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3月12日(火)市長に質問しました。

3月12日(火)、4月1日より施行される障がい者総合支援法や児童福祉法等の改正内容に伴う内閣府令、厚生省令に基づく横浜市の条例改正の追加議案が市長より提出されましたので、その議案に関連し、荻原が会派を代表し市長に質疑を行いました。

私は抗がん剤治療を受けつつの予算議会となり、会派の皆さんには私の分まで頑張って質問等の役割を背負って頂いていました。追加議案が提出され、その関連質疑については、もうこれ以上会派の皆さんに重ねての仕事量をお願いすることはできないと思い、抗がん剤スケジュールを確認しましたら、ちょうど質疑の日が、抗がん剤点滴の前日となっており、抗がん剤副作用の影響がもっとも薄い日でありましたので、これは私がやります、と会派団長に申し出て質疑に至ったものです。

その質問原稿(「読み原)と言っています。)をそのままここに記します。文章が長く読みづらいので、それぞれの質問の始めに質問趣旨を加えてあります(これは読んでいません)。本番の言い回しでは加わったものや変化した部分もありますが、大意に影響はないものです。

全文、心を込めて書いたつもりですが、まだまだ言い足りない、伝えきれていないことも多く、反省点がたくさんあります。

ご高覧下さり、ご意見などお寄せ頂けましたら幸甚に存じます。

また、この質問について翌日神奈川新聞が報じて下さいました。有料記事ですが、リンクをご紹介いたします。

医療と福祉の連携を がん闘病中の荻原市議、当事者の立場で訴え | カナロコ by 神奈川新聞 (kanaloco.jp)

 

***【質問原稿(2024年3月12日)】***

立憲民主党横浜市会議員団の荻原隆宏です。

山中市長ご提出の条例改正のための追加議案につきましては、障害者総合支援法や児童福祉法の改正について今春4月1日よりの施行を受けたことによる条例改正であること、ならびに、障がい者差別解消法や労働基準法の施行を受け、同様に今春4月1日より施行される福祉や医療における新たな基準もあることから、市政にとって重要な点を多く含みますので、いくつか山中市長に見解をお伺いいたします。

まず、児童福祉法の改正を受けた内閣府令に基づく条例改正である市第158号議案について伺います。

(①質問趣旨)

福祉型児童発達支援と医療型発達支援の一元化にともなう、児童発達支援センターにおける「スーパーバイズコンサルテーション機能」と、「地域におけるインクルージョン推進の中核としての機能」はどう進めるのかについて。

1)改正案にある福祉型児童発達支援と医療型児童発達支援との一元化については、医療型の支援を福祉型児童発達支援に統合し、あらたに児童発達支援センターにおいて提供することで、より身近な地域での支援を可能にすることが主な目的であると思います。横浜市の場合は、改正案で示される児童発達支援センターとは、すでに市内に9か所ある地域療育センターと同機能を示していると伺いました。したがって、すべての児童発達支援センターで提供すべき医療型支援については、医師や看護師の配置など、新規に対応すべき点はなく、これまで通りと伺っております。条例改正後においても福祉と医療両面にわたって児童ひとりひとりへの専門性ある対応を確実に担保して頂きたいと思います。いっぽう、今回の改正によって児童発達支援センターに新たに求められる機能と致しまして、地域の障害児通所支援事業所に対して支援内容などについて助言するスーパーバイズコンサルテーション機能や、障がいのあるなしや性別、国籍や人種などに関わらずすべての市民が理解し合い支え合って共に生きることができることをめざすインクルーシブ社会の基礎となる、地域のインクルージョン推進の中核としての機能の二つがあり、これらのあらたな機能ついてどのように対応していくのかについては、地域における支援の連携、そして地域における社会的包摂、インクルージョンの広がりに大きく影響してくるポイントだと思います。

そこで、すべての児童発達支援センターで、スーパーバイズコンサルテーション機能、そして地域のインクルージョン推進の中核としての機能を確保できるように、本市はどのように支援していくのか市長に伺います。

以前、ある地域療育センターを訪れた際に、運営されている事業所の方から、子どもたちを支援するための車いすなどの様々な福祉用具や活動のための器材を安全に保管できる場所の確保に苦労しているとのお話も伺いました。今改正案によってさらに業務が増えるなか、子どもたちや保護者の皆さん、地域の皆さん、そして支援する方々が安心して支援を受け、支援をすることのできる環境を整えて頂くことを要望致します。

(②質問趣旨)

障害児通所支援事業所の管理者が他の事業者等の職務に従事できるようになるが、管理者の適切な働き方を市が担保すべきことについて。

2)次に、管理者の専従緩和について伺います。障害児通所支援事業所の管理者が、事業所の管理上支障がない場合、他の事業所等の職務に従事できることとなりますが、このことによって管理者の業務は増えることになると思います。報酬などの待遇面でしっかり対応できるのか、また、適切な働き方が担保されるのか、管理者が多忙を極めることで、子どもたちへの支援に影響が及ぶことにつながらないよう、横浜市として事業所をしっかり支援する必要があると思います。市長の見解を伺います。

(③質問趣旨)

インクルージョン推進において、地域にとって必要な支援体制を市は万全に整えるべきことついて。

3)次に、今改正案であらたに加わる概念、インクルージョンについて伺います。誰一人取り残さず、障がいのあるなしや性別、国籍や人種などに関わらず、すべての人々を包摂することを意味するインクルージョンという概念は、福祉と医療の世界にとどまらず、これからの日本社会に最も重要な概念であると私は捉えております。今改正案にも、指定障害児相談支援事業者は、障がいの有無にかかわらず、すべての児童がともに成長できるよう、インクルージョンの推進に努めなければならないと定められています。学校教育において、すべての子どもがともに学ぶことができるインクルーシブ教育の推進については、2022年9月に国連より日本に勧告されたことも受け、横浜市においても積極的に進めて頂きたいと思っておりますし、今改正案で示されているインクルージョン推進の観点から、すべての障がい児が、指定児童発達支援事業者等や、地域の保育・教育機関等による支援を円滑に受けることができるように、また、地域における暮らしに困難が生じることなどがないように、指定障害児相談支援をはじめ、障がい児やその家族等、また、地域にとって必要な支援体制を、横浜市は万全に整えて頂きたいと思いますが、市長のお考えを伺います。

次に、障害者総合支援法の改正を受けた条例改正案である第159号議案について伺います。

(④質問趣旨)

利用者の意思決定支援に市はどのように関わり支えていくのかについて。

4)今改正案において、個別支援計画の作成にあたり、利用者の希望する生活や課題等の把握を行うアセスメントについて、地域生活への移行に関する利用者の意向確認を行うことや、利用者が自ら意志を決定することに困難を抱える場合には、適切に意思決定を行うため、当該利用者の意志および選好ならびに判断能力等について丁寧に把握しなければならないとされています。地域移行をするかしないかなどの意思決定によって、利用者の人生は大きく変わります。自ら意思決定を行うことに困難を抱える利用者にとっては、支援する側の福祉的スキルが高度に求められる支援内容でもあり、利用者が真に望む意思決定がされるよう、確かな支援およびアセスメントが求められると思います。意思決定に携わる福祉人材の確保やそのノウハウの共有について、市がしっかり支援する必要があると考えますが、今後市は利用者の意思決定にどのように関わり支えていくのか、市長の見解を伺います。

(⑤質問趣旨)

利用者の地域移行を進めるにあたり、インクルーシブなまちづくりを進め、利用者の主体的な選択を支えながら、地域における支援体制づくりをどのように進めていくのかについて。

5)次に、地域移行について伺います。今改正案において、地域移行等意向確認担当者によるすべての入所者に対しての、地域生活への移行及び施設外の日中サービス利用に関する意向確認が義務付けられますが、地域移行を望む入所者にとって、移行先である地域における支援体制がきわめて重要になると思います。障がいのあるなしにかかわらず安心して自由に主体的に暮らせるインクルーシブな社会づくりがまさに求められるところだろうと思います。

山中市長は令和6年度の市政運営の基本方針において、「インクルーシブなまちづくり」との言葉を添えて、のげやまインクルーシブ構想を打ち出し、インクルーシブスポーツの推進や、インクルーシブな公園づくりなど、インクルーシブ社会の実現に向けて着実に取り組みを進めているところだと思います。ぜひ、インクルーシブなまちづくりを力強く進めて頂きながら、利用者の皆様が安心して地域に移行して暮らせる横浜にして頂きたいと思います。私は重度知的障がい者の入所施設で働いておりました際に、利用者がどうしたいのか、どうして欲しいのか、まったくわからない日々が続きました。しかしベテランの職員と接すると、表情も行動も穏やかに変わる利用者を見るうちに、利用者の幸せにとってもっとも大切なことは、良好な人間的な関係性の構築と、誰と一緒に暮らすかについて、利用者が自由に選択できることだと思い至りました。つまり、私たち人間は皆同じだ、ということであります。利用者の地域移行を進めるにあたり、利用者の主体的な選択を支えながら、地域における支援体制づくりを今後どのように進めていくのか市長のお考えを伺います。

次に、令和6年度介護報酬改定に基づく条例改正である市第160号議案について伺います。

(⑥質問趣旨)

介護現場の生産性向上の取り組みについては、利用者の安全ある処遇の確保に万全に取り組めるよう、委員会の運営を支援すべきことについて。

6)今改正案によって、介護現場の生産性向上の取り組みを推進する観点から、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置が、短期入所系、多機能系、居宅系、施設系の各サービス共通に義務付けられることとなります。介護現場における生産性の向上については、職員の働きやすい職場環境づくりのための方策であるいっぽう、作業の効率化によって利用者の不利益につながることのないよう、利用者の安全ある処遇の確保に万全に取り組む必要があると感じています。そこで、生産性向上の推進にあたっては、利用者の処遇に支障が生じることなく必要なサービスがゆきわたるよう、委員会の運営が万全になされてほしいところですが、市はこの取り組みに対しどのように支援していくのか、市長に伺います。

次に、これまで伺って参りました市第158、159、160号の3つの議案を総括して質問させて頂きます。

(⑦質問趣旨)

今条例改正を受け、福祉職の人材確保、業務増加に対応する待遇の確保、市による支援策の確保の2024年度の取り組みと、中長期的な視野での取り組みについて。

7)この4月1日から、障害者総合支援法と児童福祉法の改正法が施行を迎え、それを受けての今般の条例改正議案の提出となっています。また、この4月1日からは障害者差別解消法による障がい者への合理的配慮の提供のすべての事業者に対する義務付けも始まります。児童福祉および障害者施策がステップアップする大切な年度になります。

2024年度の横浜市予算案が現在審議されておりますが、この追加議案による改正を受けたのちに、しっかりと福祉現場で働く福祉職の人材確保、および業務増加に対応する待遇の確保、そして支援策の確保が、まずは2024年度の取り組みに求められると思います。

また、視野に入れるべきは2024年度だけではありません。今後、人口減少が進み人手不足も進むなかで、児童福祉、障がい児者福祉、高齢者福祉におけるすべての福祉現場における支え手もますます減少していくことに自治体は危機感をもって先手を打って対応していく必要があると思います。令和6年度介護報酬改定に関する審議報告書においても、「生産年齢人口の減少が顕著になり、介護を含む各分野における人材不足がさらに大きな課題となる」と総論において述べられ、人材不足の課題に対応していくことが喫緊の課題との認識が記されております。今生まれる子どもたちが社会に巣立つ2040年ごろには社会を支える現役世代が現在の8割となる8がけ社会となり、高齢化率も35%となると予測されています。福祉を支えるのは公の重要な仕事です。今後、中長期的な視野で、どのように福祉人材を確保していくのか、そして今改正案による業務増加に対応する福祉職の待遇の確保と、事業者や福祉職への支援策の確保について、市長のお考えを伺います。

(⑧質問趣旨)

福祉職の給与が依然として低いなか、物価高が続き、生活費もかさんでいく昨今において、福祉人材の確保策について市はこれまで以上に取り組む必要がある。市として福祉職のモデル賃金の設定を行い、福祉で働く人々の人生を、希望ある将来を描けるものとすべきことについて。

8)次に、福祉職員の待遇の向上について伺います。障がいのある方々が、暮らす場所、働く場所を自由に決定でき、人生を生きていくためには、行政と地域の支えが必要不可欠です。障がいのあるなしは社会にあります。社会的バリアを除いていくことは行政の重要な任務です。また、ひとりひとりの心のバリアをなくしていくこと、これも行政の大切な任務です。今条例改正の元となる障害者総合支援法、児童福祉法の理念は、すべての国民は障がいの有無にかかわらず、かけがえのない個人として尊重されるというものです。この理念の実現のためには、福祉現場ではたらくすべての職員の待遇を向上させ、多くの人々、多くの若者に福祉現場にやりがいと希望を感じながら長く働いて頂ける環境を整え、質の高い持続可能な福祉を構築することが必要であり、その実現こそ、少子高齢人口減社会を乗り越えるための自治体の最大の責務であると私は思います。今改正案によって、福祉現場に様々なあたらしい業務が加わることになります。物価高が続き、生活費もかさんでいく昨今において、福祉人材の確保策について、これまで以上に取り組む必要があります。

グループホームの現場からは、障害者総合支援法によって進められている形は良いけれども、しかし、量と質両面にわたって福祉現場は追いついていない、との声をお聞かせ頂いております。基本給は低く、わずかな額の加算を積みかさね、加算、加算によってようやく給料らしい額面になる。しかし本来は、生活の基本を支えるのが基本給と呼ばれるにふさわしい給与であって、基本給だけでは生活が成り立たないような報酬では、そして高齢者や障がい児者をしっかり支援できるスキルのある、ふさわしい人が現場にいられないような報酬では、福祉は崩壊してしまいます。給与は足りないが、ボランティア精神でがんばれがんばれ、では福祉でなくともどの産業も維持できないと思います。長く働いた職員ほど給与が上がるために、長く働いてスキルが身に着いた人ほど、福祉の現場にいられなくなるのが日本の福祉の実態です。

これまで数年にわたって、行政職員の方々とお話をさせていただいている限りでは、たいへん残念ながら、横浜市はこの福祉現場の切迫した苦境を理解できていないのではないかと指摘せざるを得ません。ぜひ現場の声を聞き、分かってもらいたいと思います。

我が会派は、数年にわたって、横浜で働く福祉職のモデル賃金を設定して、退職後まで見据えた安定した生活を福祉職の方々に保障できる待遇策を要望しております。このモデル賃金設定の検討を何としても始めてもらいたいと切に思います。

児童福祉、障害児者福祉、高齢者福祉、それぞれの現場で働くすべての福祉職員の待遇の向上を実現させ、福祉という人を支える貴い仕事の魅力を伝え、向上させ、志をもって福祉の世界に生きる決意をした若者たちの思いに市はしっかりと応えて、その人生が十分に希望ある将来を描けるものとするために、横浜市はこれからどのように取り組んでいただけるのか、モデル賃金設定の実施を含めて、市長のお考えを伺います。

(⑨質問趣旨)

医療現場と福祉現場の橋渡し役が必要であること、ならびに、医療行政と福祉行政の縦割りを打破して、医療と福祉の連携を深めるべきことについて。

9)昨年9月、私は横浜市立市民病院で直腸がん手術を受け、肛門を摘出し、人工肛門を造設してオストメイトになりました。その際、術後2~3日で人工肛門のパウチ、(パウチとは排泄物を受け止める袋のことですが、)このパウチを術後は2日で交換しなければならないわけですが、このパウチ装具について、販売会社の選定と、パウチを剥離するためのリムーバー等、装具製品の選定については、病院側からあっせんすることは禁じられているため、自分で発注しなければなりませんでした。新型コロナウイルス感染防止のため、この時期入院病棟には家族も入れませんでしたので、自分でスマホからHPを検索し販売会社を選定し、見たこともない製品を選ばなければならない状況となりました。私はまだ両手に点滴針が入り、体液排出のためのドレーンが肛門周辺と腹部に入り、排尿のための管も尿管に挿入されている状態でしたので、まったくしらない会社や製品を一人で選定発注することは荷が重く、看護師がフォローして下さり、パウチの発注まで至ることが出来ました。

この際感じたのは、医療現場のあまりの忙しさと、医療と福祉のあいだのエアポケットでした。私の場合は偶然に、相談した看護師がストーマ(人工肛門)専門の看護師を廊下で見つけることが出来て、より適切なパウチの選定に至れたのですが、医療的な知見から製品を選ぶことは非常に大切なことですし、どの会社から製品を購入するかある程度の知識を教えて頂ける相談体制はあってほしいと思いました。

看護師さんも忙しい。医師も忙しい。相談できる相手もいない。医療から福祉へわたる橋渡し役が必要だと思い、今回質問したいと思いまして事前に行政と対話させていただいたところ、今度は行政組織における医療と福祉のエアポケットを垣間見ることとなりました。入院の体験を通じて質問したいと介護担当の職員にお尋ねすると、「それは医療なので分からない」「今改正にかかわる福祉装具については介護保険の対象ではないので答えられない」「私が体験した分野は介護分野ではなく障害分野なので答えられない」と複数の職員からお答えを頂いた次第です。

行政職員がそれぞれの所管を意識して仕事することには問題はありません。しかし所管ではない分野について市民から問われたときに、それは私の所管ではないから答えられないという対応で終わってはならないのであって、市民に寄り添うということは、どうすれば次のステップに進めるか、次の担当につなぐところまで伴走し案内するのが行政職員の最低限あるべき姿だと思います。

さきほども触れました令和6年度介護報酬改定に関する審議報告書のなかでも、医療・介護の複合ニーズを有する患者・利用者が増加していることに触れ、医療の視点を踏まえたケアマネジメントを進める必要性について述べられています。日本人の2人に1人ががんになる時代です。がん患者をはじめ、病を抱えながら社会で働き、活躍する方々が今後益々増えていくと思います。その方々を支援するためにも、医療と福祉、さらには労働分野との連携も深めていく必要があると思います。

横浜市は巨大組織であるがゆえに、市民の立場より組織の立場を優先しがちではないかと思う場面に多々遭遇します。ひとりひとりの職員が悪いとは思えません。誰が悪いという事ではないのです。ただ組織の都合よりも市民を第一に考えてほしいだけなのです。市民にとって問題を解決するにあたって職員の所管はまったく関係のないことです。これは、山中市長の、市民のために働きたいという市長選のときの想いを、職員としっかり共有していただくことではじめて、職員は安心して所管の壁を越えていけるのだと思います。

病院で私が体験したエアポケットは、まず横浜市の医療行政と福祉行政がもっと連携して、互いの分野に関心をもって、自分の所管以外の相談がきたときにも、適切な担当職員に自らつなげられるよう、関係を深めるべきだと思います。それが出来なければ、今改正案に定められている医療と介護の連携も実現できないと思います。患者及び利用者の立場に立つ支援提供のために、縦割り行政を改めて、医療行政と福祉行政の連携を深めるべきと思いますが、市長の見解を伺います。

(⑩質問趣旨)

患者および障がい児者の幸福な暮らしと、医療および福祉に従事する職員の幸福な暮らしを支えるために、横浜市の医療および福祉はどうあるべきかについての市長の考えについて。

10)最後に、市長の医療と福祉への思いについてお伺いします。令和6年度の市政運営の基本方針の中では、個々に福祉に関連する施策は述べられておりますが、福祉という言葉そのものは出てきません。昨年度の市政運営の基本方針にも出ておりませんでした。そして山中市長のホームページに掲載されている政策の中にも福祉という言葉は見当たりません。この点はぜひ今後は、福祉について力強く発信して頂きたいと提案させて頂きたいと思います。児童福祉と、障がい者福祉と、高齢者福祉は三位一体です。さらに言えば、これからはここに医療も加わり、今改正案にもあるように、医福連携について大きく問われてくると思います。

福祉と医療において、利用者および患者と、福祉・医療従事者とのつながり、また、福祉施設と医療機関とのつながりをいかにつくりあげていくか。今改正案は、利用者の意思決定支援、就職選択支援、地域移行支援などをこれまで以上に利用者に寄り添って行えるように、様々な会議体を作りアセスメントを行うことを定めたことに主眼が置かれていると思います。また、介護事業者と医療機関との連携の義務付けを行うことについても、医療と福祉との連携の必要性を示しています。

さらに、この4月1日からは、労働基準法の猶予の期限を終え、勤務医の長時間労働を是正するため、医師にも時間外労働の規制の適用が始まります。医療現場における人材の確保もますます必要となります。

医療においても、福祉においても、いかに人材を確保してサービスの質を高め、利用者の人生により多くの幸福をもたらすことができるかが問われていると思います。今回の改正案については、障害者総合支援法や児童福祉法の理念実現のために大きく一歩を踏み出す福祉や医療にとっての大事なエポックと捉えて取り組んでいただきたいと思います。

福祉は幸福を意味すると辞書にあります。福祉は人の幸せを作る仕事であり、福祉は人の世の救いだと私は思っております。山中市長におかれましては、市のトップとして、人間の苦悩と向き合う福祉および医療の現場に働く皆さん、そして何より、苦悩を抱える患者、利用者の皆さんの立場に最後の最後まで立ち続ける横浜市であることを市職員全員で共有して頂きたいと思います。

患者および障がい児者の幸福な暮らしと、医療および福祉に従事する職員の幸福な暮らしを支えるために、横浜市の医療および福祉はどうあるべきかについて、市長のお考えを伺います。

むすび

むすびになりますが、私は今、永久ストーマを造設した障がい4級の身体障がい者であり、現在抗がん剤治療を受けているところであります。この新しい状況になってからここまでの間、市民の皆様から、また、ここにおられます議員の皆様から、議会局の皆様、行政職員の皆様から賜っております、たいへん深いご理解と、あたたかい励ましのお言葉に、毎日生きる勇気を頂いております。この場をお借りしまして、心より深く感謝を申し上げます。まことにありがとうございます。

真に市民に寄り添うということは、問題解決をあきらめずに、市民と心を合わせて、社会に希望を持ち続けることです。今改正案を、市民に寄り添い、地域において丁寧に展開するためにも、職員が安心して行政の縦割りを打破していけるよう、山中市長はがんばって、組織より市民を守り、大切にする横浜市にして頂きたいと思います。

私も新しいからだをいただき、新しい人生を歩ませて頂きながら、障がいのある、病を抱える市民のため、さらに私に出来ることを尽くして参りたいと思っております。

人生は素晴らしいものとがんになりあらためて思っています。この世に生を受けた者は皆素晴らしい人生を幸せに生きる権利があります。そのひとりひとりの権利を守るため、福祉と医療の人材確保、連携の深化に全力を傾注していただくことを、山中市長はじめ横浜市行政職員の皆様に心より要望させていただきまして、立憲民主党を代表しての私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

質問の朝、市会議事堂前で
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