横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

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令和 4年 基本計画特別委員会

△基本計画特別委員会

(前略)

○望月[康]副委員長
 荻原隆宏委員の質問を許します。(「頑張れ」と呼ぶ者あり、拍手)

◆荻原委員
 立憲民主党の荻原隆宏でございます。有村委員に続きまして、私からは横浜市中期計画2022~2025に関し、福祉、教育、住民自治について主に伺ってまいりたいと思います。
 まず、障害者支援施設への入所を希望されている方々への支援について伺います。
 私はこれまで何度か、入所サービスを希望しているけれども入所ができていない希望者の数を把握して必要な支援を行うべきと質問をさせていただいてまいりました。第3回定例会の一般質問での市長からいただいた御答弁で、児童相談所や区相談機関等が相談を通して施設への入所を希望される方を把握しているとようやくお答えをいただいたところでございますが、今もって市からは公表等はされていないというのが実情でございます。
 国及び本市の方針では、施設に入所する方の地域移行を進めて入所者数も一定数減少を見込むこととされております。今年9月9日には国連の障害者の権利に関する委員会でも障害のある方の施設収容を廃止するための迅速な措置が求められたところでございますけれども、国連の求める脱施設化を進めるためには、施設を出て地域で幸せに暮らせる支援サービスをしっかり構築することが国と自治体に強く求められると思います。その移行期においては、入所施設には地域で暮らせるようになるまでの通過型施設としての役割は残ると思います。
 そこで、今入所を希望されている方々がどの程度おられるのかについて関係者、市民と共有をして共に共生社会の創造に必要な施策の議論を進めるために、本市の入所施設のサービスの利用を希望する方々は今何名おられるか、その把握の課題も含めて市長にお伺いします。

◎山中市長
 直近の事例では男女一人ずつの募集に対して応募は201人でした。
 応募された方の中には周囲が意思を酌み取ることが困難な方や他のサービスの情報を十分にお持ちでない方もいらっしゃいますので、真に入所が必要とされる方の把握が課題の一つと考えています。

◆荻原委員
 第4期横浜市障害者プランのトピックスに「施設に入所して支援を受けることが真に必要とされている人の把握を行い、適切なサービス提供を確保できるよう、多様なニーズに応える住まいのあり方を含め、必要な取組を検討・実施します。」とあります。
 この真に必要とされる人の把握に当たっての課題を克服するための取組はどのようなものか、市長に伺います。

◎山中市長
 御本人や支援者の状況、また緊急性など一人一人のニーズを把握していくため、児童相談所や区、相談機関等が施設へ入所を希望される方への相談を丁寧にお受けしております。
 その中で入所施設に加えてグループホームや居宅サービスなど居住に関する情報も提供しながら障害者御本人の意思を的確に受け止め個々の状況に合わせた支援を進めていきます。

◆荻原委員
 障害のある方々が目指す御自身の生活についてきめ細かく寄り添い、障害者の基本的人権を守る各種施策を力強く推進をしていただくよう強く要望をさせていただきます。
 次に、地域療育センターの拡充について伺います。
 地域療育センターは、身体障害、知的障害及び発達障害等の障害のあるお子様、またはその可能性があるお子様の療育を行う専門機関ということでございますが、初診件数の中で発達障害と診断される割合が増加してきており、令和3年度は未就学児の初診件数3732件のうち約63.8%の2380件となっております。これは10年前と比較すると約1.4倍となっているとお伺いをしているところでございます。発達障害児の増加に伴い地域療育センターの利用申込みが増加しており、初診を受けるまでに時間を要しております。
 この状況を解消するには医師の確保が必要だと思いますけれども、全国的に発達障害の専門である児童精神科の医師は少ないということで、子供の発達を扱う医療や教育等の専門機関でも受診や相談までの期間が長くなっているという同じような課題が生じていると聞いております。
 そこで、地域療育センターでは医師を確保するためにどのような取組を行っているか、市長にお伺いいたします。

◎山中市長
 地域療育センターには常勤医師1名を配置しております。加えて非常勤の医師も複数名雇用して診察を行っておりますが、児童精神分野の医師の確保が難しい状況にあります。医師の確保に向けて、横浜市立大学との連携により地域療育センターで若手医師を受け入れ研修を行っているほか、センターの運営法人が発達障害に関する医師向けのセミナーを開催しております。
 これら取組により引き続き法人と連携をして医師の確保に努めていきます。

◆荻原委員
 地域療育センターは従来、医師の診断を経て利用が開始される医療前置の仕組みとなっておりますけれども、しかし、発達障害児の増加に伴って地域療育センターの利用を希望する方々の増加やニーズが多様化しているためこれまでの仕組みでは十分な支援が難しくなっているとも伺っているところでございます。私も10月に中部地域療育センターを見学させていただきました。試行的な取組として、利用申込み後に早い段階で専門職による相談等を充実させることで保護者の不安や悩みの解消などに一定の成果を上げているということをお伺いをしたところでございます。このように医師の診断を受ける前であっても速やかに支援につながる仕組みは非常に重要だと思います。
 そこで、地域療育センターの支援内容の見直しについて全ての地域療育センターで速やかに展開していただきたいと考えますが、市長の見解を伺います。

◎山中市長
 全ての地域療育センターにおいて支援内容の充実をできるだけ速やかに実施することは重要だと考えます。
 実施に当たっては、心理職やソーシャルワーカー等採用が難しい専門職の確保育成などを計画的に実施して体制を整えていくことが必要になります。
 今後、横浜市中期計画2022~2025に基づき速やかに実施ができるよう努めてまいります。

◆荻原委員
 地域医療センターが的確に速やかに対応できる体制をこれも速やかに整えていただくことを要望をさせていただきます。
 次に、特別支援教育について伺います。
 先日、旭区にあります肢体不自由の特別支援学校である左近山特別支援学校を訪問させていただきました。当日は近隣の小学校の児童が特別支援学校を訪問し、合唱で交流したりする場面を見させていただきましたけれども、やはり子供たちが何の垣根もない交流をするこうした活動、極めて意義深いと改めて思ったところであります。本来は障害のあるなしにかかわらず全ての子供たちが地域の同じ学校に在籍をして、必要な支援を受けながら一般学級で共に学び合うインクルーシブ教育の実現が最も理想的な姿だと思っております。
 そこで、インクルーシブ教育の実現に向けた課題をどのように捉えているか、市長に伺います。

◎山中市長
 障害の有無にかかわらず子供たちが多様性を認め合い地域の中で共に学び共に育っていくということは大変重要で、その環境をつくっていくことが求められています。
 本市でも国が示すインクルーシブ教育システムの実現に向けて教育委員会が取り組んでいると承知しておりますが、市全体としても誰もが生き生きと活躍できる共生社会の実現を目指します。

◆荻原委員
 地域の小中学校でも個別支援学級が増加傾向にあるなど特別な支援を必要とする児童生徒は増加していると伺っております。先日、稲荷台小学校を訪問させていただいた際にチャレンジタイムという取組があると伺いました。希望する生徒が国語や算数などの授業時間に在籍するクラスとは別の特別支援教室で担当の教員が見守る中で個々の課題に取り組んでいるとのことでございました。集団の中で学習に集中することが苦手な児童などが落ち着いて自分のペースで学習できる環境が校内にあるというのは大変よいことで、学校ごとに工夫しているという点が私にとりまして非常に新鮮に感じたところでございます。
 そこで、小中学校での特別支援教室の取組内容とその効果について、これは教育長に伺います。

◎鯉渕教育長
 小中学校では、一般学級に在籍する児童生徒を対象として、集団での学習や他者とのコミュニケーションが苦手な児童生徒が一定の時間、校内に設置する特別支援教室に行き学習する取組を行っております。また、この教室は不登校支援として教室以外の安心できる場として活用している学校もございます。いずれも児童支援専任など担任以外の教員の指導や見守りの中で気持ちの安定や学習への自信を高めることができております。

◆荻原委員
 子供たちの学びの場の充実と併せまして、教える側の体制も整えていく必要があると思います。全ての教職員が障害について理解を深めることに加えて、子供たちに深く寄り添う福祉マインドを持つことが非常に大切だと考えます。
 小中学校には特別支援学校のような教員配置や看護師がおりません。そのため重度の障害や高度な医療を必要とする児童生徒が安心して学校生活を送るためにはソーシャルワーカーや看護師などの専門職がもっと学校に入り込んで教職員とともに多職種連携を深める必要があると考えます。
 そこで、学校現場において福祉や医療との多職種連携を進めるべきと考えますけれども、市長の見解を伺います。

◎山中市長
 小中学校には医療的ケアや福祉的な対応など様々な専門的支援を必要とする児童生徒が委員御指摘のようにいらっしゃいます。こうした状況を受けて教育委員会においては、現在もソーシャルワーカー、カウンセラー、訪問看護師などと連携いたしまして教育活動を行っていると聞いております。今後もさらに取組を進め子供たちの安全安心と学校生活の充実に取り組んでもらいたいと考えています。

◆荻原委員
 全ての教職員がそれぞれの専門性を高めながら、福祉、医療との連携で全ての児童生徒の学びをしっかり支えていただく取組を進めていただくことを要望をさせていただきます。
 次に、医療的ケア児への支援について伺います。
 横浜市中期計画2022~2025の政策13、障害児・者の支援におきましては、素案にはなかった「医療的ケア児・者等の施設等での受入れを進めるため、看護師等に対する研修を充実します。」との文章が原案には盛り込まれましたが、この施設等には学校は含まれるのかどうか、また、看護師等の等には学校の教職員も含まれるのかどうか、横浜型医療的ケア児・者等支援者養成研修が対象とする施設及び受講対象者について市長に伺います。

◎山中市長
 本市が行っている横浜型医療的ケア児・者等支援者養成研修は、医療的ケア児者等の地域での受入れ体制を充実させるため、支援の方法、医療、福祉、教育等に関する知識、また、多職種連携等について学ぶ研修であり、学校における医療的ケアも対象としております。
 受講対象には学校の教職員も含まれていますが、地域の訪問看護師や障害福祉サービス事業所の従事者が多く受講されております。

◆荻原委員
 医療的ケアを必要とする児童の入学先は入学する年の1月頃に決定すると伺いました。入学の4月までの2か月間、入学が決まった学校の先生方にはしっかりと医療的ケアに関する知識を身につけていただきまして、支援を必要とする児童を的確に支えていただきたいと思いますけれども、医療的ケア児を受け入れる学校の教職員への研修等の支援体制について、これは教育長に伺います。

◎鯉渕教育長
 医療的ケア児は、一人一人ケアの方法や配慮すべき内容が大きく異なっております。そのため事前に必ず個別に主治医への確認や保護者を交えた打合せを行いまして校内で情報を共有し、ケアの体制を整えられるよう教育委員会が支援しております。

◆荻原委員
 本年4月入学のある児童への医療的ケア内容につきまして、保護者の方からケア内容が不十分であるので支援内容を整え直してほしいと教育委員会に訴えているけれども応じてもらえないという相談をお受けをさせていただいておりました。
 ケア内容を調整する実施調整会議は5月が定例でありますけれども、開く議題がないということで開かれておらず、したがって次の定例の9月までケア内容修正の可否の答えが出ない状況となっていることが常任委員会で判明をいたしました。つまり、9月まで児童は必要な医療的ケアを受けることができない状況となってしまっていたわけであります。入学時の段階で教育委員会が保護者の思いに十分寄り添えていれば、5月に実施調整会議を開催することもできてスムーズな調整につなげられたものと思います。
 そこで、医療的ケア児の入学に当たっては教育委員会と保護者、主治医、学校現場との意思疎通を十分に行っていただきまして万全の受入れ体制を整えていただきたいと思いますけれども、市長のお考えを伺います。

◎山中市長
 医療的ケア児のいる御家庭は、生まれたときから昼夜を問わず保護者の方がケアを行われているとともに入院の付添い、また医療的ケア児の受入れ可能な保育園探しなど入学までに実に様々な御苦労を重ねていらっしゃるわけであります。小学校入学の段階でも、学校や教育委員会が保護者の気持ちをしっかりと受け止めて主治医や保育園などからの情報を得つつ、学校の安全管理下で必要な医療的ケアを確実に実施ができるよう対応していると聞いております。

◆荻原委員
 教育委員会におかれましては、ぜひとも今年度のこのことをしっかり踏まえてスムーズな調整につなげていただきたいと思いますし、保育園でケアをしていた看護師や園長先生とも密に連携をしていただきまして、横浜市中期計画2022~2025にもうたわれております切れ目のないケアが入学後にも保障されるように十全な取組を進めていただくことを強く要望いたします。
 次に、中学校給食について伺います。
 このたびの横浜市中期計画2022~2025(原案)では、令和8年度からデリバリー方式で全員分の給食を供給する体制を確保すると示されております。先ほどの有村委員に引き続きまして、全ての生徒が満足できる給食を提供することのためにどう取り組むかという視点で私も幾つか質問させていただきたいと思います。
 本市では令和3年4月からデリバリー方式の中学校給食が既にスタートしております。学校給食法上の給食に位置づけられることで、ハマ弁と比較して改善が行われた点も様々あるのではないかと思います。
 そこで、ハマ弁からデリバリー給食になったことで進化したポイントについて、これは教育長に伺います。

◎鯉渕教育長
 給食化に伴いまして市の栄養士が献立作成、食材調達の規格の策定、衛生管理などを行うようになりました。小学校給食の経験を生かした味つけや行事食や地域の郷土料理、国際理解メニューなど、生徒の学びにつなげる献立をより多く提供しております。
 また、ハマ弁のときよりも食材費を1食当たり60円上げることができましたので国産や季節の食材を多く取り入れることができるようになっております。

◆荻原委員
 デリバリー給食は学校給食摂取基準に基づいて献立が作られておりますので、栄養価や味つけに関しては他の実施方式と同じ条件で調理されていると伺いました。しかし、おかずに関しては食中毒を起こさないために19度以下に冷却して配送するためどうしてもおかずの温度は低くなります。このおかずが冷たいことに対する様々な御意見が今あるところであります。
 私も最近意識して様々な食材の温度を測っておりますけれども、家庭で作るお弁当も喫食する時点では大体20度前後でございます。市役所のお弁当売場で買ったお弁当も測らせていただきましたところ22度でございました。世の中には、温度が低くてもおいしいと感じるものはたくさんあると思いますけれども、デリバリー給食においても現在も様々な工夫が行われていることと思います。
 そこで、おかずの温度が低くてもおいしさを感じられるためにどのような工夫をしているのか、これは教育長に伺います。

◎鯉渕教育長
 ヨーグルトやこうじなどの発酵食品を活用して肉が硬くならないよう工夫したり、副菜にかつおぶしを混ぜるなど塩分を増やさずにうまみを感じさせる工夫を行っております。
 また、汁物の容器に具材入りのホットソースを入れておかずにかけて食べる献立を取り入れることで、限られた条件の中でも温かいおかずを提供する工夫を行っているところです。

◆荻原委員
 6月に実施したアンケート調査では約半数の生徒、保護者の皆様から温かさが求められていることから、給食の満足度を高めていくためには温かさを追求する努力は必須だと思います。食材には温かくあってほしいものと冷たくあってほしいもの、その真ん中もあると思います。コールスローなどは冷たくあってほしいと思いますし、生徒たちが大好きであろうカレーのルーはやはり温かくあってほしいと思います。適材適温のメニューづくりが生徒の満足度向上にとても大事だろうと思います。教育委員会では2回目のサウンディング調査を実施し、温かい給食を実施するアイデアなどについて対話をされたと伺いました。
 そこで、2回目のサウンディング調査で出た温かさに対するアイデアについてどのようなものであったか、市長に伺います。

◎山中市長
 参加した事業者からやアイデアをいただきました。例えば御飯と汁物に関しては現在でも温かいですが、配膳方法を工夫して、かつ生徒が食べる直前まで温かい蓄熱剤が入ったコンテナボックスに給食を入れておくことでさらに温度に関して担保するといった提案がございました。
 このほかにも、今後の技術の進歩の下、課題解決を図るアイデアもいただいたところでございます。

◆荻原委員
 私も何度か中学校給食の試食をさせていただきました。確かにおかずは、衛生上温度を冷まして提供されて、私が食べたおかずの温度も17度から19度でございました。小学校の自校調理方式の給食も、それから他都市の中学校給食も試食をさせていただきましたところでございますが、横浜市のデリバリー給食は、もう既に先ほどの草間委員からも、そして市長からもおいしいということのお言葉がありましたので、私がもう申し上げることはないかもしれませんけれども、私も掛け値なくおいしいと、このように思います。ただ、汁物はもっと温かくしてもらいたいと、これも正直に思ったところでございます。
 給食の利用が原則となりましたら、時には苦手なメニューの日もあろうかと思います。私も中学生の頃はブロッコリーやピーマンなど様々な苦手な食材がありましたけれども、今は全て無性に食べたいと思います。成長段階でいろいろな食材に接することも非常に大切だと思います。
 温かさについても、食材を一斉に全て温かくするというよりは、カレーやシチューなど温かいほうがよいメニューはしっかり温かくすることで生徒の満足度も大きく変わってくるのではないでしょうか。より保温性の高い容器を使用したり、汁物としての配送をして保温するなど今もできる工夫があるかと思います。
 そこで、サウンディングの温かさに対するアイデアを踏まえ温かいデリバリー給食の提供に向けてどのように取り組んでいくのか、市長に伺います。

◎山中市長
 事業者からいただいたアイデアも参考にしながら生徒に安全安心な給食を提供するという観点、そして民間事業者の工場設備や学校施設の状況なども踏まえながら配膳環境を整えるなどしてどのような対応がさらに可能か検討を深めてまいります。
 技術は確実に進歩しておりますので、製造事業者や民間企業の御協力もいただきながら、生徒や保護者により満足してもらえる給食を提供できるよう努力を続けてまいります。

◆荻原委員
 サウンディング調査ではアレルギー対応に関するアイデアも伺っているとのことでございました。これまでは選択制ということでアレルギーなど様々な配慮が必要な生徒へは家庭弁当の持参をお願いをしてきたところだと思いますけれども、令和8年度以降、給食の利用を原則とするのであれば一歩進んだ検討を行う必要があるのではないかと思います。
 そこで、横浜のスケールメリットを生かしたデリバリー方式ならではのアレルギー対応の考え方について市長に伺います。

◎山中市長
 卵、乳、小麦など小学校給食と同様にアレルギー除去食の提供を行うなど一人一人に寄り添った対応を検討してまいります。

◆荻原委員
 アレルギー対応も含め、温かさも含め、全ての生徒が満足できるという視点でデリバリー給食の質を上げていく努力を続けることが重要だと思います。
 そこで、満足度の向上のためには生徒や保護者のニーズに応えるよう絶えず進化を続けていくことが必要だと考えますが、市長の見解を伺います。

◎山中市長
 今回のアンケートで明らかとなりました諸課題に真摯に向き合うことが重要だと思います。諸課題を真摯に受け止めさらなる発展に向けて取り組んでまいります。原則利用となる令和8年度は、ゴールではなく新たな横浜の中学校給食のスタートであります。実施後もこれまでと同様に生徒や保護者の皆様の声を伺いながら味や献立などの改善を図り生徒が満足できる給食となるよう努めてまいります。

◆荻原委員
 デリバリー全員喫食がスタートした後も横浜市の新しい中学校給食が常に進化を続けるものとなることを強く要望させていただきたいと思います。
 次に、みなとみらい本町小学校について伺います。
 これまで何度か質問をさせていただいてまいりましたけれども、市長からも、学校の在り方については慎重に判断する必要があるとの御答弁が続いております。みなとみらい本町小学校は、このまま2028年3月閉校となりましたら、横浜市中期計画2022~2025最終年度の2025年4月に入学する児童は小学校三年生が終わったときに閉校ということになります。学校はどうなってしまうのか、保護者にとっても子供たちにとっても大変気にかかるところでございます。
 少なくとも今回の横浜市中期計画2022~2025の4年間を通じて学びの場の確保に向けてしっかり見通しを立てていただきたいと思いますが、市長の見解を伺います。

◎山中市長
 みなとみらい本町小学校は、児童数が10年間で収束するとの見込みの下でみなとみらい21地区の業務商業機能の集積への影響も考慮した上で現在10年間の設置といたしました。
 今後の学校の在り方については、児童数の推移を慎重に見極めて課題の整理と検討を進めてまいります。

◆荻原委員
 他都市では民間ビルの低層部分に学校を設置する複合施設による学校建設の事例もあり、ビジネスゾーンとの抱き合わせを創意工夫で可能にすることも考えられると思います。
 複合施設としてのみなとみらい本町小学校の可能性について市長のお考えを伺います。

◎山中市長
 例えば中央区で民間ビルの低層部分に学校を設置する複合施設といった整備事例があることは承知しております。
 みなとみらい本町小学校の在り方につきましては、まずは児童数の推移を慎重に見極めた上で課題の整理と検討を進めてまいります。

◆荻原委員
 しっかりと進めていただきまして、児童の学びの場の確保を最優先に考えていただきまして取組を加速していただくことを強く要望をいたします。
 最後に、住民自治について伺います。
 横浜市中期計画2022~2025(原案)にも住民自治の言葉が見えますけれども、その中身は必ずしも定かではありません。住民自治を拡充させる契機ともなったのが市長によるIR誘致撤回であります。
 そこでまず、9月13日に公表したIR振り返りの最終報告における6名の有識者からの厳しい指摘に対する市長の捉えについて伺います。

◎山中市長
 9月に公表したIR事業の振り返り、最終報告の中で市民の皆様や外部有識者の方から市が取り組んできたIR事業の進め方などにつきまして大変厳しい御意見と御指摘をいただいたものと認識しております。
 これらの御意見をしっかりと受け止めながら今後の市政運営に生かしていきたいと考えています。

◆荻原委員
 特に次の指摘はまさにそのとおりだと思っておりますけれども、観光に関するデータでは、「横浜市のデータ比較は、十分に科学的ではなく、データの理解・解釈において恣意性がみられる。」、「IR誘致においては、政策形成、立案に当たってのエビデンスの科学性、あるいは民主的正統性の確保が不十分であった。」、こういった指摘を受けた様々な事柄の改善のためにどのように取り組んでいくのかを市長に伺います。

◎山中市長
 市における様々な施策や事業を進める上で、当然のことながら市民の皆様の御理解が必要です。
 そのために丁寧に市民の皆様の声を伺い、適時適切な情報の発信並びに市民の皆様との情報共有を行い、市民の御理解をいただけるよう今後も様々な施策について努めていきたいと考えております。

◆荻原委員
 2021年1月の臨時会において市民が直接請求した住民投票条例案が市長により議会に提出をされ、議会がこれを否決してしまったわけでありますが、その条例案に前市長は意義を見いだしがたいとする条例制定に否定的な意見を付していました。
 まさに住民自治とは180度違う視点であると私は思いますけれども、この前市長の意見に対する市長の考えはどのようなものか、お聞かせいただきたいと思います。

◎山中市長
 当時の市長の判断について言及することは控えさせていただきます。

◆荻原委員
 住民自治の拡充のためには間接民主主義をしっかり補完できる直接民主制の要素が欠かせないのではないかと思っております。事実として山中市長を生んだ市長選で示された民意はそれまでの市の方向性と真逆の結果でありました。間接民主主義だけでは民意を適切に表出できなかったわけであります。
 民意を的確に政策展開するためには常設型住民投票制度など住民意思を直接問う仕組みの拡充を検討していただきたいと思っておりますが、市長の見解を伺います。

◎山中市長
 我が国の地方自治制度が二元代表制を採用しています。これを踏まえ、まずは議会の中でしっかりと議論することが本質的に重要であると考えております。

◆荻原委員
 質問を先に続けていきます。
 山下ふ頭の再開発については住民自治がしっかり生かされる事業であるべきと考えておりますけれども、事業の検討のための委員会が設置されると伺っておりますけれども、この委員会には住民自治に精通した専門家をお迎えして住民自治のプロセスをしっかりとたどる再開発を進めてほしいと思いますけれども、市長の見解を伺います。

◎山中市長
 これまでも本市が認定したまちづくりコーディネーターや住民参加のまちづくりに精通した学識経験者等様々な方からアドバイスをいただきながら、市民意見募集やワークショップ形式による意見交換会などを実施してまいりました。今後も、再開発を進めていく中で節目節目でそういった専門家などにアドバイスを伺いながら、住民参加による透明性の高いプロセスを経て市民の御意見を反映させたまちづくりとなるよう取り組んでまいります。

◆荻原委員
 住民自治は単なる広聴の域を超えて住民が主権在民の理念を身近な地域で発揮するための概念でありまして、議会と行政の権力を制御することが住民自治の本旨であろうと私は思っております。
 段階的にこの高みに向かう中で、まずは今市民が直接行政に意見を述べることができる仕組みの充実が必要ではないかと考えておりますが、市長の今のお考えを伺います。

◎山中市長
 そういった仕組みの充実の観点から、市民からの提案など従来型の広聴事業に加えまして、新たな取組として現在デジタルプラットフォームの本格導入に向けた実証実験を重ねております。
 また、私自身地域に出向いて様々な多くの貴重な御意見を伺っているところであります。今後も市民の皆様の声を丁寧にお聞きする機会を積極的につくり、市政に反映させていく市政運営に努めてまいります。

◆荻原委員
 民意というものがよく分からないという職員の声も耳にするところであります。
 住民自治の概念について職員が感性を磨いていく必要があるのではないかとも感じておりまして、住民自治に関する研修を全ての職員が受ける機会をつくるべきと思っておりますが、市長のお考えを伺います。

◎山中市長
 地方自治が住民の意思に基づいて行われるものであるという住民自治の原則は全ての地方自治体の職員が備えるべき基本理念であると考えています。
 特別市の実現を見据え住民自治に関する職員の理解を深めていきたいと考えています。

◆荻原委員
 住民自治を本気で進めていくためには、行政の縦割りを排して住民自治を専門的に研究して提案するタスクフォースが必要なのではないでしょうか。市長の見解を伺います。

◎山中市長
 いただいた御指摘も参考にしつつ、関係部署がしっかりと連携して進めてまいります。

◆荻原委員
 山中市長が今ここでこのように御答弁をされておられるのも全ては市民の力で新しい横浜をつくってくださったということに基づいていると思います。
 IR誘致の事業、そして山中市長がIR誘致を撤回されたこの一連のプロセスを深く反省をして、様々な見地からしっかり未来に生かしていただきたいと、これは心から思っているところでございます。
 住民自治を高めていくことによって、横浜がこれを先鞭をつけて日本の新しい地方政治の姿を切り開いていただきたいと思います。
 このことを強く要望して、終わります。(拍手)