横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

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令和2年 令和元年度決算第二特別委員会

△文化観光局関係

○源波副委員長
 質問の通告がありますので、これより順次質問を許します。
 まず、荻原隆宏委員の質問を許します。(拍手)

◆荻原委員
 立憲・国民フォーラム横浜市会議員団の荻原隆宏と申します。本市文化観光に関する各施策につきまして、順次質問をさせていただきます。
 委員長、スライドの許可をお願いいたします。

○源波副委員長
 はい、どうぞ。

◆荻原委員
 ありがとうございます。まず、クリエイティブインクルージョンについてお伺いをいたします。
 文化観光局は共有理念としてクリエイティブインクルージョン、社会包摂の推進を掲げているとのことを伺っております。社会包摂とは、あらゆる人々が分け隔てなく人間としての幸せを追求できる社会を構築することだと思います。スポーツの分野でパラアスリートのレジェンドであるハインツ・フライさん。障害のない人はスポーツをしたほうがよいが、障害のある人はスポーツをしなければならない。大変有名な言葉がございます。文化についても同じことが言えるのではないかと私は思っております。スポーツをすることで日常生活動作を維持、獲得することができるのと同じように、文化に触れる、文化活動を行うことで、心理的な恩恵、身体感覚の向上につながっていくことは、障害ある方々にとってはかけがえのない機会につながっていくのだと思います。
 また、この機会につきましては、機会の平等ということが言われますけれども、機会が平等というだけでは社会包摂が実現できない場合もございます。例えば、背の高い大人と小さな子供が同じ高さのフェンス越しに野球を見るというときに、フェンスの高さが子供の目線より高い場合、野球観戦をするという機会は平等であると言えますけれども、また、フェンスの高さは平等であると言えますけれども、小さい子供はフェンス越しに野球を見ることはできず、平等ということだけでは実現できない、何かあるべきことが欠けているということがここにはあると思います。フェンスの高さと見る機会は平等でありますが、小さい子供が野球を見ることができない現実をそのままにすることは、まさに社会包摂とは言えないわけでございます。ここで必要となる概念が公平性でございます。小さい子供には足台に乗ってもらうことで目線を高くして野球観戦できる状況をつくり出すことが公平性の実現であり、これがクリエイティブインクルージョンの意味であり、人間の分け隔てない幸せの追求の実現とはこの足台を用意することなのだと私は思っております。
 文化観光局において、クリエイティブインクルージョンの実現に当たってはこの公平性の用意ということが大切になってくるのだろうと思います。障害のある方々は施設で暮らす、通う、この生活の中で文化芸術に触れる機会が大変少ない状況がございます。市内の文化施設やイベントなどにおいて、あらゆる人々が文化を行う、体験する、鑑賞する喜びを享受できるためにどのような取組を行っているかをお伺いしていきたいと思います。
 (資料を表示)スライドにございますのは、昨年開催された横浜音祭り2019、この写真でございます。ここにおきましても、クリエイティブインクルージョンをコンセプトの一つとして事業を行ったと伺っておりますが、このミュージック・イン・ザ・ダークもその一つだと伺っております。
 そこで、横浜音祭り2019においてクリエイティブインクルージョンの取組をどのように行ったのかについて文化プログラム推進部長に伺います。

◎松元文化プログラム推進部長
 ただいま委員から御発言をいただきましたミュージック・イン・ザ・ダークのほかに、和太鼓奏者の林英哲氏による特別支援学校でのワークショップ、東京藝術大学と連携した発達障害のある子供を対象といたしましたワークショップを行いました。また、神奈川フィルハーモニーによる特別支援学校等への訪問コンサートや分身ロボットOriHimeを活用した障害のある方を対象としましたオンライン鑑賞などを実施いたしました。

◆荻原委員
 ありがとうございます。芸術フェスティバルは音楽、アート、ダンスと3年に一度の開催でございますが、障害のある方々には文化に触れるより多くのチャンスがあるべきだと思っております。3年に一度と言わずに継続的に毎年音楽、アート、踊りなどの文化活動に参画できる機会をつくることが大切だと思いますが、音楽、踊り、アートの活動を毎年障害がある方が楽しむことができるよう機会を提供していただきたいと思いますが、お考えを局長に伺います。

◎神部文化観光局長
 各ジャンルのフェスティバルにつきましては3年に一度の開催となっておりますけれども、非開催年におきましても市民の皆さんに御参加いただける音楽、ダンスなどのイベントの開催や支援を行っておりまして、障害のある方にも毎年御参加をいただいております。今後も引き続き御参加いただける機会を御提供するとともに、文化芸術活動の場を求めていらっしゃる障害のある方にしっかりと情報が届くように発信に努めてまいります。

◆荻原委員
 ありがとうございます。今年はクリエイティブインクルージョンのリーディングプロジェクトとして2014年から始まったヨコハマ・パラトリエンナーレが3回目を迎えるということを伺っております。まず、このパラトリエンナーレの開催目的について局長に伺います。

◎神部文化観光局長
 障害のある方とプロのアーティストが協働いたしまして芸術活動に取り組むことで障害のある方の能力や可能性を発掘し、社会活動に参加する機会をつくること、また、障害の有無にかかわらず市民の皆様が共に創作することや、展示、発表を通じて取組を知っていただく機会を増やしていくことであらゆる立場の人がお互いを理解し、尊重できる寛容性のある社会の実現、これを目指しております。

◆荻原委員
 クリエイティブインクルージョンの実現に向けて意欲的な取組が期待される事業であると思っております。具体的にどのようなことが行われているのか、頂きましたパンフレットの写真の一部、こちらになります。まず最初に映りましたソーシャルサーカスという取組、それから網々をつなげていく取組などこういった御報告がございますが、具体的にどのような内容であったのかを知りたいところであります。
 そこで、これまでのパラトリエンナーレでどういった障害をお持ちの方が、どのような形で参加されたのか、文化芸術創造都市推進部長に伺います。

◎権藤文化芸術創造都市推進部長
 先ほどのスライドでもお映しいただきました2017年のパラトリエンナーレで開催しましたソーシャルサーカス、サーカスパフォーマンスにおきましては視覚障害、聴覚障害をはじめ様々な障害のある方がアーティストと一緒になってパフォーマンスを披露していただきました。また、重度身体障害の方が部分的に動かせる指のみを使ったペインティングですとか、全盲の琴の演奏家とジュエリー作家による楽器制作と演奏パフォーマンスなど様々なアート作品づくりにも御参加いただいております。

◆荻原委員
 ありがとうございます。2014年、2017年とこのような事業に取り組む中で様々な課題も見えてきたのではないかと思います。よりよい社会包摂の実現のためには課題の気づきと解決が不可欠だと思いますが、そこで、ヨコハマ・パラトリエンナーレにおける見えてきた課題についてどのような事柄があるか、局長に伺います。

◎神部文化観光局長
 障害のある方の参加機会を拡大していくために、例えば活動場所までのアクセスを御支援したり、あるいはお一人お一人の障害の状況に応じて活動内容をアレンジしたりするなど、創作活動を支援する人材の育成が課題でございました。そうした人材育成に2014年から継続的に取り組んできておりまして、その結果、障害のある方の御参加は2014年には103人でございましたが、2017年には2122人と約20倍に増えてございます。

◆荻原委員
 様々な工夫と御努力に感謝を申し上げるところでございます。今年は新型コロナウイルスの感染拡大と、こういう事態が生じておりますが、全国的、世界的にもあらゆる人々が文化芸術活動に関わることについて制限のある状況に置かれております。しかしながら、少しずつでも文化芸術を身近に感じることを維持獲得することは大変大切なことであると思っております。本年のパラトリエンナーレにおいても感染防止に向けた取組を万全に行いつつ、文化芸術の貴重な機会を確保する取組を継続することは大変重要であると思います。
 そこで、コロナ禍におけるヨコハマ・パラトリエンナーレ2020の開催内容について文化芸術創造都市推進部長に伺います。

◎権藤文化芸術創造都市推進部長
 委員に御指摘いただきましたように、新型コロナウイルス感染症対策に今回万全を尽くしつつ、多くの皆様に御参加いただけますよう、今回はリアルな開催とオンラインによる参加を融合した新しい内容で開催を予定してございます。具体的には市役所1階のアトリウム等をリアル会場といたしまして、展覧会や映像作品の上映、シンポジウムなどを実施するとともに、オンラインでこちらを配信することで直接御来場いただかなくても観覧や参加ができる環境を整えてまいります。

◆荻原委員
 2014年から3年に一度開催されてまいりましたパラトリエンナーレは今回の3回目が集大成であり、フェスティバル形式の事業としては一区切りをつける予定だと伺っております。ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020を集大成とする考え方について局長に伺います。

◎神部文化観光局長
 パラトリエンナーレにつきましては、ディレクターを務められる栗栖ディレクターの思いもございまして、本来であればパラリンピックが開催されるであろうこの2020年を目標といたしまして、3年に一度の特別なフェスティバルとして開催することで発信力を強化したり、参加が広がったり、あるいは支援人材の発掘、育成、こういったことに取り組んできております。今後はそうした活動がより日常的な活動として根づかせていくために、身近な地域で障害の有無にかかわらず共に参加できるワークショップの開催など、あるいは啓発・人材育成などに取り組みまして、インクルーシブな社会の実現を目指していきたいと考えております。

◆荻原委員
 ありがとうございます。ちょうど昨日でございますが、私、別件の支援のために障害者支援施設をお伺いさせていただきましたところ、ミニコンサートが開かれておりまして、私も飛び入りで沖縄の歌を歌う機会をいただきました。施設のロビーで間隔を空けて利用者の皆さんがお座りになられて、こういったボーカルマイクにシールドをつけるという工夫をされておられました。マイクシールドも、これも職員の方のアイディアで、そのように取り入れた工夫だと伺いました。マイクから口までの距離が10センチ以内であれば、そのシールドが全ての飛沫をキャッチするということでもありました。文化芸術は大きなホールで行うものもあれば、小さな空間でギター一本、三線一本で無限の感動を味わうことができるものと、改めてそのとき思いました。私も久しぶりに生の音を聞いて感動いたしました。
 たとえフェスティバル形式での1か所に集まって行う事業としては一区切りだとしても、障害をお持ちの方々がそれぞれの施設で参加できる、鑑賞することができる、そしてまた区民の皆さんが一緒に参加できる、関わることができるような文化芸術に触れる機会を維持していくこと、これは大変大切なことだと思います。工夫してつくり出していくことが大切だろうと思っております。パラトリエンナーレのこれまでの経験を生かしながら、コロナ禍においても障害ある方々が文化活動を楽しめる環境をつくり続けていただきたいと思います。
 オンラインでつながる、施設がつながる、それぞれの地域で施設で1か所にイベント会場を限ることなく、各地で同時に展開できるような工夫を今後ともお願いしたいと思いますが、局長の考えを伺います。

◎神部文化観光局長
 今後は、誰もが安心して参加できる環境を整えますアクセスコーディネーターですとか、あるいは先ほど申し上げた障害のある方と一緒に創作活動を行うアカンパニストなど、これまでの活動で培ってまいりました人材育成の取組、これは継続してまいりたいと考えております。その上で今後は、福祉施設ですとか学校などの身近な場所で、市民の皆様が共に創作する取組が展開されるよう、今委員からの御発言にもありました工夫も取り入れながら、健康福祉局とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。

◆荻原委員
 どうぞよろしくお願いいたします。社会包摂というのはあらゆる社会的ボーダーを取り除いていく作業であると思います。パラトリエンナーレをこれで終わりにするのではなく、毎年の芸術フェスティバルにまさにインクルードしていくということが横浜市として目指すクリエイティブインクルージョンの姿ではないかと思います。
 そこで、これまでの経験を踏まえながら、よりインクルーシブに文化芸術活動の展開をお願いしたいと思いますが、今後の取組について副市長に伺います。

◎林副市長
 国の文化芸術推進基本計画におきましても、文化芸術は人々の相互理解、多様性を受け入れる社会を形成する、人類普遍の社会的財産であるとあります。本市におきましても、誰もがひとしく参加や表現の機会を持てるよう、文化芸術を通じた社会包摂を施策として進めてまいりました。今後も、身近な場での活動を支える人材の育成や新たな技術の活用などにより、インクルーシブな視点をしっかり持って取り組んでまいります。

◆荻原委員
 ありがとうございます。
 次に、市民の文化芸術活動への支援について伺います。
 子供たちから高齢者まで多くの市民が様々な文化芸術活動を楽しむことができるまちづくり、これは市民の憩いと楽しみにつながり、市民生活に幸福感を生み出す大変重要な取組であると思います。文化観光局では文化芸術活動の活性化について、特に昨年は地域の文化芸術活動も対象にして、取組を集中的に行ったと伺いました。
 そこで、2019年度の芸術文化支援事業の地域での取組の実績について文化芸術創造都市推進部長に伺います。

◎権藤文化芸術創造都市推進部長
 市民の皆様に文化芸術を身近に感じていただけるよう、郊外部を会場といたしました企画を御支援するリーディングプロジェクトを実施させていただきました。高齢化が進む団地内の商店街にアート拠点を設ける企画ですとか、住宅地に巨大な野外アート作品を設置して地域間のコミュニケーションを促進する企画など、4つの企画に総額3200万円の補助金を交付いたしまして、地域の文化芸術活動を促進いたしました。

◆荻原委員
 新型コロナウイルスの感染拡大によって状況が大きく変化いたしまして、多くの施設の利用が制限され、文化芸術活動を行う場が失われているかと思います。私も月に1回、2回と合唱の練習に参加をしておりましたのですが、もう長く歌えておりません。合唱に限らずこうした制限は様々なジャンルで起こっていると思われますけれども、コロナ禍における市内での市民の文化芸術活動への影響について文化芸術創造都市推進部長に伺います。

◎権藤文化芸術創造都市推進部長
 今回、コロナが感染拡大いたしました3月から緊急事態宣言が終わる5月までの文化関係施設の利用人数は前年同期比で約96%減となってございます。利用を再開させていただきました6月から8月までの間におきましても、前年同期比で約86%減となっておりまして、感染へのおそれなどから利用がまだまだ伸び悩んでいる状況でございます。

◆荻原委員
 市民にとって文化芸術活動は、コミュニティーのつながり、友人とのつながりを深めて、より充実した人生を送る上で極めて大切なものだと思います。感染防止に万全に取り組みつつ、文化芸術活動を一日でも早く再開したいというのが、多くの市民の皆さんの思いであろうとも思います。  そこで、市民の文化芸術活動の場の確保の取組について局長に伺います。

◎神部文化観光局長
 市民の皆様に安心して施設を御利用いただけるように本市でガイドラインを定めておりまして、消毒やマスク着用などの対策を定めております。施設の収容定員につきましては制限が緩和されましたが、感染への不安を感じる方もたくさんいらっしゃるということで、引き続き、利用者の皆様に寄り添いながら感染防止に関するノウハウを提供するなど、丁寧にサポートしてまいりたいと考えております。

◆荻原委員
 新型コロナウイルスの感染拡大の状況は今後もまだ見通すことができない状況にあります。その中で、新しい生活様式が始まる中で、文化芸術の実践方法にも様々な工夫が始まっていくのだろうと思います。横浜市では文化芸術関係者のプロ向けに映像配信支援プログラムが実施されましたけれども、そういったコロナ禍における文化芸術の取組の方法について、広く市民の皆さんがその手法の恩恵を享受できるよう、地域における市民の文化芸術活動を支えていただきたいと思うところです。
 そこで、多くの制約がある中でも市民の皆さんが安心してアート、音楽、ダンスなどの文化芸術活動を楽しむことができるよう、例えばオンラインによる活動をより広く可能にするなど、新しい生活様式に対応した市民の文化芸術活動への支援の在り方についてどのように取り組むのか、局長に伺います。

◎神部文化観光局長
 コロナ禍の状況で皆様大変工夫をしていただきまして、今御紹介のありましたライブ配信ですとか、公演の収録など、施設におきましても新たな利用方法が広がっておりまして、今後ともそうした活動に必要な施設の環境改善を検討してまいりたいと考えております。また、合唱などを実施する場合の距離の取り方ですとか、換気など施設における科学的知見に基づいた感染拡大防止対策を徹底してまいりたいと考えております。こうした取組によって新しい生活様式においても市民の皆様の文化芸術活動が持続可能なものとなるよう、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

◆荻原委員
 どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 次に、歴史に根差した横浜ブランドの展開についてお伺いをいたします。
 先日、横浜市都市発展記念館に、戦後の横浜で働く女性たちを撮影し続けた女性カメラマン常盤とよ子さんの写真展を見に行きました。このときに、たまたまちょうどこの議会棟のある場所がかつては本町小学校だったということも、私も初めて知りました。関東大震災によって焼失いたしまして、今ある伊勢山皇大神宮の麓の場所に移転をされたということだそうです。昔のありようを知ると今のありようにより深みを覚えることができて、人間社会の営みのあるべき姿に気づいたりもいたします。
 横浜市はこれまで開港場としての歴史を開始して以来、エキゾチックなまち、コスモポリスとしてのまちという異文化の交流地点としての魅力を発信し続けてきたと私は思っております。横浜とは何かと問われるときは、私はやはり、3日住めば浜っ子だと言われるほど、どの地から来られた方々も歓迎をして、共に歩み発展するというまさにインクルーシブシティーと言うべき港町だと私は思っております。
 まずは、文化観光局として横浜のブランドとは一体どのようなものと考えておられるか、局長に伺います。

◎神部文化観光局長
 横浜には開放的で美しい港ですとか、歴史を感じさせるような街の景観、郊外部の自然など、市全域に優れた資源があると考えております。また、市民の皆様のまちへの愛着、あるいは歴史を大切にしながら新しい文化を受け入れる気風、こういったものも横浜の特性だと考えております。こうしたまちの資源や市民の皆様の力によって文化芸術の創造性を発揮するとともに、新たな価値を生み出して国内外へ発信できる都市力、これが横浜の都市ブランドだと考えております。

◆荻原委員
 昨年はラグビーのワールドカップがございました。これを通じて大変多くの海外の皆様に横浜に来ていただけた、大変喜ばしい年であったと思います。横浜を世界に知っていただけるよい機会でもございましたけれども、このラグビーワールドカップを通じまして、横浜のブランド、横浜らしさをどのようにプロモートしたのか、お伺いをいたします。

◎神部文化観光局長
 横浜の海外での認知を高め、さらなる飛躍につなげるために集中的なプロモーションを実施いたしました。具体的には、世界157か国で視聴可能なユーロニュースという番組で6分間のPR番組を放送しております。番組内容でございますが、横浜が日本ラグビー発祥の地であることをアピールするとともに、みなとみらいや三溪園などを取り上げまして、横浜が先進的な都市でありながら歴史を大切にしてきたということを伝えまして約850万人の方の視聴につながっております。

◆荻原委員
 横浜には開港、大震災、そして米軍による接収という大変厳しい局面も含めた歴史があります。先ほどの常盤とよ子さんの写真、ここでは占領期の横浜に生きる女性たちの様々な苦労をそのまま私たちに今も伝えてくださっております。氷川丸がどのような歴史を語るのか、大さん橋、赤レンガ、東横線廃線跡地の直線模様などが語る横浜固有の歴史とは一体何か。こういったことを横浜を訪れていただいた皆さんにぜひ歴史の深みを持って伝えられるような工夫をしていただきたいと私は思っております。歴史を共有することでより公共の善の実現につながっていくことができれば、横浜の存在価値はますます高まっていくものと思います。
 そこで、歴史に立脚したプロモーションを今後とも構築していただきたいと考えますが、局長の見解を伺います。

◎神部文化観光局長
 これまでも来街者の方にあまり知られていないような横浜の歴史的な魅力も積極的に発信してきております。例えば、山下公園が関東大震災の復興のシンボルであったというようなことをNHKの番組で取り上げていただいたり、これはフィルムコミッションを通じてでございます。また、氷川丸ですとか根岸の競馬場、あるいはハンマーヘッドクレーンなどをSNSを通じて紹介などもしております。今後も都会的で新しい横浜と歴史に根差した魅力を発信することで、都市ブランドの向上につなげていきたいと考えております。

◆荻原委員
 ありがとうございます。
 次に、IRの説明資料及び動画に使用されております、観光庁による旅行・観光消費動向調査及び観光入込客統計に関する共通基準、そして、横浜市文化観光局が行っている観光集客実人員の記者発表資料及びその数字の基となっている横浜市の集客実人員調査及び観光動態消費動向調査についてお伺いをしたいと思います。
 行政は市民に正確な情報提供をするべきだという観点で質問をさせていただきます。IR市民説明会資料及び今配信されている説明動画の日帰りと宿泊の観光客の割合に関する説明については、昨年9月6日の一般質問の際に、国と市の調査は調査手法が著しく異なることから比較して示すべきではないと私は指摘をさせていただきまして、そのとき市長からは精査しますという答弁をいただきました。観光消費額につきましては、比較したグラフが説明資料から削除されております。観光庁の旅行・観光消費動向調査による観光消費額については、パック料金や旅行前後の消費額も積算されることから、横浜市内のみの消費額を調査している横浜市の数字と比較するのは適当でないと御確認をいただき、削除されたものと捉えております。しかしながら、日帰りと宿泊の割合についての国と東京都と横浜市の比較については、昨年来、今も修正がなされていないことから、観光動向に関する調査を行っている文化観光局に確認をさせていただきたいと思います。
 スライドを御覧ください。これは、現在市のホームページに公開されているIRの説明のための市長の動画の中で示されている資料でございます。全国、東京都の日帰り客は5割、そして横浜市は8割、このように説明をされております。昨年8月発表のIRの実現に向けて都の資料では、横浜市は9割が日帰りと書かれておりました。市長はこの動画の中でこのデータ資料を示した後に、観光庁の全国調査には市町村別の調査結果がないため、横浜市では以前から独自に調査をしてこのようにお示しをしていますと説明しておられます。しかし、これらは正確な情報とは言えないと私は思います。観光庁の全国調査の中には市町村別の調査結果を伴うものが実はあります。それは、観光入込客統計に関する共通基準による統計でございます。観光庁の旅行・観光消費動向調査には、市町村別の調査結果はありません。しかし、横浜市がベースとしているのは、観光庁のもう一つの全国調査である共通基準による観光入込客統計でございます。全国の都道府県と市町村はこの共通基準に基づき、観光客の日帰りと宿泊の数字を調査しておりまして、横浜市もその一つです。この共通基準に基づき観光入込客数の延べ人数を集約し、毎年の平均宿泊数で除した数字を横浜市は毎年記者発表しており、IR説明資料にはこの数値が使用されています。それがこのIR説明資料のページになるわけでございます。東京都もこの共通基準に基づいて調査を行っております。その数字は後ほど御覧いただきます。
 まず、観光庁の2つの調査について大まかにお話をさせていただきますと、IR説明資料における国と東京都の5割とのデータは観光庁の旅行・観光消費動向調査によるものですが、この調査の特徴としては、国内居住者2万6000人に年4回、同一人物に郵送して、日帰り、宿泊、海外旅行など旅行別の行き先、消費額を調査しています。そして、日帰り旅行の定義、何を日帰り旅行としてカウントするかについては大きな制限が設けられておりまして、80キロメートル以上の距離からの移動、あるいは8時間以上の所要時間、これでなければ日帰り旅行とカウントされないと、このようになっております。しかし、横浜市のカウントにおきましては、日帰り客の定義に何ら制限はございません。まずは局長にお伺いをいたしたいのは、旅行・観光消費動向調査と共通基準による観光入込客統計のそれぞれの数値を比較して日帰りと宿泊の割合を比較することは適切かどうか、伺います。

◎神部文化観光局長
 観光庁が実施しております旅行・観光消費動向調査、今委員からるる御説明ございましたけれども、これと本市の調査につきましては手法が異なりますので、単純に比較をするということはできないと考えております。しかしながら、この観光庁の調査につきましては都道府県単位のデータのみで、市町村別の調査結果がないということもありまして、調査項目が類似している本市独自の調査結果について、傾向をつかむための比較として使用していると聞いております。

◆荻原委員
 時間が迫りましたので、これが東京都の共通基準に基づく割合の数値です。東京都は9割日帰りと出ております。IR説明資料の5割とは大きくかけ離れております。これは適切な比較と言えるのか、もう一度局長に伺います。

◎神部文化観光局長
 東京都の宿泊客数の調査手法も実は本市とは若干異なっておりまして、共通基準でいきますと国がやっているのは10人以上の従業員がいるホテルを対象にしてカウントしております。宿泊客ですね。横浜市の調査の場合にはそういった制限は設けずに市内のホテルに御協力をいただいて実態を把握しているということもございまして、単純にこちらの数字と横浜市のデータを単純比較するというのもなかなか難しいのかなと考えているところでございます。

◆荻原委員
 5割と9割、どちらと比較するのがより適切だと思いますか、局長。

◎神部文化観光局長
 割合で比較するのが適切なのかどうかというところだろうと私どもとしては考えております。先生方も御案内のとおり、我々文化観光局といたしましては横浜の観光行政の長年の課題といたしましてはやはり宿泊客数が少ないということは大きな課題だと認識しておりまして、こうした横浜の観光の課題を市民の皆様にどうやって説明すれば適切になるのかということはしっかり考えていきたいと考えております。

◆荻原委員
 副市長に伺います。IR推進室と市長に対して、IR説明資料からこの部分の削除をお願いしたいと思いますが、求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○源波副委員長
 時間です。

◎林副市長
 IR誘致は都市整備局が所管しておりますけれども、観光振興や市内経済活性化に寄与するものでありまして、局横断プロジェクトを設置して全庁的に進めております。したがって、情報は共有されながら進めておりますので、そういう意味では縦割りということではなくて、私は情報をより正確にお示ししていくことは大事であると思いますけれども、情報共有しながらきちんとお示ししていくということが大事であると思っております。今後も皆様の理解を得られるように進めてまいります。(傍聴席にて私語する者あり)
           〔荻原委員「求めるかどうかについて質問している、求めていただきたい」と呼ぶ〕

○源波副委員長
 傍聴人の方々に申し上げます。
 委員会の妨げとなり、また、他の傍聴人の方々の妨げにもなるほか、委員会の妨げとなるほか、飛沫の拡散を防ぐ観点からも御静粛に願います。
           〔荻原委員「委員長、議事進行」と呼ぶ〕

○源波副委員長
 議事進行の内容は。

◆荻原委員
 質問内容とちょっと違う御答弁内容でしたので、質問に的確に答えていただきたいと思います。

○源波副委員長
 ただいま、答弁不十分との指摘がございましたが、補足して答弁することがありますか。

◎林副市長
 ただいまの委員の御指摘につきましてはIR推進室にも適切にお伝えしたいと思いますし、また、市民にも分かりやすい説明に努めてまいりたいと考えております。
        〔荻原委員「委員長議事進行、市長にも求めてくれというふうにお伺いしています」と呼ぶ〕

○源波副委員長
 時間ですので。
        〔荻原委員「副市長、今IR推進室についてお答えをいただきましたが」と呼ぶ〕

○源波副委員長
 何に関する議事進行ですか、もう一度。(「ルール守れ」と呼ぶ者あり)

◆荻原委員
 副市長が答弁不足だから申し上げております。(「答弁しました」と呼ぶ者あり)IR推進室と市長に対して求めていただきたいということをお伺いしています。(「要望だよ」と呼ぶ者あり)質問です、質問。(「要望だよ」「質問じゃないだろう」と呼ぶ者あり)

○源波副委員長
 ただいま、答弁不十分との指摘がございましたが、補足して答弁することがありますか。

◎林副市長
 IR推進室とちゃんと情報共有するということは、ちゃんとトップまでそういう情報共有を伝えていくという意味でございます。

○源波副委員長
 はい、時間でございます。ありがとうございました。(拍手、傍聴席にて私語する者あり、「発言はお控えください」と呼ぶ者あり)
 傍聴人の方々に申し上げます。
 委員会の妨げとなり、また、他の傍聴人の方々の妨げにもなりますので、御静粛に願います。なお、注意事項を遵守いただけない場合は委員会条例第13条第2項の規定により、退場を命じることがありますので、あらかじめ御承知おきください。