定機能の強化、民主的チェックをどのような仕組みにしていくか、しっかり考えていく必要があると、これまで進めてきたことを検証しながら、議論をもう一段進化させていくことが必要という提言をいただいたところでございます。したがって、こういった提言を受けまして、本市としてそれをどうするかは、まさに今日このような形で委員の皆様方の議論もいただいておりますので、市会の皆様方としっかりと議論させていただきながら、横浜市としての次のステップ、考え方を検討し、示していくことが必要ではないかと考えております。

◆荻原副委員長
 今後のスケジュール感といいますか、この特別委員会が今後も続いていく中で、どのようにチェック機能について議論が進んでいくのか、もうちょっとお伺いしたい。
 区づくり推進会議は、確かに大変活発に意見交換ができる場として有効な一面、正式に議決機関として位置づけられていないという課題があろうかと思います。それをどのように乗り越えていけるかという点については、何か見解があればお伺いします。

◎橘田政策局担当理事兼大都市制度・広域行政室長
 附属機関の中では、継続的にこの部分について検討していただいております。ただ、それは学識者による検討ですので、どこまで横浜の実態、委員の皆様方のこれまでの議論の実態と合うかどうかは、まだはっきりしませんけれども、学識の中では引き続き検討して、年内には特別自治市という制度設計の中での答申をいただくというスケジュールでございます。

◆荻原副委員長
 答申をいただくとして、我々が主張していく制度の中に、具体的に各行政区の運営についての民主的チェック機能をどのように盛り込んでいくのかという点において、現時点で見解があればお伺いをしているのです。

◎伊地知政策局長
 分けて考えなければいけないことはあるかと思っていまして、1つは、特別自治市に向けて、どのように総合区を含めて区役所の機能強化に取り組んでいくのかということと、現行の区予算のチェック機能をどう高めていくのか、両方大事なことですけれども、少し分けて考えなければいけないと思っています。我々は今進めているのは、特別自治市に向けて議論を進め、その中での区役所の在り方をどうしていくのか。区役所を機能強化する際に、そのチェック機能をどうすべきなのかということなので、特別自治市を見据えたスケジュールの中で考えなければいけないことかと思っています。一方で、今の区づくり推進市会議員会議の在り方としてどうかという話は、もう一つ別な路線としてしっかりと考えていかなければいけないと思っています。

◆荻原副委員長
 私は言葉が下手で伝わらずに大変申し訳ないと思いますけれども、私としては両方言いたかったのです。特別自治市を我々が国に主張していく際に、ここで提言されている各行政区における民主的チェック機能をどこまで構築できる状況にあるのかということ、もう一つ、同時に区づくり推進会議の今の課題をきちんと捉えた上での特別自治市への盛り込みであるべきだろうと思っていまして、今の区づくり推進会議のいいところももちろんある。それにさらに民主的チェックというハイレベルな民主的機能をそこに持たせるためには、どういうことが必要になってくるのかという点について、今整理すべきこと、課題と捉えていることがあったら教えていただきたい。

◎伊地知政策局長
 申し訳ございませんでした。幾つかテーマがあるかと思っていますが、予算をチェックするといった際に、全体の市の予算の議決という話と、区の中での予算を議決ということが予算全体としての首長の予算提案権というものもありますので、そういう中で課題もあろうかと思います。それから民主的なチェックといいますか、ある意味どういう権限を区役所に下ろしていくのか、どういう執行権を下ろしていくのかによって、その辺の在り方も変わると思いますし、今の区づくり推進市会議員会議の中で、区が自由にできる部分についてチェックをいただいていると思いますので、そのあたりの話なのか、今特別自治市のほうはどちらかというと区の裁量をどうするかということも一方であります。
 一方では局がやっている事務をどうやって区のほうに下ろしていくのか、それによって住民の皆さんのサービスをどう向上させていくのか。そのときに今でいえば生活保護のお金の決算は市の全体の中で決算の一部として認定いただいたり、予算の中で議論していただいている部分がありますから、予算としての統一性の部分と区独自の予算の部分が我々の中でもしっかりと分けて考えていかなければいけないと思っています。今どちらかというと、県から市に下りてきた権限を選んで区役所に下ろすことによって、区の住民のサービスをいかに上げていくのかという議論をしていますので、そこにおけるチェックの範囲が、市の予算の執行と区の予算の執行の関係もあるので、もう少し整理をしないといけないと今荻原委員の御質問を伺いながら感じたところでございます。

◆荻原副委員長
 方向として、区長の権限を強化していくということがしっかりある中では、それに対する民主的なチェック機能もセットで、まさに両輪で二元代表をきちんと区レベルでも実現するためには、しっかりバランスを取って構築する必要があると思ったので、確認させていただきました。
 そして、18ページのアの2つ目の丸の区長の位置づけは、公選ではなく議会の同意を得て市長が選任する特別職とすることが望ましいと答申にありますが、これはどういった理由から望ましいと提言されたか教えてください。

◎橘田政策局担当理事兼大都市制度・広域行政室長
 横浜市全体の大都市としての経営を一体的に行う観点は、横浜という都市を一つにして、それを分けるのではなくて、一つの都市として成長させて大都市経営をやっていくという観点からすると、公選の区長となると、区長間での対立とか様々な問題も起こることもあって、大都市経営全体をそれぞれの区長が同じ向きを向いていればいいですが、向かなかったときに当然政治的な対立等も起こるだろうという観点から、大都市経営の横浜のスケールメリット、一体性というものを第一に考えたときに、区長の位置づけは公選ではないほうがいいだろう。ただ、一方で特別自治市という形で県からの権限も移譲されますし、予算も拡充する中で、区の中の経営をどうするかといったときに、議会の同意を得る形の特別職にする必要があるのではないか、そういう議論の中でこのような答申になっているという理解でございます。

◆荻原副委員長
 それぞれの区で公選制になったときに、今おっしゃられたことが起こる可能性もあると思うのですが、団体自治の観点からいくと統一感がある行政の執行という部分では、おっしゃる状況だろうと思うのです。一方で住民自治の強化ということも特別自治市のスキームにはあって、住民自治の強化という意味においては公選するということも一つの手法になってくると思います。この点について、どういう整理が大都市自治研究会で行われたか、もしあれば教えてください。

◎橘田政策局担当理事兼大都市制度・広域行政室長
 ここの中で住民代表機能を持つ区の必要性のところで、区行政を民主的にチェックする仕組みということがセットで整理をされています。区の枠組みが市会議員の方々の選挙区になっていますので、そこの区の中で公選で市会議員の皆様が選ばれていることは民主的な正当性がある。区長も当然公選になった場合は選挙で選ばれますけれども、大都市経営の一体性という観点と、荻原副委員長から御指摘のあった団体自治の拡充と住民自治の拡充を両立させるという意味で、住民自治の拡充の部分として、公選で選ばれた市会議員の皆様方のチェックシステムをつくっていくことで対応できるではないか。そのためにも区長を特別職にすると、よりそこを明確にできるだろうという議論の中で、この答申が出されたと考えています。

◆荻原副委員長
 割と整理されたお言葉だったと思います。ただ、そういうことになりますと、より民主的なチェックの機能の在り方が非常に重要になってくるだろう。住民自治の強化をしっかり形にしていく意味で、ぜひその取組を今後より力強く進めていただきたいと思います。
 最後に、21ページ、県の必ずしもダブっている二重行政が課題、それだけではなく、むしろ分かれているからこそ生じるボトルネックになってしまう部分もあると思うのです。最近、私が体験したことは、道路の交差点とか事故が多いので、安全性を高めていくという作業をするに当たって、歩道を拡幅するとかポールを立てるとか白線を引くとか、道路にカラーリングをする。これは横浜市がどんどんできるけれども、信号機の間隔を変えるとか、交通規制を道路の工事と同時に変えたい、より迅速に安全性を確保したいけれども、県の予算が下りないということで標識が作られず、なかなか交通規制も変更できない。仕事が分かれているがゆえに、ばらばらに行われて、一体性を持って対策が打てないということがあったり、重なっているものと同時に、分かれているがゆえに課題になっている部分もあると思うのです。ぜひそこにスポットライトを当てていただきたいというのが1つありまして、例えば県警全部が横浜市警にならないにしても、県警の所掌事務を一部横浜市に移管する、移譲するということは可能ですか。

◎橘田政策局担当理事兼大都市制度・広域行政室長
 今お話がありました交通関連の事務、信号機の設置であるとか道路標識・標示等の設置は、現在は少なくとも警察事務の1つとして業務が法的に位置づけられていますので、そこを分割していくのは、今の法体系を前提とすると、想定はされていないのではないかと考えています。

◆荻原副委員長
 そうすると警察に関しては、なかなか難しい議論になっていくだろうと思いますが、ぜひ二重行政の議論をするときには、県と市がそれぞれで作業が分かれているがゆえに、崖もそうですが、進められないことがあると、しっかり市民の皆さんに御理解いただくような取組をしていただきたいと要望いたします。

△指定都市の「令和3年度大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望(通称:青本)」について

◆荻原副委員長
 12ページですが、大変長い間、国に求め続けてきていると思います。今お伺いしたところ、税制上の措置不足額、横浜は372億円あるということで非常に大切な部分と私も受け止めています。国から形を代えて372億円が充てられてきているということがあるにしても、自分たちでしっかり毎年金額を計算して予算編成していくというのは大変大事なことだと思います。大都市特例事務として11ページの一番下に書かれてある事業は、どれも極めて市民にとって大切な事業ばかりで、1つでも多く財源の移譲の獲得をより早くしていくべきだと思います。
 そこで、金額でどかっと国に求めていくこともありつつ、ここで措置不足が生じることによって、具体的に児童福祉の分野において、横浜はこういう対策を打つに当たって支障が生じているとか、それぞれの個別事業で説得していくことも必要ではないかと感じております。特に個別法に基づく衛生研究所の部分においては、新型コロナウイルス対策において、実際に私たちが本当に国からお金が来るのだろうかと思い悩みながら今動かれていることもあるのではないかと思うのです。そういう意味で具体的にこの事業について、今年度はという困ったことがあると示しながら、青本を国にしっかりと見てもらう取組が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

◎横山財政局長
 おっしゃることは、そのとおりでございまして、これにつきましては、指定都市の共通要望になりますが、先ほど来議論のあった特別自治市に通呈するものがあると思います。横浜市が権限と財源をしっかり持つことによって、迅速で効果的なサービスが提供できて、それが市民の幸せにつながっておりますので、荻原副委員長の御指摘も含めて、今後ともしっかり要望していきたいと思います。
 なお、喫緊のコロナでどんな不具合が起きて、どうしてほしいかということについては、別途指定都市での要請とか問題提案をしています。いろいろなチャンネルを使いながら、やっていきたいと考えております。

○酒井委員長
 他に発言もないようですので、本件については、この程度にとどめます。