横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

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令和 6年第1回定例会

△第1回定例会 市第158号、159号、160号について

◆(荻原隆宏君)
 立憲民主党横浜市会議員団の荻原隆宏でございます。
 山中市長御提出の条例改正のための追加議案につきましては、障害者総合支援法や児童福祉法の改正について今春4月1日よりの施行を受けたことによる条例改正でもあること並びに障害者差別解消法や労働基準法の施行を受け同様に今春4月1日より施行される福祉や医療における新たな基準もありますことから、市政にとって重要な点を多く含みますので幾つか山中市長に見解をお伺いをいたします。
 まず、児童福祉法の改正を受けた内閣府令に基づく条例改正である市第158号議案について伺います。
 改正案にある福祉型児童発達支援と医療型児童発達支援との一元化については、医療型の支援を福祉型児童発達支援に統合し、新たに児童発達支援センターにおいて提供することでより身近な地域での支援を可能にすることが主な目的であると思います。横浜市の場合は、改正案で示される児童発達支援センターとは既に市内に9か所ある地域療育センターと同機能を示していると伺いました。したがって、全ての児童発達支援センターで提供すべき医療型支援については、医師や看護師の配置など新規に対応すべき点は特になく、これまでどおりと伺っております。条例改正後におきましても福祉と医療両面にわたって児童一人一人への専門性ある対応を確実に担保をしていただきたいと思います。
 一方、今回の改正によって児童発達支援センターに新たに求められる機能といたしまして、地域の障害児通所支援事業所に対して支援内容などについて助言するスーパーバイズコンサルテーション機能や障害のあるなしや性別、国籍や人種などにかかわらず全ての市民が理解し合い支え合って共に生きることができることを目指すインクルーシブ社会の基礎となる地域のインクルージョン推進の中核としての機能の2つがあり、これらの新たな機能についてどのように対応していくのかについては、地域における支援の連携、そして地域における社会的包摂、インクルージョンの広がりに大きく影響してくるポイントだと思います。
 そこで、全ての児童発達支援センターでスーパーバイズコンサルテーション機能、そして地域のインクルージョン推進の中核としての機能を確保できるように本市はどのように支援していくのか、市長に伺います。
 以前、ある地域療育センターを私が訪れた際に運営されている事業所の方から、子供たちを支援するための車椅子などの様々な福祉用具や活動のための器材を安全に保管できる場所の確保に苦労しているとのお話も伺いました。今改正案によってさらに業務が増える中で子供たちや保護者の皆さん、地域の皆さん、そして支援する方々が安心して支援を受け、支援をすることのできる環境を整えていただくことを要望をいたします。
 次に、管理者の専従緩和について伺います。障害児通所支援事業所の管理者が事業所の管理上支障がない場合、他の事業所等の職務に従事できることとなりますけれども、このことによって管理者の業務は増えることになると思います。報酬などの待遇面でしっかり対応ができるのか、また、適切な働き方が担保されるのか、管理者が多忙を極めることで子供たちへの支援に影響が及ぶことにつながらないよう横浜市として事業所をしっかり支援する必要があると思います。市長の見解を伺います。
 次に、今改正案で新たに加わる概念、インクルージョンについて伺います。誰一人取り残さず障害のあるなしや性別、国籍や人種などにかかわらず全ての人々を包摂することを意味するインクルージョンという概念は、福祉と医療の世界にとどまらずこれからの日本社会に最も重要な概念であると私は捉えております。今改正案にも、指定障害児相談支援事業者は障害の有無にかかわらず全ての児童が共に成長できるようインクルージョンの推進に努めなければならないと定められています。学校教育において全ての子供が共に学ぶことができるインクルーシブ教育の推進については、2022年9月に国連より日本に勧告されたことも受け横浜市においても積極的に進めていただきたいと思っておりますし、今改正案で示されているインクルージョン推進の観点から、全ての障害児が指定児童発達支援事業者等や地域の保育・教育機関等による支援を円滑に受けることができるように、また、地域における暮らしに困難が生じることなどがないように、指定障害児相談支援をはじめ障害児やその家族など、また、地域にとって必要な支援体制を横浜市は万全に整えていただきたいと思いますが、市長の見解を伺います。
 次に、障害者総合支援法の改正を受けた条例改正案である第159号議案について伺います。
 今改正案において個別支援計画の作成に当たり利用者の希望する生活や課題などの把握を行うアセスメントについて、地域生活への移行に関する利用者の意向確認を行うことや利用者が自ら意思を決定することに困難を抱える場合には、適切に意思決定を行うため当該利用者の意思及び選好並びに判断能力等について丁寧に把握しなければならないとされています。地域移行をするかしないかなどの意思決定によって利用者の人生は大きく変わります。自ら意思決定を行うことに困難を抱える利用者にとっては支援する側の福祉的スキルが高度に求められる支援内容でもあり、利用者が真に望む意思決定がされるよう確かな支援及びアセスメントが求められると思います。意思決定に携わる福祉人材の確保やそのノウハウの共有について市がしっかり支援する必要があると考えますが、今後市は利用者の意思決定にどのように関わり支えていくのか、市長の見解を伺います。
 次に、地域移行について伺います。
 今改正案において地域移行等意向確認担当者による全ての入所者に対しての地域生活への移行及び施設外の日中サービス利用に関する意向確認が義務づけられますが、地域移行を望む入所者にとって移行先である地域における支援体制が極めて重要になると思います。障害のあるなしにかかわらず安心して自由に主体的に暮らせるインクルーシブな社会づくりがまさに求められるところだろうと思います。山中市長は令和6年度の市政運営の基本方針において、インクルーシブなまちづくりとの言葉を添えてのげやまインクルーシブ構想を打ち出し、インクルーシブスポーツの推進やインクルーシブな公園づくりなどインクルーシブ社会の実現に向けて着実に取組を進めているところだと思います。ぜひインクルーシブなまちづくりを力強く進めていただきながら、利用者の皆様が安心して地域に移行して暮らせる横浜にしていただきたいと思います。
 私は、重度知的障害者の入所施設で働いておりました際に、利用者がどうしたいのか、どうしてほしいのか全く分からない日々が続きました。しかし、ベテランの職員さんと利用者さんが接すると表情も行動も穏やかに変わっていくのを見るうちに、利用者の幸せにとって最も大切なことは良好な人間的な関係性の構築と、誰と一緒に暮らすかについて利用者が自由に選択できることだと思い至りました。つまり、私たち人間はみんな同じだということであります。利用者の地域移行を進めるに当たり利用者の主体的な選択を支えながら地域における支援体制づくりを今後どのように進めていくのか、市長のお考えを伺います。
 次に、令和6年度介護報酬改定に基づく条例改正である市第160号議案について伺います。
 今改正案によって介護現場の生産性向上の取組を推進するとの観点から、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置が短期入所系、多機能系、居宅系、施設系の各サービス共通に義務づけられることになります。介護現場における生産性の向上については職員の働きやすい職場環境づくりのための方策である一方、作業の効率化によって利用者の不利益につながることのないよう利用者の安全ある処遇の確保に万全に取り組む必要があると感じています。そこで、生産性向上の推進に当たっては利用者の処遇に支障が生じることなく必要なサービスが行き渡るよう委員会の運営が万全になされてほしいところでございますが、市はこの取組に対してどのように支援をしていくのか、市長に伺います。
 次に、これまで伺ってまいりました市第158、159、160号の3つの議案を総括して質問をさせていただきます。
 この4月1日から障害者総合支援法と児童福祉法の改正法が施行を迎え、それを受けての今般の条例改正議案の提出となっております。また、この4月1日からは障害者差別解消法による障害者への合理的配慮の提供の全ての事業者に対する義務づけも始まります。児童福祉及び障害者施策がステップアップする大切な年度となります。2024年度の横浜市予算案が現在審議されておりますけれども、この追加議案による改正を受けた後にしっかりと福祉現場で働く福祉職の人材確保及び業務増加に対応する待遇の確保、そして支援策の確保が、まずは2024年度の取組に求められるところだと思います。また、視野に入れるべきは2024年度だけではありません。今後人口減少が進み人手不足も進む中で、児童福祉、障害児者福祉、高齢者福祉における全ての福祉現場における支え手もますます減少していくことに自治体は危機感を持って先手を打って対応していく必要があると思います。
 令和6年度介護報酬改定に関する審議報告書においても、生産年齢人口の減少が顕著になり、介護を含む各分野における人材不足がさらに大きな課題となると総論において述べられ、人材不足の課題に対応していくことが喫緊の課題との認識が記されております。今生まれる子供たちが社会に巣立つ2040年頃には社会を支える現役世代が現在の8割となる8掛け社会となり、高齢化率も35%となると予測されています。福祉を支えるのは公の重要な仕事です。今後、中長期的な視野でどのように福祉人材を確保していくのか、そして、今改正案による業務増加に対応する福祉職の待遇の確保と事業者や福祉職への支援策の確保について市長のお考えを伺います。
 次に、福祉職員の待遇の向上について伺います。障害のある方々が暮らす場所、働く場所を自由に決定でき、人生を生きていくためには行政と地域の支えが必要不可欠です。障害のあるなしは社会の中にこそあります。社会的バリアを除いていくことは行政の重要な任務です。また、一人一人の心のバリアをなくしていくこと、これも行政の大切な任務です。今条例改正の基となる障害者総合支援法、児童福祉法の理念は、全ての国民は障害の有無にかかわらずかけがえのない個人として尊重されるというものです。この理念の実現のためには福祉現場で働く全ての職員の待遇を向上させ、多くの人々、多くの若者に福祉現場にやりがいと希望を感じながら長く働いていただける環境を整え質の高い持続可能な福祉を構築することが必要であり、その実現こそ少子高齢人口減社会を乗り越えるための自治体の最大の責務であると私は思います。今改正案によって福祉現場に様々な新しい業務が加わることになります。物価高が続き生活費もかさんでいく昨今において、福祉人材の確保策についてこれまで以上に取り組む必要があります。
 グループホームの現場からは、障害者総合支援法によって進められている形はよいけれども、しかし、量と質両面にわたって福祉現場は追いついていないとの声をお聞かせいただいております。基本給は低く、僅かな額の加算を積み重ね加算加算によってようやく給料らしい額面になる。しかし、本来は生活の基本を支えるのが基本給と呼ばれるにふさわしい給与であって、基本給だけでは生活が成り立たないような報酬では、そして高齢者や障害児者をしっかり支援できるスキルのあるふさわしい人が現場にいられないような報酬では、福祉は崩壊してしまいます。給与は足りないけれどもボランティア精神で頑張れ頑張れでは、福祉でなくともどの産業も維持できないと思います。長く働いた職員ほど給与が上がるために、長く働いてスキルが身についた人ほど福祉の現場にいられなくなるのが今の日本の福祉の実態です。
 これまで数年にわたって行政職員の方々とお話をさせていただいている限りでは、大変残念ながら横浜市はこの福祉現場の切迫した苦境を理解できていないのではないかと私は指摘せざるを得ません。ぜひ現場の声を聞き、分かってもらいたいと思います。我が会派は数年にわたりまして横浜で働く福祉職のモデル賃金を設定して、退職後まで見据えた安定した生活を福祉職の方々に保障できる待遇策を要望させていただいております。このモデル賃金設定の検討を何としても始めてもらいたいと切に思います。児童福祉、障害児者福祉、高齢者福祉それぞれの現場で働く全ての福祉職員の待遇の向上を実現させ、福祉という人を支える貴い仕事の魅力を伝え向上させ、志を持って福祉の世界に生きる決意をした若者たちの思いに市はしっかりと応えて、その人生が十分に希望ある将来を描けるものとするために横浜市はこれからどのように取り組んでいただけるのか、モデル賃金設定の実施を含めて市長のお考えを伺います。
 昨年9月、私は横浜市立市民病院で直腸がん手術を受け肛門を摘出し、人工肛門を造設してオストメイトになりました。その際、術後二、三日で人工肛門のパウチ、パウチというのはここで排せつ物を受け止める袋のことでございますけれども、パウチを術後におきましては2日で交換しなければならないわけですが、パウチ装具につきまして販売会社の選定と、パウチを剥離するためのリムーバーがあるのですけれども、これら装具製品の選定については病院側からあっせんすることは禁じられているために自分で発注しなければなりませんでした。新型コロナウイルス感染防止のため、この時期入院病棟には家族も入れませんでしたので、自分でスマホからホームページを検索して販売会社を選定し、見たこともない製品を選ばなければならない状況となりました。私はまだ両手に点滴針が入って、体液排出のためのドレーンが肛門周辺と腹部に入り、排尿のための管も尿管に挿入されている状態でございましたので、全く知らない会社や製品を一人で選定発注することは少々荷が重く、看護師さんがフォローしてくださりパウチの発注まで至ることができました。
 この際感じましたのは医療現場のあまりの忙しさと医療と福祉の間のエアポケットでございました。私の場合は偶然に相談した看護師さんがストーマ、ストーマというのは人工肛門のことです、ストーマ専門の看護師さんを偶然に廊下で見つけることができて、そして私はより適切なパウチの選定に至れたわけでございますが、医療的な知見から製品を選ぶことは非常に大切なことでございますし、どの会社から製品を購入するかある程度の知識を教えていただける相談体制はあってほしいと思いました。
 看護師さんも忙しい、お医者さんも忙しい、相談できる相手もいない。医療から福祉へ渡る橋渡し役が必要だと思いまして、今回質問させていただきたいと思いまして事前に行政と対話をさせていただきましたところ、今度は行政組織における医療と福祉のエアポケットをかいま見ることとなりました。私の入院の体験を通じて質問したいと介護担当の職員にお尋ねをさせていただきますと、それは医療などで分からない、今改正に関わる福祉装具については介護保険の対象ではないので答えられない、私が入院で体験した分野というのは介護分野ではなく障害分野なので答えられないと複数の職員からこのようにお答えをいただいた次第です。行政職員がそれぞれの所管を意識して仕事することには全く問題はありません。しかし、所管ではない分野について市民から問われたときに、それは私の所管ではないから答えられないという対応で終わってはならないのであって、市民に寄り添うということはどうすれば次のステップに進めるのか、次の担当につなぐところまで伴走して案内するのが行政職員の最低限あるべき姿だと私は思っております。
 先ほども触れました令和6年度介護報酬改定に関する審議報告書の中でも、医療、介護の複合ニーズを有する患者、利用者が増加していることに触れ、医療の視点を踏まえたケアマネジメントを進める必要性について述べられています。日本人の2人に一人ががんになる時代です。がん患者をはじめ病を抱えながら社会で働き活躍する方々が今後ますます増えていくと思います。その方々を支援するためにも医療と福祉、さらには労働分野との連携も深めていく必要があると思います。
 横浜市は巨大組織であるがゆえに市民の立場より組織の立場を優先しがちではないかと思う場面に多々遭遇します。一人一人の職員が悪いとは私は思えません。誰が悪いということではないのです。ただ、組織の都合よりも市民を第一に考えてほしいだけなのです。市民にとって問題を解決するに当たって職員の所管は全く関係のないことです。これは山中市長の市民のために働きたいという市長選のときの思いを職員としっかり共有していただくことで初めて職員は安心して所管の壁を越えていけるのだと思います。
 病院で私が体験しましたエアポケットは、まず横浜市の医療行政と福祉行政がもっと連携して互いの分野に関心を持って自分の所管以外の相談が来たときにも適切な担当職員に自らつなげられるように関係を深めていくべきだと思います。それができなければ、今改正案に定められている医療と介護の連携も実現できないと思います。患者及び利用者の立場に立つ支援の提供のために縦割り行政を改めて医療行政と福祉行政の連携を深めるべきと思いますが、市長の見解を伺います。
 最後に、市長の医療と福祉への思いについてお伺いします。
 令和6年度の市政運営の基本方針の中では個々に福祉に関連する政策が述べられておりますが、福祉という言葉そのものは出てきません。昨年度の市政運営の基本方針にも出ておりませんでした。そして、山中市長のホームページに掲載されています政策の中にも福祉という言葉は見当たりません。この点はぜひ今後は福祉について力強く発信をしていただきたいと提案をさせていただきたいと思います。児童福祉と障害者福祉と高齢者福祉は三位一体です。さらに言えば、これからはここに医療も加わり、今改正案にもあるように医福連携について大きく問われてくると思います。福祉と医療において利用者及び患者と福祉、医療従事者とのつながり、また、福祉施設と医療機関とのつながりをいかにつくり上げていくか。今改正案は、利用者の意思決定支援、就職選択、地域移行支援などをこれまで以上に利用者に寄り添って行えるように様々な会議体をつくってアセスメントを行うことを定めることに主眼が置かれていると思います。また、介護事業者と医療機関との連携の義務づけを行うことについても医療と福祉との連携の必要性を示しております。さらに、この4月1日からは労働基準法の猶予の期限を終え、勤務医の長時間労働を是正するため医師にも時間外労働の規制の適用が始まります。医療現場における人材の確保もますます必要となってきます。
 医療においても福祉においてもいかに人材を確保してサービスの質を高め利用者の人生により多くの幸せをもたらすことができるかが問われていると思います。今回の改正案につきましては、障害者総合支援法や児童福祉法の理念実現のために大きく一歩を踏み出す福祉や医療にとっての大事なエポックと捉えて取り組んでいただきたいと思います。
 福祉は幸せを意味すると辞書にあります。福祉は人の幸せをつくる仕事であり、福祉は人の世の救いだと私は思っております。山中市長におかれましては市のトップとして、人間の苦悩と向き合う福祉及び医療の現場に働く皆さん、そして何より苦悩を抱える患者、利用者の皆さんの立場に最後の最後まで立ち続ける横浜市であることを市職員全員で共有をしていただきたいと思います。患者及び障害児者の幸せな暮らしと医療及び福祉に従事する職員の幸せな暮らしを支えるために横浜市の医療及び福祉はどうあるべきかについて市長のお考えを伺います。
 結びになりますけれども、私は今、永久ストーマを造設した障害4級の身体障害者であり、現在抗がん剤治療を受けているところであります。この新しい状況になってからここまでの間、市民の皆様から、また、ここにおられます議員の皆様から、そして議会局の皆様、行政職員の皆様から賜っております大変深い御理解と温かい励ましのお言葉に毎日生きる勇気をいただいております。この場をお借りしまして心より深く感謝を申し上げます。誠にありがとうございます。(拍手)
 真に市民に寄り添うということは、問題解決を諦めずに市民と心を合わせて社会に希望を持ち続けることです。今改正案を市民に寄り添い地域において丁寧に展開するためにも職員が安心して行政の縦割りを打破していけるよう、山中市長は頑張って組織より市民を守り大切にする横浜市にしていただきたいと思います。私も新しい体をいただき、新しい人生を歩ませていただきながら、障害のある、病を抱える市民のためさらに私にできることを尽くしてまいりたいと思っております。
 人生はすばらしいものとがんになり改めて思っております。この世に生を受けた者はみんなすばらしい人生を幸せに生きる権利があります。その一人一人の権利を守るために福祉と医療の人材の確保、連携の深化に全力を傾注していただくことを山中市長をはじめ横浜市行政職員の皆様に心から要望させていただきまして、立憲民主党を代表いたしましての私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(瀬之間康浩君)
 山中市長。〔市長山中竹春君登壇〕

◎市長(山中竹春君)
 荻原議員の御質問にお答えいたします。
 市第158号議案について御質問をいただきました。
 児童発達支援センターが地域の中核として機能を確保するための支援についてですが、本市では地域療育センターを地域の中核機関と位置づけ、専門職が保育所や小学校を訪問し、児童の特性に応じた対応方法等のアドバイスを行うなど現在もスーパーバイズコンサルテーション機能を有しております。これらの取組を通じてインクルージョンが推進され、障害のあるお子さんが地域で充実した生活が送れるよう引き続き地域療育センターと連携をして取組を進めてまいります。
 管理者の業務の増加に伴う管理者の待遇面や働き方について支援をすべきとのことですが、児童発達支援事業所等の管理者は、事業所全体の運営を担うという責務を果たしつつ緊急時には速やかに出勤できるなど一定の条件の下テレワーク等を活用しながら兼務ができることとなる予定であります。待遇につきましては、今後の報酬改定における処遇改善の状況を踏まえまして、必要に応じて国への要望等を検討してまいります。
 インクルージョン推進の観点から必要な体制を整えるべきとのことですが、全ての児童が地域で共に成長できるようにするためには、障害児相談支援事業者をはじめとする相談支援体制の充実により障害のある児童が地域で保育や教育等を受けられるように支援をしていくことが大切であります。一方で障害児相談支援事業には報酬の低さなどの課題がございますため本市独自の補助や国への要望を行っており、引き続き支援の充実に向けまして全力で取り組んでまいります。
 市第159号議案について御質問をいただきました。
 意思決定支援に対する関わりと支援策ですが、障害のある方の意思決定に当たりましては、全ての障害福祉事業所が日常の支援において本人の思いや希望を丁寧にアセスメントし対応することになります。本市では、アセスメントを行う職員のスキルアップを図るため意思決定支援に係る研修の実施や事業所の枠を超えて好事例の共有を図ること等を通じて人材を育成し支援の質の向上を図ってまいります。
 障害者入所施設からの移行先の支援体制づくりの考え方でありますが、本市では、障害福祉事業所や基幹相談支援センターなど地域の関係機関が一体となって障害のある方の地域生活を支えるネットワークを構築し支援を行っております。また、地域でのお住まいとしてグループホームの整備に取り組んでおります。引き続きこれらの取組を重層的に推進していくことで障害のある方の地域生活をしっかりと支えてまいります。
 市第160号議案について御質問をいただきました。
 生産性向上委員会への支援内容でありますが、市内の介護事業所を対象にセミナー等を開催いたしまして生産性向上に取り組む意義についての理解の促進を図ってまいります。また、ICTや介護ロボットの活用、タスクシェアの導入の促進に向けてモデル事業所を選定いたしまして課題の整理や解決手法の提案などの伴走支援を行い、報告会等を通じて市内事業所に横展開を図ってまいります。こうした取組を通じて生産性の向上の検討が進むよう支援をしてまいります。
 市第158号議案から市第160号議案について御質問をいただきました。
 福祉職の人材確保等に関する予算計上の状況と今後の方針でありますが、国では、福祉職の確保や待遇の改善につながるよう介護報酬や障害福祉サービス等報酬の改定が行われます。本市では、介護人材の確保や定着に向けまして住居借り上げ費用の補助、介護職経験者の復職支援、介護事業者向けのハラスメント対策に取り組んでまいります。また、障害福祉事業所等に対しましては、職員の処遇改善や人材確保などを目的とした本市独自の助成を引き続き行ってまいります。今後も福祉現場で働く皆様が安心して利用者への支援に従事ができますよう取組を進めてまいります。
 福祉現場でやりがいと希望を感じながら長く働いていただけるよう本市独自の福祉職のモデル賃金を設定し福祉の仕事の魅力を向上していくべきとのことでありますが、福祉サービスを利用する障害児者や高齢者にとりまして現場で働く職員は生活を支える大切な存在であります。将来にわたり質の高いサービスを維持していくためには一人でも多くの方に福祉の世界で活躍をしたい、そう思っていただけることが必要です。今後も福祉の仕事の魅力の発信やICTの導入などの負担軽減の取組をしっかりと進めてまいります。また、賃金や処遇改善などに対しては本市として検討していくとともに引き続き国へ改善を要望をしてまいります。
 医療行政と福祉行政との連携を深めるべきとのことですが、障害がある方など医療と介護など一体的な対応が必要な場合が多くございます。また、今後さらなる高齢化の進展によって医療とともに介護などの福祉サービスを同時に必要とする方が増えてまいります。医療、福祉それぞれの分野の専門性を高めつつ、同時に専門職同士の連携の強化やDXを活用した情報の共有化などを進め、質の高い医療、福祉の一体的なサービスを実現してまいります。引き続き医療局と健康福祉局とがより一層緊密に連携をしてしっかりと対応を進めてまいります。
 本市の医療及び福祉についての考え方でありますが、私は市長就任以降、子供から高齢者まで、また、障害児者の皆様や御家族の安心した暮らしを支えたいという考えの下様々な施策を展開しております。また、医療や福祉の現場で日々当事者や御家族に寄り添って丁寧に支援をしてくださっている皆様に改めて感謝を申し上げます。今後も当事者や御家族に寄り添いながら現場の皆様の声に耳をしっかりと傾け医療、福祉の充実に力を注いでまいる所存です。
 以上、荻原議員の御質問に御答弁を申し上げました。