横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

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令和3年 第3回定例会

△令和3年度横浜市一般会計補正予算について

◆(荻原隆宏君)
 荻原隆宏でございます。私は、立憲民主党横浜市会議員団を代表し、今定例会追加提出分の議案でございます市第99号議案、令和3年度横浜市一般会計補正予算案について、山中竹春市長にお伺いをいたします。
 まず、子育て世帯への臨時特別給付支給事業についてお伺いいたします。
 昨日、参議院でも可決され、国の補正予算が成立したようですが、給付金事業が行われる旨が政府から発表されてからこの間、クーポンか現金か、その支給方法について様々な議論がありました。先週、衆議院予算委員会において年内10万円現金一括支給が可能である旨の首相答弁があり、即日速やかに10万円一括現金支給と横浜市が決めたことは、何かと入り用な年末年始、あるいは来年の進学時期までに迅速に子育て世帯へ満額をお届けでき、その使い道の計画も立てやすくなるだろうことから、大変よかったことだと私どもも思っております。市民からは、なぜそもそもクーポン支給ということだったのだろうか、なぜそもそも2回に分けていたのだろうかという不思議に思っておられるお声もいただいておりました。
 そこでまず、そもそもこの給付金事業はどういった趣旨で10万円が市民に給付されるものなのか、事業の目指す目的はどのようなものであるのか、改めてお伺いをしたいと思います。
 この給付金についての報道などでは、よく年収960万円を境に給付金を受け取れる、もしくは受け取れない、そういう説明を聞く機会が多くあったように思います。私も年収960万円以上の世帯で共働きでない場合は給付されないものだと誤解をしておりました。しかし、この議案の説明を受けて初めて、単純に960万円の収入が境目ということではないということを知りました。どうやら児童手当の所得制限の水準に照らして本給付金も受け取れるかどうかが決まるそうでありますが、いかにも分かりにくく、市民の皆様にはぜひ分かりやすい説明をお願いしたいところであります。
 そこで、今回の給付金を受け取れる対象となる所得額はどのように決められているのか、伺います。
 本日議案がこの後採決され仮に可決となって、年末の横浜市の仕事納めまであと1週間しかないわけでございますが、年末までに支給予定の今年の9月分の児童手当対象児童の皆様に本当に年内にお届けすることができるのかどうか、仕事納めの後は年末年始の長い休みに入りますので、しっかり作業を間違いなく進めていただきたいと思います。そこで、念のための確認でありますが、対象の児童の皆さんに年内に支給がしっかりと間に合うのかどうか、お伺いをいたします。
 さて、児童手当支給対象児童の場合は支給のための申請は不要とのことですが、児童手当の対象ではない高校生などの場合は支給のための申請が必要だとお聞きいたしました。また、来年の2月までに生まれるお子さんは児童手当の申請をすることで支給金の申請も同時にされることになり、自動的に給付金の申請がされることになるそうですが、3月に生まれるお子様の場合は児童手当の申請手続が4月に行われるケースもあり、国からの詳細な取扱いが示されていないと伺いました。このように、申請の仕組みが複雑になっていることで申請が漏れてしまって受給できなくなるような世帯が発生しないよう、申請が必要な世帯には十分に申請に関する手順の周知をお願いしたいところです。
 そこで、受給するために申請が必要な世帯への周知のための工夫をどのように取り組んでいただけるか、伺います。
 そして、高校生などや3月に生まれるお子様への支給が漏れてしまうようなことが決してないよう、申請から支給までの手続や仕組みについて分かりやすく市民の皆様にお伝えしていただきたいと思います。共働きでなかなか区役所へ平日に行けない保護者の皆様もたくさんおられると思います。特に所得制限の額については、自分が支給対象なのかどうかについて正確に判断するのは難しい場合も多々あると思いますから、そういったお困りの市民の皆様へのフォロー体制をしっかり整えていただきたいと思います。
 また、対象世帯に既にお届けしていただいている支給のお知らせの中には、令和3年10月1日以降令和4年3月31日までに生まれた児童は別途申請が必要と書かれてあります。実際には児童手当の手続によって支給のための申請もなされるため、保護者の皆様の間で混乱が生じないかどうか心配もしているところでございます。
 そこで、申請から支給までの仕組みについては市民の皆様への丁寧な説明をお願いしたいところであり、コールセンターやチャットなどスマホで問い合わせることができる、あるいは土日でも相談できるなどの対応なども検討していただきながら円滑に支給していただきたいと思いますが、どのように取り組んでいただけるか、お伺いいたします。
 子育て給付金につきまして最後になりますが、支給に申請が必要な皆様はいつまでに申請しないといけないのか気になるところかと思います。申請の期限が切れてしまって受給できるのに受給できないケースが発生しないよう、申請の期限についてはしっかりと市民の皆様にお伝えいただきたいところです。
 そこで、申請が必要な高校生などと3月に生まれるお子様の申請の期限はどのようになっているのか、お伺いいたします。
 いずれにしましても、支給するのが年度内までなのか年度繰越しが可能なのかなど、申請と支給に関する事務手続などについてはまだ国の内容が決まっていないこともある御様子ですので、国の事務上の方針が固まり次第、市民に必要な情報をしっかりとお伝えいただく工夫、また、保護者の皆様にお問合せをしていただきやすい工夫を行っていただくよう重ねて要望をさせていただきたいと思います。
 次に、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金支給事業についてお伺いいたします。
 この自立支援金を受給するためには幾つかの要件を満たさないといけないわけですが、そのうちの一つに、世帯収入の月額が一定額を超えないことが要件となっています。例えば、単身世帯の場合は13万6000円、二人世帯は19万2000円、三人世帯は24万円となっているとのことですが、この金額では横浜市内で生活するには大変厳しい収入額であると思います。この要件となっている月額の内訳としては2つの要素があり、一つは生活費として非課税世帯に相当する金額、もう一つは住宅費として生活保護の住宅扶助の基準額です。この2つを合算した数字を超えない収入であることが受給要件となっているとのことでございますが、お聞きしたところによりますと、横浜市の住宅扶助基準額は、単身世帯で月額上限額5万2000円とお聞きいたしました。そして、この額は国の定めた計算式によって国によって決められるとも伺いましたが、この横浜市の額は川崎市よりも低くなっていると聞きまして、驚いたところであります。川崎市は5万3700円で、これは東京23区と同額であるそうです。
 家賃の相場に密接に関係する土地取引価格の指標として基準地価というものがあり、2021年の東京23区の基準地価平均は、中央区が1平米当たり約534万円で最も高く、葛飾区が約37万7000円で最も低くなっており、その差は約14倍と大きく開いておりますが、東京23区の生活保護の住宅扶助金額は一括同額であるということであります。
 神奈川県内を見てみますと、基準地価平均は横浜市が18区平均約43万円で県内で最も高く、川崎市は7区平均約40万円と横浜市に続いて2番目の高さとなっており、横浜市のほうが地価平均は高いですけれども、生活保護の住宅扶助基準額は川崎市のほうが高くなっているということであります。また、横浜市内の各区を見てみますと、東京23区で最も低い区よりも地価平均が高い横浜市内の区は5つあります。川崎市で最も低い区は約24.8万円だそうですが、これよりも地価平均が高い横浜市内の区は9区あることになるようです。以前は、東京23区と川崎市と横浜市の生活保護の住宅扶助基準額は同額であったと伺っております。固定資産税の元ともなる基準地価平均と家賃とは密接な関係があります。横浜市内の1位と18位の区の地価の開きは約12.7倍と東京23区の開きよりも少なく、国の住宅扶助基準額の計算式の要素が何であるか定かではありませんが、基準地価平均で見る限り、横浜市においても東京23区及び川崎市と同額の住宅扶助がなされるべきだと思いました。
 そこで、コロナ禍において横浜市内の皆様に支援金としてお届けする額の基準とする以上、横浜市内の半数の区において川崎市よりも高い住宅費がかかっている可能性がある中、この機会を捉えて国に対し川崎市や東京23区と同様の額に戻すなど住宅扶助基準額の是正を求めることを検討していただきたいと思いますが、市長の見解を伺います。
 これまで、自立支援金を受給するための要件ともなっていた総合支援資金の再貸付は10月末時点で約7000人おられ、これまで自立支援金を支給となった方々は10月末で1128名おられるとのことで、総合支援資金を借りた方々の約16%しか自立支援金を申請されておらず、何か申請しにくい理由、あるいは利便性に欠ける状況があるのではないかと思われます。そこで、生活困窮者自立支援金の申請件数が伸び悩んでいる要因としてどういったことが考えられるのか、市長の見解を伺います。
 より多くのお困りの市民の皆様に必要な支援金をしっかりお届けする必要があるかと思います。申請件数が伸び悩んでいる状況を改善するために、課題の解消にはしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、自立支援金の伸び悩みの要因解消の取組はどのようなことを考え行っているか、市長に伺います。
 今回再貸付を受けていなくても一回だけ最初借りた人もこの自立支援金を受けられるように要件が緩和されるとのことでございますが、要件緩和によって支給が新規に発生する件数としては、これまでの自立支援金申請件数が総合支援資金再貸付件数の約16%であったことを参考にして、初回貸付が済んでいる方々1万9500人の16%が約3100人であることから3000件とされたとお聞きいたしました。しかし、要因解消の取組を行うことでさらに申請が増すこともあり得ると思います。
 そこで、今回補正として提案されている見込額よりも自立支援金の申請が増え支給額が増えたときにはきちんと国から追加の国費は円滑に横浜市に入ってくるのかどうか、市長に伺います。
 自立支援金の申請をしてから一体どのくらいの期間で支給を受けられるのかは受給者の皆様にとっては大切な情報であり、改めて確認をさせていただきたいと思いますが、申請から支給まではどのくらいの時間がかかるのか、お伺いをいたします。
 最後に、この自立支援金の対象とならない方々への支援の在り方についてお伺いをいたします。自立支援金を受給する要件は単身世帯で13万6000円です。横浜市で暮らすには、例えば月18万円の収入でも大変苦しいと思います。そして、まだ収入の低い若い世代では、このコロナ禍の中、将来への不安も大きく募っていることと思います。今回の制度では自立支援金が行き渡らない生活困窮者の皆様に対して横浜市として最大限の支援をし、その生活を支える必要があるのではないかと思っております。
 そこで、自立支援金の申請の対象とならないけれども収入が十分でなく生活にお困りの生活困窮者の方々に対しどのような支援に取り組んでいただけるか、市長にお伺いいたします。
 苦しいときこそ、市民の皆様に安心して市に支援を求めることができる横浜市であってほしいと思います。私も社会人になって20代、30代、40代、それぞれに月収20万円に満たない暮らしが続いたときもありました。人生にはどんなに頑張ってもどうにもならないときもあります。そんなときにこそ元気を取り戻して、希望を持って毎日を暮らしていただけるよう共に歩き背中をそっと押せるような、市民の人生を日々応援しお守りする横浜市の体制を整えていただくことを切に要望をし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

(拍手)

◎市長(山中竹春君)
 荻原議員の御質問にお答えします。
 市第99号議案について御質問をいただきました。
 子育て世帯への臨時特別給付支給事業の趣旨及び目的についてですが、今回の給付は、新型コロナウイルス感染症が長期化しその影響が様々な人々に及ぶ中、我が国の子供たちを力強く支援し、その未来を開く観点から実施することとされました。このうち、先行給付と位置づけられている5万円の現金給付については新型コロナウイルス感染症の影響を受けている子育て世帯への早期の支援として、また、追加の5万円相当のクーポンまたは現金による給付は経済対策において来年春の卒業、入学、新学期に向けて子育てに係る商品やサービスに利用いただくことを目的としていると認識しております。
 給付対象となる所得額についてですが、所得制限限度額は扶養する親族等の数や税控除の額によって変動します。国から示されている年収960万円程度というのは扶養親族が3人の場合の目安額となります。例えば、扶養親族が2人の場合は年収918万円程度、扶養親族が4人の場合は年収1002万円程度が目安額となります。
 年内支給のめどですが、既に振込のお知らせを送付した令和3年9月分の児童手当支給対象となる児童の分については12月27日に振り込みます。
 申請が必要な世帯への周知の工夫ですが、平成15年4月2日から平成18年4月1日生まれの高校生等の子供がいる世帯に対しては、制度や申請手続方法の御説明、申請書、返信用封筒を一式にしまして、ダイレクトメールを1月下旬に送付します。また、コールセンターによる電話相談の受付のほか、1月中旬から区役所に案内員を配置し、申請方法や申請書の書き方など様々な御相談に対応できる体制を整えます。受給対象者が確実に受給できるよう取り組んでまいります。
 申請から支給までを円滑に進めるための取組についてですが、高校生等の子供がいる世帯については所得等の審査を行う必要があります。お送りするダイレクトメールにおいて分かりやすく丁寧な御説明を行うとともに、御自身が受給対象者かどうか分からない場合には御申請をまずいただくよう御案内します。また、新生児がいる世帯については、児童手当の支給申請をすれば給付金の申請は不要となります。こうしたことを窓口やコールセンターなども活用し丁寧に御案内してまいります。
 申請が必要な世帯の申請期限ですが、今後国から示される予定です。これらの内容が明らかになり次第、速やかに対象となる皆様にしっかりと周知してまいります。
 本市の住宅扶助基準額の是正を国に求めることを検討すべきとのことですが、住宅扶助基準額は、各地域における家賃物価の動向と住宅確保が可能な家賃水準等の検証を踏まえて厚生労働大臣が定めているものです。近年では、平成27年度に全国的な住宅扶助基準の見直しが行われ、横浜市の単身世帯の基準額は5万3700円から5万2000円に改定されました。市域における状況からすると、支障なく運用できています。なお、物価動向により国が基準を適宜見直しておりますため、住宅扶助についても必要な場合は改定されるものと考えております。
 申請件数が伸び悩んでいる要因についてですが、今回の自立支援金の要件となっている総合支援資金の特例貸付は、コロナ禍の影響を受けて減収した方が広く対象となっています。一方、自立支援金には収入要件や資産要件、求職活動要件があり、総合支援資金の要件とは異なるため、申請件数が少なくなっています。
 申請件数が伸び悩む要因の解消策についてですが、総合支援資金の特例貸付を受けた方には、これまで複数回ダイレクトメールを発送し、制度の周知を行っております。また、求職活動要件など申請要件の複雑で分かりにくい点については、分かりやすくホームページでも周知をしているところです。あわせて、相談窓口なども設置しております。引き続き、この事業が必要な方に利用していただけるようしっかりと取り組んでまいります。
 支給額が今回の補正額を超過した場合の国費追加交付の有無についてですが、補正予算額については、これまでの申請状況や支給実績を踏まえ今後の対象者数を見込み、積算しています。見込みを超える申請があった場合でも申請をしっかりと受け付け、国への追加協議なども適切に対応していきます。
 申請から支給までの期間についてですが、要件等に該当していた場合には、申請からおおよそ1か月で支給しています。
 支給対象とならない困窮者への支援策についてですが、区役所生活支援課では、生活保護に加え、生活困窮者自立支援事業による住居確保給付金での支援や、就労支援、家計改善など一体的な相談支援を行っております。引き続き制度周知に取り組み、必要な方に支援が届くよう努めてまいります。
 以上、荻原議員の御質問に御答弁を申し上げました。