おぎわら隆宏
 
HOME / おぎわら隆宏ブログ / 令和6年第1回区づくり推進会議が行われました

令和6年第1回区づくり推進会議が行われました

昨日は西区の区づくり推進会議がありました。

 

政令市には区議会がないので、横浜市の場合は、その区で選出されている市議と、区長や消防署長、土木事務所長、福祉保健センター長や各課長など職員が定例会ごとに集まって、区政について話し合います。

 

昨日は、西区の来年度予算案に基づいて、私からは、①要援護者の個別避難計画の策定状況、②発災直後から地域防災拠点立ち上げまでの連絡体勢、③「公助」の具体的な役割や状況についての区民との共有、④「#のげやまインクルーシブ」と共にインクルーシブスポーツを通じた包摂的社会の構築、⑤スクールゾーンなどでの受動喫煙防止対策の強化、等々について区職員の皆さんに意見を伺いました。

 

①の個別避難計画については、鶴見区や港北区でモデル事業として進めた経緯はあるものの、市全体として策定作業を進めてはいないとのことで、西区では個別避難計画の策定作業は行われていないことが分かりました。災害対策基本法では、市町村に要援護者の個別避難計画策定の努力義務を課していますので、横浜市全体として策定を進める必要があります。能登半島地震で被災された障がいある皆さんの避難先としての福祉避難所が、その立ち上げと運営に大きな困難を抱えておられる実態が報道されるなかで、横浜市においてこれまで曖昧であった要援護者の皆様の避難計画について、一人一人に寄り添った計画策定を着実に進めるよう求めていきたいと思います。

 

②の発災直後の区役所と地域の連絡体制については、現在はまず地域防災拠点を立ち上げてから、地域防災拠点と区役所との第一報となる連絡を結ぶという段取りになっており、発災直後から地域防災拠点を立ち上げるまでの時間においては、区役所と地域との連絡が明確には確保できていない状況となっていることも確認できましたので、この発災直後時点での情報共有手段の構築が必要だという認識を私から示させて頂きました。発災直後は、区役所職員も消防署職員もその他県や国の機関においても発災現場の情報が不足する事態に陥ることが能登半島地震の初動期における最大の反省点ではないかと私は感じていますので、改善が必要だと強く思います。初動期に情報がないから動けなかったでは済まされないことですし、初動期に動けない公助は存在意義が問われることだと思います。この点、現在の日本は発災初動期においては自助共助に大きく依存していると言わざるを得ないと思います。公助のあり方と捉え方を大きく変革していく必要があります。これが③の論点です。

 

横浜市では自助共助が強調される昨今ですが、その二つは間違いなく大切と思いますが、しかし、過度に自助共助に依存する防災政策は、政治家や行政の不作為と言うべきです。

防災には、自助も共助も公助も、どれ一つ欠かせないものだということであって、政治家や行政は「公助」の能力を高め続ける使命があります。

 

その認識の上で、物理的に消防隊員も消防車にも数に限りがあるので、全力で対応するけども、377万人都市で、どうしても対応し切れないことが発生するだろうということの、公助の限界を具体的に市民と共有することから、自助共助の実際が始められるのではないかと思います。この度の能登半島地震において、初動から現在に至るまで、どれだけの公助が機能出来たのか、これから日々常に検証されるべきだと思います。

 

阪神淡路大震災で被災してから29年。その経験を経て、この間、自分に一体何が出来たのか。日々自省する毎日です。改めまして、能登半島地震で被災された皆様にお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた皆様に心から哀悼の意を表したいと思います。被災された皆様が、一日も早く穏やかな日常を取り戻せることを心から願っています。

 

④の「のげやまインクルーシブ」は大変意義のある事業になると思っています。これからの日本社会は大きく二つ重要な点があると私は思っています。一つは、多くの国々から日本に移住して働く人々との共生。もう一つは、インクルーシブ・ソサエティ(包摂的社会)の構築です。日本はもともと海外から多くの人々が流入して様々な文化を取り入れて日本の独自の風土を作り上げてきた歴史があると私は認識しています。今現在も、その延長線上に我々は生きているのであり、広く海外に目を向けて、良いモノ・コトを取り入れ、海外から日本に移り住む人々と共に、暮らしやすい社会を作り上げていくことが大切なのだと思います。私は、海外の国々の人々との共生を「多国籍共同参画社会」と捉えて、国籍にこだわらず、人間の倫理に照らして、ボーダレスな地域コミュニティが維持できる日本であって欲しいと強く思います。

 

そして「インクルーシブ社会」は、人間の人権と尊厳の保持について、我々の社会がどれだけ実践できるかが問われる社会像です。高齢化が進み、障がい児者が増えている日本においてはとくに、インクルーシブ社会という概念が「あるべき社会」から「ふつうの社会」となるよう、様々な変革を遂げていく必要があると思っています。人は生まれながらに皆平等です。自由と幸福に生きる権利を平等に持っています。その人間の自然の権利をふつうに行使できる社会の実現に向けたチャレンジの連続が、今生きている我々の世界だと思います。

 

私もがんを患い抗がん剤治療を現在受け、肛門を失い、左足首もうまく動かなくなり、これまで出来ていたことが出来なくなったことも多いですが、何もあきらめることはないと思っています。生きている限り、やれることは無限にあり、私はこれまでとは違う新しい状況に置かれただけであって、人間である私は何も変わっていないのです。そして人間は生きていることがすべてであり、しかもそれで十分だと強く感じるようになりました。一生は多くてもわずか100年ほどの時間を与えられて、身体も私という自我も、いつかは自然にお返しするときが来ます。そのわずかな時間を共に生きている私達が、互いを大切にするということに全力を尽くせる社会にしていきたいと心から思います。誰もが大切にし、大切にされる社会がインクルーシブ社会の根底だと思いますので、「のげやまインクルーシブ」のコンセプトのもと、野毛山動物園、野毛山公園、野毛山荘、新しく出来る多機能型支援拠点、中央図書館、プール跡地なども含めて、ここから横浜市域のみならず、世界に広がるインクルーシブ社会の実践を発信して広げていけたら素晴らしいなと思っています。

 

最後の⑤のスクールゾーンでの受動喫煙対策については、みなとみらい地区において実際に起こった出来事として、喫煙する人があまりに多く通学路の変更につながった事例があり、子育てしやすいまちをめざす横浜にとってあるまじき事態だと私は認識しており、子どもたちを受動喫煙から守るための行政の強力な取り組みが求められると思い、区づくり推進会議で共有した次第です。現在の日本は、改正健康増進法によって屋内の喫煙には規制がかかっていますが、屋外の喫煙については規制がありません。したがってこの法のみでは喫煙行為に対して行政に出来ることは注意喚起にとどまります。横浜市の条例(○横浜市空き缶等及び吸い殻等の散乱の防止に関する条例 (yokohama.lg.jp))によっても、屋外での「歩きたばこ」は努力義務としてしか禁止されておらず、「ポイ捨て」は禁止されていますが、喫煙そのものは禁止されていません。ただし、駅前や繁華街には喫煙禁止地区を指定できるようになっており、ここでは喫煙そのものが禁止となりますが、横浜駅周辺など8か所にとどまり、指定箇所はごくわずかです。

 

横浜市では公園もまだ喫煙禁止となっていません。スクールゾーンとともに、子どもたちを受動喫煙から守る対策を強く推し進める必要があります。道路や公園など公共空間はすべての人が安心して過ごせる空間であるべきですので、上記横浜市条例第1条と第3条に規定されている「屋外の公共の場所における喫煙の禁止」(第1条)について、「屋外の公共の場所での喫煙による市民等の身体及び財産に対する被害の防止並びに空き缶等の資源化の促進についての施策を総合的に実施しなければならない」(第3条)に基づいて、公共空間における喫煙禁止を可能にする「総合的な」受動喫煙防止対策を講じるよう、健康増進法所管の健康福祉局、上記ポイ捨て禁止条例所管の資源循環局、公園管理所管の環境創造局に強く求めていきたいと思います。

 

区づくり推進会議が行われる区役所に向かい始めた15時頃は、まだ雪は積もっていませんでしたが、会議が終わって家路につく18時過ぎにはしっかり雪が道路に積もっていました。

マヒした左足首を守るために先々週買った靴が、たまたま雪用スパイク付きだったので、大活躍してくれました。

西区役所杉山神社側の出入り口にて。

 

会議が終わり、帰路の雪道。
一覧へ戻る