横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

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令和 4年 こども青少年・教育委員会

△横浜市におけるヤングケアラーに関する実態把握調査結果について

○麓委員長
 次に、報告事項に入ります。
 初めに、横浜市におけるヤングケアラーに関する実態把握調査結果についてを議題に供します。
 当局の報告を求めます。

◎吉川こども青少年局長
 それでは、横浜市におけるヤングケアラーに関する実態把握調査結果につきまして御説明を申し上げます。
 お手元に配付しております資料の1ページを御覧ください。
 調査の実施概要について。
 まず、調査目的ですが、横浜市におけるヤングケアラーの生活状況や世話していることによる生活への影響、支援ニーズ等を把握し、適切な支援策を検討します。
 調査対象は、横浜市内の公立学校に通う小学5年生、中学2年生、高校2年生、合計約7万5000人としました。
 調査内容については、学校生活等に関することとして、出席状況や部活動への参加状況、授業への意欲、悩み等、家庭や家族に関することとして、世話をしている家族の有無、状況・頻度、世話をしていることによる影響、周りの大人にしてもらいたいことと等、ヤングケアラーに関することとして、ヤングケアラーという言葉の認知度、自分がヤングケアラーに当てはまると思うかなどとなっています。
 次に、2ページを御覧ください。
 調査手法ですが、各学校を通じ、生徒本人に調査概要や調査回答フォームの二次元コード等を記載した用紙を配布し、各生徒はウェブ上で回答する形式としました。なお、回答は任意となっています。
 調査期間ですが、令和4年6月17日から7月22日まで実施しました。
 回答者数及び回答率ですが、調査全体では回答者数が4万5490人、回答率が約60%となっています。学年別の内訳は記載のとおりとなっています。
 2ページ下のスライドからは主な調査結果となります。
 まず、ヤングケアラーという言葉の認知度ですが、ヤングケアラーという言葉を聞いたことがある子供は、いずれの学年も3割から4割程度となっています。
 3ページを御覧ください。
 世話をしている家族の有無ですが、小学5年生の20.3%、中学2年生の13.5%、高校2年生の5.4%が家族の中に世話している人がいると回答しています。
 次に、自分がヤングケアラーであると思うかについてですが、家族の世話している子供のうち自分がヤングケアラーだと思う子供の割合は、小学5年生の8.6%、中学2年生の6.5%、高校2年生の11%となっています。

(中略)

 10ページを御覧ください。
 調査結果から見えてきたものとして、①家庭が抱える様々な課題、②潜在化する傾向、③生活への影響と周りの大人に望むこととして整理しています。
 まず、①家庭が抱える様々な課題についてですが、幼いきょうだいや高齢の祖父母、障害のある家族など、世話を担う子供が直面している家庭の課題は様々であり、中には複数の課題を抱えている場合もあります。
 そのため、子供や家庭の状況を総合的にアセスメントしながら、適切な福祉サービス等につなげていけるよう、学校、区役所等の関係機関の体制・連携強化により支援を進めていきます。
 11ページを御覧ください。
 次に、②潜在化する傾向についてですが、誰かに相談するほどの悩みではない、相談相手がいない・わからない等の理由で相談経験がない子供が多く見られます。また、ヤングケアラーという言葉の認知度も高いとは言えない状況です。
 そのため、子供本人や周囲の大人に対する広報啓発をさらに推進し、ヤングケアラーの正しい理解を深め、子供たちが声を上げやすくするとともに、地域全体で子供たちを見守り、支える環境づくりを進めていきます。
 次に、③生活への影響と周りの大人に望むことについてですが、勉強や睡眠、部活動等の時間が十分に取れないといった影響が見られます。また、周囲の大人に対しては、お世話や将来のことについての相談支援や学習面のサポートが求められています。
 そのため、子供たちが自分の時間を確保できるよう、身体的な負担を軽減するとともに、悩み相談等の心理的なサポートを行う取組を推進していきます。
 御報告は以上でございます。

○麓委員長
 報告が終わりましたので、質疑に入ります。

◆荻原委員
 このパワーポイント資料の2ページ目と3ページ目に、世話している家族の有無と自分がヤングケアラーであると思うかということの質問がある中で、わからない・答えたくない、無回答というところが一定程度膨らみを持ってあるのかなと思うのです。
 特に自分がヤングケアラーであると思うかというところで、小学5年生、中学2年生、高校2年生、いずれも約3割程度、わからない・答えたくない、無回答ということなのですが、これはどういったことでわからない・答えたくないという答えになっているかというのは、何か分かることがあれば教えていただければと思います。

◎福嶋副局長兼総務部長
 先ほど東委員から御指摘いただいた内容とも関係してくるところありますが、ヤングケアラーは一般に大人が本来担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子供とされてはおりますけれども、法令上の明確な定義がなくて、世話の内容ですとか頻度だけで判別できるものではなく、子供自身もなかなか自分がそれに該当するかどうか分からないという状況があります。
 そのため、今回調査に当たってヤングケアラーに該当する事例のイラストを掲載するなどして工夫はしたのですけれども、それでもやはり自分がヤングケアラーに該当するかどうか判断できない児童だとか生徒が相当数いたのではないかなと考えております。
 ちなみに国の全国調査におきましても同様の質問があるのですが、中学2年生ですとか高校2年生の4割前後がわからないですとか無回答となっておりまして、本市と同様の傾向がございます。

◆荻原委員
 わからないということと答えたくないというのは、かなり答えとしては違う内容かなと思うのですけれども、これは聞くときに選択肢として一緒なのですか、それとも別ですか。

◎福嶋副局長兼総務部長
 わからないと答えたくないは一緒でございます。

◆荻原委員
 この約3割の中で、もしかしたら当てはまるというケースもあるのではないかなと思ったのですけれども、その点はいかがでしょうか。

◎福嶋副局長兼総務部長
 今回は、先ほど御答弁さしあげたとおり、一つの選択肢の中でお聞きしてきましたけれども、これまでのいろいろ支援者の方へのヒアリング等も含めましてお話とかも伺っていますと、やはり声を上げづらいとか上げたくない、言いたくないというお子さんもいらっしゃるというところがあります。
 今回の調査はこういう形で結果として出させていただきましたけれども、一定数そういう方お子さんもいらっしゃるかと思いますので、その辺も今後支援するに当たっては十分留意してまいりたいと思います。

◆荻原委員
 最後、要望として、答えたくないという、本当に悩みが深くて答えられないという状態にあるのは少し心配な状況なのではないかなと感じましたので、この点はぜひ留意していただきながら今後対策を進めていただきたいと思います。お願いいたします。