横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

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令和 4年 大都市行財政制度特別委員会

△調査・研究テーマ「特別自治市実現に向けたプロセスの調査・研究」について

(前略)

◎橘田政策局大都市制度推進本部室長
 16ページを御覧ください。
 まとめの1点目としまして、特別自治市制度は、道府県と指定都市の間の二重行政を完全に解消し、効率的、効果的な行政体制を確保するという点で大きな意義を有する一方、実現に向けてより具体的に検討すべき課題もあること。
 2点目として、特に特別自治市への税源配分、財政調整がどのようにあるべきかについては、事務配分に応じた検討が必要だと考えられるが、本研究会では、実際に道府県の税財源を各指定都市に移し替えた場合の影響額の試算まで踏み込んだ議論まではできておらず、今後の検討に当たってこの点についてさらなる検証が求められること。
 3点目として、第30次答申において特別自治市制度の課題として指摘された警察事務等の広域事務の適正処理や道府県の税財制・行政サービスへの影響、広域行政区域の細分化、区の住民代表機能について、指定都市市長会のプロジェクト最終報告書も踏まえつつ、本研究会における一定の検討結果を示したこと。
 最後に、今後、特別自治市制度の具体的な制度設計に向けて、本研究会で示した意義や課題の整理を踏まえ、さらに検討が深められることを期待したいとしております。

(中略)

◆荻原委員
 今、御説明いただきました政策局の資料の一番最後のページのまとめで、2つ目の丸で事務配分に応じた検討が必要だと。実際に道府県の税財源を各指定都市に移し替えた場合の影響額の試算というところで、これが今御説明いただいた部分に該当するかどうかを含めて教えてください。
 例えば河川の管理事務であったり、道路の管理、あと、県立高校とか具体的な県が今、所管しているもの、所有している施設を移し替えた場合の影響額の試算という意味で、この資料で御説明いただいたものが示されているのかどうかという確認をしたいと思います。

◎橘田政策局大都市制度推進本部室長
 今回、現在の県の予算書を3か年分整理して、一つ一つの事務を横浜市に関連するものについて案分比を設けて、それに基づいて入れていると。
 実際にそれが横浜市に本当に関連しているかどうかで、今、委員御指摘の例えば河川管理の話とか、より具体的な県立高校とか、それは市域内というのはある程度特定できますので、ある意味それに近い数字になってまいります。
 それ以外の圏域全体を対象としているものというのは、どこまでこの事業が横浜に関連しているかというのはかなり見極めが難しいものもございました。
 全く分からないものは人口案分とか、そういったもので一応漏れなくオンしているという理解でございます。

◆荻原委員
 県民・市民にとって県立高校が市立高校になるとか、家計の対策が市に全て移っていくとか、身近なところというのは影響が非常に出てくる話なんだろうと思います。
 特別自治市になった折に県立高校が市立高校になるのかどうかについては、試算のベースとしてどのような検討の様子になっていくのか。
 今の段階では必ずしも県立高校が市立高校になるという中に、あるかどうか定かではないと思うのですけれども、そういった点はどういうお考えでしょうか。

◎橘田政策局大都市制度推進本部室長
 特別自治市が法制化されますと、国の法令関係の事務というのは、そのまま県が行っている事務が横浜市の特別自治市の事務になってくる。それは法律の改正によってくると思います。
 今、委員御指摘の例えば県立高校とかについては、県が圏域全体の中でバランスを持って配置しておりますので、その扱いを市域内行政区域が変わるから一律に特別自治市に移管していくのか。
 あるいは、区域によっては横浜市以外の市民の方が多く利用される場合については、それだと具合が悪ければ県と市の共同運営のような形にしていくのか。
 様々な手法を具体化に向けて検討していくという部分で、そのあたりも整理をしていくことが必要になってくるのではないかと考えております。
 今の段階ですぱっと全てを切っていくのかどうかではなくて、特に任意事務的なものについては、県市間でしっかり協議をした上で移管を受けるのか、あるいは共同でやっていくのか、あるいは県がそのまま設置をしていくのかということも含めて協議をしていくということになるのではないかと考えております。

◆荻原委員
 先ほどもお話があったかと思いますけれども、ディテールにわたって試算を決定というのですか、これがかなり確度の高い試算だというところまで持っていくのはなかなか難しいのかもしれないと思いますが、ぜひそこはできる限りの試算の御努力をいただければ大変ありがたいと思います。
 それから、もう1点。特別自治市制度の設計に向けた事務・事業等の調査委託報告書という、こちらにも載っているかと思うのですけれども、いずれ特別自治市が実現した折には、横浜市は一層制という形になろうかと思います。
 仮定として、事務配分に応じた財源を実際に獲得できることになった暁には、やはり住民代表機能という点においては、より財源の使途に対する民主的チェック機能というものの必要性が出てくるのだろうと思います。
 都道府県と同様の財源を獲得できるという意味合いは、都道府県と同様の民主的機能の確保が求められるということになるのかなと思いましたものですから、今後の議論、特に行政区の住民代表機能の在り方の検討については、
 非常に重要な論点になってこようかと思います。そのあたりのお考えをお願いしたいと思います。

◎橘田政策局大都市制度推進本部室長
 参考資料の1の73ページにも特別自治市における住民代表機能の在り方というものが示されております。
 これは第30次地方制度調査会の答申でも住民代表機能を持つ区が必要だという指摘も踏まえまして、横浜特別自治市大綱の中でもそれに対する考え方を示しております。
 こういった形で、区の中での住民代表機能を強化していくという方向性を、今後それがより具体的な制度設計につなげていけるような検討が引き続き必要になるのではないかと考えています。
 大変重要な論点の一つと考えております。

◆荻原委員
 この大都市制度が住民の皆さんにとって適切な民主的チェックをしっかりと受ける制度になるようにぜひ設計していただきたいと思います。
 財源を横浜市が獲得していくという責任の重さをしっかり踏まえて、区の住民代表機能の設計については、ぜひ重要な論点として今後とも引き続き議論していただきたいと思います。