横浜市議会議員 おぎわら隆宏

 

市政報告/議事録

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令和 6年 大都市行財政制度特別委員会

△新たな大都市制度の創設に向けた検討状況等について

○川口広委員長
 それでは、議題に入ります。
 初めに、新たな大都市制度の創設に向けた検討状況等についてを議題に供します。
 なお、当局からの発言に際しては着座のままで結構です。
 当局の説明を求めます。

◎松浦政策経営局長
 新たな大都市制度の創設に向けた検討状況等につきまして、橘田大都市制度推進本部室長より御説明いたします。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 それでは、お手元にお配りしております資料に基づき御説明いたします。
 1の横浜市の取組についてを御覧ください。
 (1)市民向け説明会ですが、本市が目指す特別市に係る理解促進と法制化の実現に向けた機運醸成のため、昨年度に引き続き、地域活動にご尽力いただいている市民の皆様などを対象とした説明会を全18区で随時開催します。
 また、広く市民の皆様を対象としたシンポジウムを引き続き開催するほか、自治会町内会や市民グループなどの団体を対象とした出前説明会も実施いたします。

(中略)

 次に、2、指定都市市長会の取組についてですが、令和6年7月25日に、指定都市市長会の多様な大都市制度実現プロジェクト会議が開催されました。
 プロジェクト会議の概要ですが、①として、国に要請活動を行うため、次期地方制度調査会における調査審議に関する指定都市市長会要請を取りまとめ、同日開催の指定都市市長会議において採択されました。
 要請の内容ですが、1として、我が国を取り巻く危機的な状況と将来をしっかりと見据え、指定都市が果たす役割や大都市制度の在り方について、次期地方制度調査会において調査審議を行い、特別市の法制化に向けた議論を加速すること。2として、次期地方制度調査会に向けた検討を進める際には、現場の実情を知る指定都市に対して、あらかじめ十分な意見聴取を行うことの2点でございます。
 ②として、11月に開催予定の次回のプロジェクト会議において、多様な大都市制度の実現に向けた新たな提言の素案を取りまとめることを目指し、今後、同提言の素案に沿った説明・根拠資料を作成していくことを確認いたしました。
 ③として、政党に対する公約要請や、指定都市を応援する国会議員の会の全体会の開催、経済同友会との意見交換などについて、今後の予定や方向性等を確認いたしました。
 3の添付資料として、(1)国への横浜市独自要望文、(2)次期地方制度調査会における調査審議に関する指定都市市長会要請、(3)として、多様な大都市制度実現プロジェクト概要を添付しておりますので、後ほど御覧ください。
 説明は以上でございます。

○川口広委員長
 説明が終わりましたので、質疑に入ります。

◆荻原隆宏委員
 まず、市民向け説明会のところなのですけれども、自治会町内会や市民グループなどの団体を対象とした出前説明会を実施しますとあるのですが、この出前説明会というのはどういう形で行われるのか。もう少し詳しく教えてください。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 出前説明会、これは毎年実施しております。
 内容としては、市民の方がグループで申込みをしていただいて、どのようなグループであっても、直接、指定の場所に職員が出向いて説明するという形でやっております。例年ですと、自治会町内会の中でも、例えば地域の説明会を聞いた後、もう少し詳しい話を聞きたいということで、地区連合あるいは単位町内会等のグループで申込みをしていただいたり、その自治会町内会とは全く関係のない市民団体のグループも、話を聞きたいという申出があれば、直接職員が出向いて説明をする、そういう出前説明会を開催しているところでございます。

◆荻原隆宏委員
 この出前説明会というのは、いつから始まって、毎年何回開催されているか、どこで開催されているかというのは分かりますでしょうか。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 出前説明会は、市のほうで大都市制度の議論を始めた当時ですので、もう10年以上前から毎年開催をしておりまして、ホームページ等に告知して、そこでそれを見ていただいた市民の方から申込みをいただいて実施するということです。
 会場については、基本的に申し込んでいただいた市民グループの方が指定する会場ですね。例えば、自治会町内会ですと自治会町内会の会館とか、あるいは地元の学校とか、そういった会場を確保していただいて、そこに職員が出向いて説明をするという形になっています。
 実績について、今手元にないのですが、昨年度の実績ですと、年間を通して全体で16の団体から、延べ約300人の方にお聞きいただいたという形になっております。

◆荻原隆宏委員
 この出前説明会と前段の文章にある説明会というのは、またこれは別で行われているということですよね。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 別のものでございます。

◆荻原隆宏委員
 そうすると、出前説明会でない市民の皆様などを対象とした説明会というのは、毎年、計画立てて行われているということでよろしいでしょうか。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 前段のほうの市民の皆様を対象とした、地域活動に御尽力いただいている方への説明会というのは、昨年度から18区で開催しております。昨年度、18区で開催したのですが、全ての地域活動に参加している市民の方が参加できるということではなくて、まだ聞いたことがないという市民の方も大勢いるということで、引き続き今年度も18区で、区役所が窓口になって周知していただいて開催しているものでございます。

◆荻原隆宏委員
 行政側で準備をして、この日やりますよと。その対象となる市民の皆さんはどなたでも結構ですという形で、この前段に書いてある全18区で順次開催するというのが行われているということですか。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 前段に書いてあるのは、区役所のほうで地域活動をしている市民の方ということですので、実質的には、例えば区連合町内会等で御説明をして、各地区の連合のほうに周知していただいて、そこから申込みをしていただいて参加していただくという形態を取っております。

◆荻原隆宏委員
 そうすると、区役所が参加者を決めているのか。それとも、区役所は参加をどなたでもいいですよという形で呼びかけているのか。これはどちらになるのでしょうか。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 区役所を通して、地域の連合町内会のほうに参加者を募っていただくという形になっています。ですから、連合町内会のほうで、それぞれ地域の方、回覧等で周知する場合もありますし、会合等で周知して参加者を取りまとめていただくと、そういう形態を取っております。

◆荻原隆宏委員
 次、裏面になるのですけれども、まずプロジェクト会議概要のところで、次期地方制度調査会における調査審議に関する指定都市市長会要請の内容という括弧囲いの中の1番の我が国を取り巻く危機的な状況とあるのですけれども、この危機的な状況というのは、主にこの指定都市市長会の中でどういったことを危機的な状況と捉えていらっしゃるのか、教えてください。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 添付資料の資料2に、全体の要請書を添付させていただきました。これに記載しておりますが、まず、我が国全体の総人口が減少局面になっているということと、先日発表された人口戦略会議のレポートだと、全国の4割に当たる744の自治体が消滅可能性自治体になっているという状況とか、あるいは我が国全体の経済の停滞によって国際的な地位等も低下して、多極分散型の社会が必要になっているのではないかと、そういった様々な状況を捉えまして、我が国における危機的な状況と、そういう形でここでは表現しております。

◆荻原隆宏委員
 この危機的な状況の中に、例えば、政令市の区の在り方などが、地方制度調査会でも指摘をされてきたところだと思うのですけれども、そういった民主的機能に関することについての危機感の共有というのはできているのでしょうか。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 今、委員御指摘の部分というのは、第30次の地方制度調査会の答申の中でも、都市内分権という形で指摘されているわけでございまして、それはさらに検討すべき課題という形で、当然、特別市の議論の中でその都市内分権、区の在り方をどうしていくのかというのは、当然この指定都市の市長会の中でもしっかり議論を重ねている、そういう問題認識を持っているという状況であると考えております。

◆荻原隆宏委員
 資料2の中で今お示しいただきました上から2段落目の地域の実情を踏まえて、基礎自治体同士の一層の連携や、都道府県と市町村との二層制をさらに柔軟化するなどというところなのですけれども、この二層制をさらに柔軟化するという部分は、具体的にどういったことを想定されて市長会の中で議論されているのか、教えてください。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 この二層制の柔軟化というのは、第32次の地方制度調査会の中でも議論されています。都道府県・市町村という二層制、原則、市町村がやる仕事、都道府県がやる仕事という形でコンクリートしていくだけではなくて、例えば、市町村については基礎自治体間で連携をしてやっていく仕組みもあるでしょうし、あるいは小さな市町村の場合、なかなかそれができない場合は、都道府県がその補完をしていくというやり方もあるでしょう。
 そういう様々なやり方の中に、例えば特別市という形になりますと、県の仕事も特別市がやる形になりますので、そういうそれぞれの地方自治体が、柔軟にその実情に合った形で仕事ができるような仕組みをつくっていくという観点から、ここでは都道府県と市町村の二層制をさらに柔軟化するなど、在り方を抜本的に見直すことが不可欠であるという形で整理をしていると考えております。

◆荻原隆宏委員
 そうすると、資料3の9ページになると思いますが、多様な大都市制度の実現に向けた新たな提言の骨子案の地方行政の在り方を再検討する必要性で、一番上の丸ポツの2つ目のチェックにある二層制をさらに柔軟化する必要ということが語られているのですけれども、今、橘田室長がおっしゃっていただいたその二層制についての話と、この部分というのは同じ話を指摘しているということでよろしいでしょうか。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 二層制の柔軟化、先ほど私がお話しした前段の部分、都道府県の補完とか、基礎自治体間の連携というのは今の枠組みの中でもやれる部分はあるかと思うのですが、ここの2つ目に言っているのは、その二層制のさらなる柔軟化の中に、特別市という形の一層制の自治体を柔軟につくっていけるようなことをしていくという意味で、ここではさらに柔軟化が必要だという形で記載していると考えております。

◆荻原隆宏委員
 この文章を読むと、資料3の2番目のチェックのほうは、指定都市がその課題解消に取り組めるようにするため、長年にわたり変わらない二層制をさらに柔軟化する必要とあるのですけれども、この文章そのものを見ると、指定都市に今、実際、区制度がある中で、しかしながら、その区には公選制もなく議会もないという状況の中で、民主的機能の強化が必要であると、第30次の地方制度調査会で指摘された。
 その点を踏まえた特別市をつくるにあたっても、指定都市の中でのこれまでの二層制について、今の一層制という言葉で特別市を進めているけれども、二層制の持つ重要性をしっかり踏まえて特別市をつくっていくべきだということにつながっていけるのかどうかという点ですね。その点はいかがお考えでしょうか。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 特別市が県の仕事と現在の政令市の仕事両方を行っていくということになりますと、当然その所掌範囲というのは非常に広くなりますので、より住民に近いところでやれることをやっていける仕組みというのは当然必要になってまいりますので、区の在り方、区への予算の拡充とか、権限の強化だとか、そういったものは、先ほど委員が言った民主的正統性を持つ形にしていくということも含めて、そこの仕組みというのは当然、特別市の中で考えていくべき課題だと考えております。

◆荻原隆宏委員
 今、橘田室長にお答えいただいたその方向性の中で、特別市の中において、いかに民主的正当性を得られるのかということについて、横浜市は最大の人口を抱える指定都市でございますから、市長会の中でぜひともその問題点の共有をより一層できるようにしていただいて、この1枚目で語っていただいた裏面の2ページ目の真ん中辺りにある、11月に多様な大都市制度の実現に向けた新たな提言(素案)を取りまとめていくんだということでございますので、その点をしっかり横浜市から指摘していただいて、第30次地方制度調査会で指摘されたことを深掘りされた素案という形で出てくるように取り組んでいただきたいと思っておりますけれども、この点橘田室長はどのようにお考えいただけるでしょうか。

◎橘田大都市制度推進本部室長
 今後、当然この提言の素案の議論が、事務レベルでの作業部会でも議論がありますので、当然作業部会の中でも、区の在り方の部分をどこまでここで盛り込んでいくのかも含めて、しっかり議論をしていきたいと考えております。

◆荻原隆宏委員
 最後に、同じことについて局長の御見解をお伺いします。

◎松浦政策経営局長
 この間、私どもも委員の皆様方と一緒になって、この特別市を目指した議論をさせてもらう中では、今、委員がおっしゃられた区の民主性の確保についても相当の議論がされています。ましてや、これから指定都市事務局の中で、また今年の秋に向けて議論がされていく中におきましては、先ほど橘田室長が言いましたけれども、第30次地方制度調査会の中でもこの件については課題視されていたところだと思っていますので、しっかりと事務レベルの協議も踏まえて、本市のほうとしての意見を発信していければと思っております。